未経験からエンジニアへの転職について、ネットで検索すると「厳しい」「やめとけ」という声にすぐ行き当たります。実際に転職活動を始めてみると、書類選考で連絡が来ないまま数週間が過ぎたり、面接でうまく答えられずに落ち込んだりする瞬間は誰にでもあります。ではエンジニアへの転職はやめておいたほうがいいのかというと、そうとは言い切れません。
面接で何を聞かれるのか分からず、対策のしようがない
独学とスクール、どちらを選べばいいのか判断できない
この記事では、法人営業として6年間働いたのち、独学からプログラミングスクールを経てWebアプリケーション開発のエンジニアへ転職した筆者の体験を軸に、未経験からの転職で押さえておきたい4つのポイントを解説します。「頑張れば大丈夫」という精神論ではなく、実際に何をどう準備すれば良いのかを、具体的な行動レベルまで落とし込んでお伝えします。
本記事でわかること
- 営業職からエンジニアへ転職した筆者の体験談
- 独学でつまずいた原因と、そこからの立て直し方
- 転職を成功させるために身につけておきたいスキルと準備
- 面接で実際にやらかした失敗と、そこから学んだこと
目次
未経験からエンジニアへの転職体験談
法人営業6年、「作る側」に回りたいと思った理由
新卒で入社した会社で、6年間法人営業を担当していました。担当していたのは企業向けのシステム導入やDX関連の提案で、商談の場では常にエンジニアやシステム担当者と一緒に動いていました。
商談を重ねるうち、自分が提案しているシステムがどう作られているのか、まったく分からないことに引っかかりを覚えるようになります。お客様から技術的な質問をされても自分では答えられず、隣にいるエンジニアに助けてもらう。そんな場面が何度も続くうちに、いつからか「提案する側」ではなく「作る側」に回ってみたいと考えるようになっていました。
今でも覚えているのは、ある商談でお客様から「このシステム、今使っている在庫管理のデータと連携できますか」と聞かれたときのことです。一瞬、言葉に詰まりました。とっさに答えられずにいると、隣にいたエンジニアがすぐに仕組みを説明してくれて、お客様の表情が明らかに変わりました。自分の言葉で答えられなかった悔しさが、しばらく頭から離れませんでした。
とはいえ、いきなり退職して転職活動を始める度胸はありません。まずは在職中に少しだけプログラミングに触れてみて、自分に向いているかどうかを確かめることから始めました。
独学3ヶ月でぶつかった壁
最初の3ヶ月は、ProgateやドットインストールでHTML・CSSからJavaScript、PHPへと進めていく独学期間です。ネットやSNSで見かけた「初心者はこのあたりから始めるといい」という情報を参考に、順番に触っていきました。
今振り返ると、この時期の一番の問題は、どんなエンジニアになりたいかを決めないまま、なんとなく評判の良さそうな言語を順番に触っていたことです。JavaScriptとPHPに入ったあたりで急に理解が追いつかなくなり、書いているコードが何をしているのか自分で説明できない状態に陥りました。
同じ教材を何度も見返しても頭に入ってこない。休日にまとまった時間を取って勉強しても、平日にはほとんど内容を忘れている。そんな状態が続き、正直このまま独学だけで転職できるイメージは持てなくなっていました。
振り返ると、情報を集めすぎていたことも良くなかったと思います。SNSで見かけた学習法や教材を片っ端から試し、結局どれも中途半端なまま終わっていました。同じ時期に学習を始めた人がポートフォリオを完成させている投稿を見ては、自分だけ遅れているような焦りを感じることもありました。
スクールで方向性を定め、Webアプリケーション開発を目指す
行き詰まったタイミングで、改めて自分が何を作りたいのかを考え直しました。営業時代に感じていた「提案しているシステムの中身が分かるようになりたい」という気持ちを掘り下げると、やりたいのはインフラでもマーケティングでもなく、Webアプリケーション開発だとはっきりしてきました。
方向性が決まったことで、独学の延長ではなく、体系的に学べるオンラインのプログラミングスクールに通うことを決めました。いくつか候補を見比べ、体験授業で質問への答え方やカリキュラムの中身を確かめたうえで、実践的な内容だと納得できたスクールに決めました。3ヶ月のコースで、Javaを軸にしたカリキュラムです。環境構築や基礎文法から始まり、オブジェクト指向の考え方を学びながら簡単なWebアプリケーションを自分で設計・実装し、最終的には自動テストや自動デプロイの仕組みまで一通り組み上げる内容でした。
方向性を決めてから学び直したことで、独学期間には理解できなかった内容がすんなり頭に入るようになります。同じ技術でも、目的が定まっているかどうかでここまで吸収度が変わるのかと驚いたのを覚えています。
未経験からエンジニアへの転職を成功させる5つのポイント
自分の体験を踏まえて、未経験からの転職で押さえておくべきポイントを5つにまとめました。見た目は当たり前のことばかりですが、実際にやろうとすると一つひとつが地味に大変です。ただ、そこを飛ばさずにやり切れたかどうかが、そのまま結果の差になったと感じています。
①方向性を決めてから学ぶ
未経験からの学習でよくあるつまずきが、目指すエンジニア像を決めないまま、評判の良さそうな言語やツールを次々に触ってしまうことです。独学の3ヶ月はまさにこの状態で、HTML・CSSは何とかなったものの、JavaScript、PHPと進むうちに何のために学んでいるのか見失い、手が止まりました。
Webアプリケーション開発をしたいのか、インフラを扱いたいのか、あるいはデータ分析寄りの仕事をしたいのか。ここが定まっているかどうかで、同じ教材を使っても理解のスピードはまったく変わります。学習を始める前に、求人サイトでいくつか気になる求人を眺めて、そこで求められている技術を先に確認しておくと方向性が定まりやすくなります。たとえば「Java」「Webアプリケーション開発」と検索条件を絞って求人を10件ほど眺めるだけでも、どの技術が共通してよく出てくるかが見えてきます。
方向性が固まったら、学習の入り口はProgateやドットインストールのような操作しながら覚えられる教材で十分です。ただし、同じ教材を1周しただけで終わらせず、学んだ範囲で小さいものでいいので何か自分で作ってみることを意識してください。書き写すことと、自分で組み立てることでは、理解の深さがまったく違います。
②写経で終わらせないポートフォリオ作り
スクールのカリキュラムでは、教材通りにコードを書き写す時間がどうしてもあります。ただ、面接で評価されたのは、教材のコードをそのまま提出したものではなく、そこに自分なりの機能や工夫を加えたポートフォリオでした。
カリキュラムで作ったWebアプリケーションに、自分で考えた検索機能や、実際に使ってみて不便だと感じた画面の改善を加えました。面接では「なぜこの機能を追加したのか」「なぜこのデータベース設計にしたのか」を聞かれることが多く、教材通りに作っただけでは答えに詰まっていたはずです。
ポートフォリオを準備するときは、次の4点を自分の言葉で説明できる状態にしておくことをおすすめします。
- 誰のどんな課題を解決するために作ったのか
- その技術やフレームワークを選んだ理由
- 一番工夫した箇所
- 一番苦労したエラーと、どう解決したか
この4点は、ほぼどの面接でも聞かれると考えておいて間違いありません。数を増やすより、1つを最後まで作り込んで、理由を語れる状態にしておくことのほうが重要です。
③面接は「話す力」より「見せ方」で差がつく
正直に言うと、転職活動の最初の数社では面接で落ち続けました。原因は技術力不足ではなく、話し方にありました。
ある面接で、こんなやりとりがありました。
私「まだありません。ただ、意欲はあります」
そのあと、数秒の沈黙が流れました。今振り返ると、「意欲」という言葉だけでは、面接官には何も伝わっていなかったのだと思います。
用意していた回答をすべて話そうとするあまり、聞かれたこととずれた内容まで長々と話してしまったことも何度かありました。面接官の反応を見ずに一方的に話していたので、対話になっていなかったのです。
また「入社後の研修で学びながら身につけていきたいです」というニュアンスの発言をしてしまい、これも、あとで振り返ると主体性のなさとして伝わってもおかしくない言い方でした。すでに自分で学んで動いている事実より、教えてもらう前提の姿勢が先に出てしまっていたわけです。
ここに気づいてからは、質問されたら結論から先に話し、1〜2文話した時点で一度面接官の反応を確認するようにしました。「意欲があります」ではなく、何を、どれだけ、どうやって学んできたかを具体的な事実で語る。この違いを意識しただけで、面接の空気は明らかに変わりました。
特に手応えが変わったのが、「一番苦労したエラーと、その解決策」を聞かれたときです。最初の頃は「エラーメッセージで検索して、出てきた記事の通りに直しました」としか答えられず、反応は薄いものでした。
あるとき、CRUD機能を実装していたWebアプリで、フォームから送信してもデータベースに保存されず、エラーメッセージも出ないというトラブルに苦労した経験を、概要、原因の仮説、実際に試したこと、そこから得た学びの順に整理して話してみたところ、面接官の質問の質が変わりました。「そのとき、他に何を疑いましたか」というように、こちらの思考のプロセスに興味を持ってもらえるようになったのです。
志望動機についても、「成長したい」「裁量のある環境で働きたい」だけで終わらせず、なぜその企業でなければならないのかを、事業内容や使用技術、実際に触ってみたサービスの感想などを交えて一段深く話すようにしました。誰にでも言えそうな志望動機は、面接官には簡単に見抜かれます。
④エージェントとスクールの求人紹介、両方使ってわかったこと
転職活動では、スクールが紹介してくれる求人と、自分で登録した転職エージェント数社の求人、両方を並行して見ていきました。
| 比較 | スクール経由の求人 | エージェント経由の求人 |
|---|---|---|
| 選考のハードル | 学習内容を理解した上で紹介してもらえるため通りやすい | 企業や職種の幅が広く、自分の適性次第 |
| 選べる企業の幅 | 提携企業に限られる | 希望条件に応じて幅広く提案してもらえる |
| サポート | ポートフォリオを含めた選考対策 | 書類添削や面接対策、条件交渉 |
スクール経由の求人は、学習内容を評価してくれる企業が多く、選考のハードルは比較的低く感じました。一方でエージェント経由の求人は選択肢の幅が広く、自分の希望や適性をもとにいろいろな企業を提案してもらえます。最終的に内定を承諾したのは、エージェントが紹介してくれた自社開発の企業でした。スクールの求人だけに絞っていたら出会えていなかった選択肢だったので、両方を使っておいて良かったと感じています。
⑤前職の経験を「弱み」ではなく「武器」にする
未経験の転職活動では、前職の経験をどう扱うかで印象が大きく変わります。最初のうちは、営業経験を「エンジニアとは関係のない、むしろ薄めるべき経歴」だと思っていました。面接でも前職の話はできるだけ短く済ませ、学習内容の説明に時間を割こうとしていたほどです。
ただ、ある面接で「営業として、システム導入の商談にどう関わっていましたか」と深掘りされたことをきっかけに、考えを改めました。
6年間、顧客側の立場で「この画面は分かりにくい」「この機能があれば助かるのに」という声を直接聞いてきた経験は、エンジニアとして機能を設計するときの視点そのものです。ポートフォリオに検索機能を加えたのも、元をたどれば営業時代に見てきた「欲しい情報にたどり着くまでが長い」という不満でした。
それに気づいてからは、志望動機やポートフォリオの説明に、営業時代に見てきた顧客の不便さや、商談で感じた業務の非効率さを積極的に絡めるようにしました。
未経験であることは、技術力では確かにハンデです。ただ、別の職種で積んできた経験は、同期の新卒や他の未経験者にはない、自分だけの視点になります。ここを弱みとして隠すより、武器として前に出したほうが、面接官の印象には残りやすいと感じています。
入社後の今も、要件のヒアリングや他部署とのやりとりの場面で、営業時代に培った聞き方や伝え方がそのまま役立っています。技術は入社後にいくらでも伸ばせますが、前職の経験はその人にしか語れない資産です。
未経験からのエンジニア転職、遠回りしないためのアドバイス
自分の体験を振り返って、今から動く人に伝えたいことをいくつか挙げます。
在職中から動き始めること。退職してから転職活動を始めると、収入がなくなる焦りから判断が鈍りやすくなります。まずは学習を始めながら、余裕のあるうちにエージェントの無料カウンセリングだけでも受けておくと、選考のハードルや今の自分に足りない部分が早めに見えてきます。
独学から入る場合は、最初の1ヶ月で構わないので、目指す方向性を決めてから学習計画を立てること。何となく評判の良い言語を順番に触るやり方は、遠回りになりやすいです。
書類が通らない、面接で落ちる、という結果が出たときに、スキル不足だと決めつけて学習時間だけを増やすのではなく、話し方や伝え方を見直してみること。技術的な理解を深めるより、話し方を変えたほうが結果が変わった経験があるので、この点は特に伝えておきたいです。
まとめ|未経験からエンジニアへの転職で大事なこと
営業職からエンジニアへの転職は、独学でのつまずき、スクールでの学び直し、面接での失敗を経て、ようやく形になりました。振り返ってみると、遠回りをした時期のほとんどは、方向性を決めずに動いていたことが原因でした。
未経験からの転職は、準備が必要ですし、簡単な道ではありません。ただ、方向性を定めて学び、ポートフォリオを作り込み、前職の経験を強みとして語り、面接での見せ方を意識すれば、着実に前に進める道でもあります。これから動き出す方の参考になれば幸いです。
もう一度「未経験からエンジニアへの転職を成功させる5つのポイント!体験談をもとに解説」を読む ↑
未経験の転職を在職中からすべき理由
未経験から転職活動は、毎月の給料が保証されている在職中から始めるのがおすすめ。退職後でお金に余裕もないと、焦ることで判断が鈍り『ミスマッチ』を起こしかねません。
まずは、在職中から転職エージェントに複数登録しておき、初回の無料カウンセリングだけでもしておきましょう。あとはキャリアアドバイザーが応募者の状況に応じた求人案件の紹介や、面接の日程調整や給与年収交渉などを行なってくれるのでとても便利です。
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いきなりの転職が不安な方はプログラミングスクールという選択も
いきなり転職活動を開始する前に、「まずはプログラミング言語のスキルを身につけておきたい」。そう考える方には、プログラミングスクールの受講をおすすめします。
未経験・社会人でも安心して学習できるスクール、そして転職付き(転職保証型)のスクールなど、条件や目的によって選ぶ基準も様々だと思います。まずはじっくりと比較して、少しでも気になる教室があれば無料相談・体験会に申し込んでみると良いでしょう。
未経験・社会人、学生におすすめなプログラミングスクールを比較するなら、「おすすめプログラミングスクール比較11選!社会人・未経験の転職・就職にも有利!」という記事を参考にしてください。
転職付き(転職保証型)のプログラミングスクールの詳細を知りたいかたは、「【無料あり】転職支援・保証型プログラミングスクール比較13選!社会人・学生さんの就職に強い!」をご覧いただき、自分の目標や目的にぴったりのスクールを見つけてくださいね。
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