
どの仕事でも1年目は辛い物だと一般的には言われています。エンジニアも例外でなく1年目で壁にぶち当たるなど、これまでの人生で味わったことのない経験をすることになるでしょう。
ここではテストエンジニア歴3年強の筆者が1年目にどれだけ辛い思いを経験し、それをどのように対処し、その後はどうなったかについて紹介します。
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目次
具体的に何が辛いのか
仕事において辛いといっても様々な種類がありますが、主に5種類に分かれてくるのではないかと思います。
スキルが通用せずに辛い/プログラミングが上手くできない

まずは自分のスキルが通用せずに辛いことが挙げられます。
具体的にどのような時に陥ってしまうのかと言いますと、新人研修が終わって実際に開発部署に配属されて程ない頃が多いと思います。
いざ仕事に取り組もうとしてもソースコードやログなどが読めなかったり、自社製品の操作方法や保存されたファイル先がわからなかったりするなどして苦戦を強いる可能性が高いと考えられます。
いくら学生時代など入社前にC++やJavascriptのようなプログラミング言語の基礎知識や実装経験をしっかり積んだり、新人研修で必要事項を理解したりした上で挑んだとしても開発現場で扱うプログラムや操作方法は難解で、厄介なことに先述の知識や経験が通用しないことが多く、そのことでショックな気持ちを抱えることになる可能性が高いと考えられます。
未経験で配属された場合は尚更で、昔とは異なり新人研修だけで必要なIT知識を得られるには不十分で、殆ど無知に近い状態で開発現場に投入されることになるので、何をしたら良いのかわからず悶々とした毎日を過ごさねばならない可能性があります。
何がわからないのかすらわからず辛い

エンジニア1年目で辛いと感じる理由として、何がわからないのかすらわからないという状態に陥ってしまうことも挙げられるのではないかと思います。
プログラミング以外にも覚えることが一気に増える
学生時代や新人研修ではプログラミングを中心に学んできたとしても、実際の現場に入るとそれ以外にも覚えなければならないことが一気に増えてきます。
例えば、既存のソースコードの読み方や開発環境の使い方、Gitなどのツール、社内独自のシステムや業務知識などです。
新人の頃は、プログラミングができないというよりも、周りの人が何の話をしているのか理解できずに困ってしまうことの方が多いのではないでしょうか。
先輩社員にとっては当たり前の言葉でも、自分にとっては聞いたこともない専門用語だったりするため、会話を聞いているだけで疲れてしまうこともありますよね。
しかも、わからないことが多すぎるため、どこから手を付ければ良いのかもわからず、何もできないような気持ちになってしまうこともあると思います。
質問したくても、何を聞けばいいのかわからない
新人エンジニアの場合、わからないことがあれば先輩社員に質問するのが大切だと言われることも多いです。
しかし、実際には自分が何につまずいているのか整理できておらず、何を質問すれば良いのかわからないということもあるのではないかと思います。
何となくわからない状態で質問しても、どこがわからないのか聞かれた時に答えられず、結局そのまま自分で調べ続けてしまうこともあります。
そのような状態が続くと、自分は質問すらまともにできないと感じてしまい、さらに自信を失ってしまう可能性もあります。
1年目の頃は、質問するためにも自分なりに状況を整理する必要があることを知らず、わからないことを抱え込んでしまう人もいるのではないでしょうか。
存在意義が感じられず辛い

次に、自分の立場や存在意義がないのではと感じて辛いことが挙げられます。
具体的には、1年目のエンジニアの技術力では現場では使えないと見なされることが多いため、一部企業を除いてSEのような顧客との打ち合わせや中核部分のコーディングといった作業よりもセミナー会場のパソコン環境の設定や、書類のコピーなどエンジニアとは関係ない雑用係と言われる作業を指示されることも少なくないと思います。
このような作業が数ヵ月続くなどした場合、自分はエンジニアには向いていないのか、自分の仕事は何の役になっているのかなど、立場や存在意義がないと感じるようになり辛くなっていくことが考えられます。
またコーディングなど開発に関わる作業に携われるようになってもコードの一部をひたすらコピーペーストを繰り返したり、指示されたテストプログラムを実行したりするだけの単純なものが中心で、同じような気持ちで辛いと感じることもありうると思います。
コミュニケーションが辛い

最後に、コミュニケーションなど人間関係が辛いことが挙げられます。
具体的には同じ部署の直属の上司とうまくコミュニケーションが取れない場面が少なくないと思います。
なぜなら仕事において小さなミスを犯しただけでも怒られたり、わからない点を相談しようとしても忙しそうなため、いつすれば良いかわからなかったりする場面が多いと考えれるからです。
この他にも部署内で仕事の事を中心に技術的な会話についていくことができずに孤立してしまう場面や、飲み会など所謂オフな時間の交流会がある所で、マナーや会話などの面でどのように振舞えばよいか分らず、混乱してしまう場面などもあるのではないかと思います。
お客さんや得意先を回ることが多い営業職のように関わる人間関係の範囲は狭いとはいえ、エンジニアなどの開発職でもチーム単位で仕事することが多いため、人間関係がうまくいかずに辛いと感じてしまうことも十分にありうるのではないかと思います。
周りと比べて自分だけ成長していないように感じる
エンジニア1年目では、周りと自分を比べてしまい、自分だけ成長していないように感じて辛くなることもあるのではないかと思います。
同期や先輩ができることばかり目に入る
特に同じ時期に入社した同期が、自分よりも早く仕事を覚えているように見えると、自分だけが取り残されているような気持ちになることがあります。
また、先輩社員は難しそうなソースコードをすらすら読んだり、トラブルが起きてもすぐに原因を調べたりしているため、自分との差を強く感じてしまうこともあると思います。
しかし、先輩社員も最初から仕事ができたわけではありません。
新人の頃に同じようなことで悩み、失敗を繰り返しながら少しずつ仕事を覚えていくことはごく自然なステップではないでしょうか。
1年目のうちは誰しも、周りの人ができることばかりが目について、自分だけ成長していないように感じやすい時期だと言えるのではないかと思います。
1年目は自分の成長を実感しにくい時期でもある
ただ、1年目の頃はできるようになったことよりも、まだできないことの方が圧倒的に多いため、自分の成長を実感しにくい時期でもあると考えられます。
例えば、最初は意味がわからなかったエラー内容を少し理解できるようになったり、以前は先輩に聞いていた作業を一人でできるようになったりしていても、自分では大した成長だと感じないこともあります。
しかし、後から振り返ってみると、入社したばかりの頃と比べてできることが増えていることも多いです。
周りと比較すると自信を失ってしまうこともありますが、たまには数カ月前の自分と比べてみるのも良いのではないかと思います。
どのようにして辛さに対処したのか
このような5種類の辛さに対して、どのようにしたら対処できるのかについて紹介したいと思います。
まずは「何ができないのか」を具体的にしてみる

仕事が辛いと感じている時は、何もできない、自分には才能がないなどと考えてしまうこともあると思います。
しかし、実際には全てができないわけではなく、特定の部分でつまずいているだけということもあります。
新人の頃は仕事全体が全くできないような気持ちになりがちですが、後から振り返ってみると、単にわからない部分を整理できていなかっただけということも少なくないのではないかと思います。
「何もできない」をそのままにしない
例えば、プログラミングができないと思っていても、実際には既存のコードを読むのが苦手なのか、自分でコードを書くのが苦手なのか、エラーが出た時の対処方法がわからないのかによって、やるべきことは変わってきます。
何となく自分は仕事ができないと考えているだけでは、何を勉強すれば良いのかもわかりません。
そのため、一度自分が困っていることや、仕事でつまずいたことを書き出してみるのも良いのではないかと思います。
そうすると、意外と全部ができないわけではなく、苦手な部分がはっきりしてくることもあります。
技術・業務知識・仕事の進め方に分けて考える
新人エンジニアが仕事でつまずく原因は、必ずしもプログラミングの技術だけとは限りません。
プログラミングの知識が足りないのか、担当している製品やサービスの業務知識が足りないのか、仕事の進め方や社内のルールがわからないのかによっても対処方法は違ってきます。
技術力が足りないと思い込んでいても、実は担当システム全体の仕組みを理解できていないために、目の前のコードが何をしているのか読み取れなくなっているだけ、というケースも少なくないのではないでしょうか。
なお、業務知識や仕事の進め方は、プログラミングのように参考書だけで一気に身につくものではなく、実際の業務やOJTを通して少しずつ覚えていく部分が大きいです。技術力の伸ばし方はこの後で詳しく紹介しますが、業務知識や仕事の進め方については、わからないことが出てくるたびに先輩に確認したり、マニュアルを見返したりしながら、時間をかけて埋めていくものと捉えておくと気持ちが楽になるのではないかと思います。
このように、自分ができないと感じている理由を少し具体的にしていくことで、次に何を勉強すれば良いのか、誰に質問すれば良いのかも見えてくるのではないかと思います。
技術力を伸ばすことが第一

まず自分の技術力を伸ばしていくことが挙げられます。
先述しましたが、会社に新人研修はあることが多いが、それだけで現場で活かせる技術が得られることは少なく、自分で補わなければいつまで経っても仕事ができない状況から脱却するのは難しいと考えられます。特に未経験のエンジニアでは尚更です。
具体的にはコーディングなど開発の一部工程に関われるようになった場合、それが単純作業でも、その作業の意図を考えながら取り組むなどして知識を確実に取得していくことが近道と考えられます。
もし時間が空いているなら上司など許可を取って製品などのマニュアルを読み込むのも一手ではないかと思います。また、基本知識が抜けていると感じるのなら休日などオフの時間にプログラミングスクールや通信教育などを利用して知識を取得してみるのも良いと思います。
ビジネスマナーなど技術力以外を伸ばすのも大事

次に、社会人として最低限のマナーや内面的な精神力など技術力以外の要素も伸ばしていくことも重要ではないかと思います。
例えば就活中に身につけた目上の人に対するマナーは最低限確実にしておかないと関係性が悪くなったり、自分自身の評価を落としたりしてしまう可能性があります。なぜなら、新人社員にはまだ学生時代の感覚が残っていることもあり、それが休憩中で気を抜いていたときや、あやふやな知識を実践したときに表れてしまう傾向が高いと考えられるからです。
会社の中には体育会系の社風になっているところもあり、そのような職場は上司との人間関係を円滑に保つことも重要です。もしマナーで怪しい面があれば、学生時代などに使った資料などで復習した方が良いと思います。
内面的な例としては、ミスをして落ち込んでも、それを引きずらずにすることを挙げたいと思います。
1年目ではまだ経験が浅いため、ミスをしてチーム全体に迷惑をかけてしまう場面も起こりうると思いますが、ミスした社員をいつまでも責め続ける社風になっている会社は少なく、自分だけ引きずって大切な時間を台無しにしてしまうのは勿体ないと思います。
よって、ミスをしてもそれを反省して次に活かすぐらいの気持ちで仕事に取り組む方が、良い結果に繋がりやすいと考えられます。
エンジニアを辞めたいと思ったときに考えてほしいこと

1年目の仕事があまりにも辛いと、このままエンジニアを続けていても良いのか、いっそのこと辞めた方が良いのではないかと考える人もいると思います。
私自身も新人の頃は、仕事がうまくできない時に、そもそも自分はエンジニアに向いていないのではないかと思ったことがありました。
「仕事ができない」と「エンジニアに向いていない」は別の話
しかし、1年目の時点で仕事ができないからといって、すぐにエンジニアに向いていないと判断するのは早いのではないかと思います。
先述したように、エンジニアの仕事ではプログラミングだけでなく、担当するシステムの知識や業務知識、仕事の進め方など、覚えなければならないことが多くあります。
そのため、入社して間もない時期に仕事がうまくできないのは、単純に経験が足りていないだけということもあります。
実際に私も、1年目の頃は何もできないような気持ちになっていましたが、仕事を続けるうちに少しずつできることが増えていきました。
当時は自分では成長を感じていなくても、今振り返ってみると、1年目の終わり頃には入社したばかりの頃よりもできることが増えていたと思います。
今の職場や仕事内容が合っていない可能性もある
ただし、仕事が辛い理由が単純なスキル不足ではなく、職場環境や仕事内容そのものにある場合も考えられます。
例えば、質問してもほとんど教えてもらえない、ミスを必要以上に責められる、長時間労働が続いているなど、仕事を覚える以前に働く環境に問題があるケースもあると思います。
また、エンジニアという仕事が嫌なのではなく、今担当している仕事内容や職場の人間関係が自分に合っていないだけということもあるかもしれません。
そのため、辞めたいと思った時は、エンジニアそのものを辞めたいのか、それとも今の会社や仕事内容から離れたいのかを一度考えてみた方が良いと思います。
ただし、勢いだけで辞める前に一度立ち止まる
仕事が辛い状態が続くと、早く辞めたいという気持ちが強くなってしまうこともあります。
しかし、何も考えずに勢いだけで退職してしまうと、次の仕事を探す時に焦ってしまい、また自分に合わない会社を選んでしまう可能性もあります。
もちろん、心身に大きな負担がかかっている場合や、明らかに労働環境に問題がある場合は別です。
そうではなく、仕事ができないことへの不安から辞めたいと考えているのであれば、まずは自分が何に悩んでいるのかを整理してみるのも一つの方法です。
その上で、今の職場で解決できそうなのか、それとも転職を考えた方が良いのかを判断していく方が、後から後悔しにくいのではないかと思います。
もし自分一人では判断が難しい場合は、転職エージェントなどに相談してみるのも一つの方法です。すぐに転職を決める必要はありませんが、今の仕事で感じている悩みや今後のキャリアについて第三者に相談することで、自分の考えを整理しやすくなることもあるのではないかと思います。
こうして自分の悩みを整理し、今の職場で対処できる部分と、環境そのものを変えたほうがいい部分を切り分けられれば、1年目の辛さとも少しずつ向き合いやすくなっていくのではないかと思います。
2年目に入っても油断は禁物

このように1年目が終わると、ある程度仕事の専門知識や人付き合いなど、社会人として必要なスキルは身につき始めて自信がつく人も出てくるのではないかと思います。
しかし、年配社員やベテランからしてみると、まだまだITエンジニアとしては未熟と見られる場面は少なくないです。今でも、最低は3年勤めよと一般社会で言われているぐらい、技術を取得したり、仕事全体が見通せたりするのに1年では不十分なことが多いと考えられます。
ちなみに2年目の途中でやめた社員が、そこでは仕事のスキルアップができたか怪しい上、広く見通せる力は身に付かなかったと評価していたほどです。
それ以上に注意しなければいけないのは、後輩が所属している部署に入ってくることではないかと思います。
なぜなら1年目の後輩社員の対応をするのは2年目の社員であることが多いからだと考えられます。後輩社員から見ると立場が近い2年目の社員の方が、わからない点などを質問しやすいのではないでしょうか。後輩社員が文系の場合その頻度は高くなることは十分に考えられます。
そうなってくると後輩社員の対応をしながら、自分の仕事をこなし、さらに上司との人間関係も保ち続けなければならず、場合によっては1年目よりも2年目の方がきついと感じる可能性も十分にあり得るため油断は禁物です。
まとめ|1年目エンジニアが辛いときの対処法とその後のキャリア

ここまで見てきたように、エンジニア1年目の辛さには、スキルが通用しない、何がわからないのかすらわからない、存在意義を感じられない、コミュニケーションがうまくいかない、周りと比べて成長を感じられないなど、いくつかのパターンがあります。程度の差はあっても、多くの新人エンジニアが一度は通る道ではないかと思います。
大切なのは、「なんとなく辛い」で終わらせず、自分が何につまずいているのかを少しずつ具体的にしていくことではないかと思います。技術力なのか、業務知識なのか、仕事の進め方なのか。原因が見えてくれば、次に何をすれば良いのかも自然と見えてくるはずです。
それでも辛さが続く場合は、無理に一人で抱え込まず、今の職場で解決できることなのか、それとも環境そのものを変えたほうがいいことなのかを、一度立ち止まって整理してみるのも一つの方法です。
1年目を乗り越えたからといって、すぐに気を抜いて良いわけではなく、2年目にはまた新たな壁が待っていることも少なくありません。それでも、1年目で身につけた「わからないことと向き合う力」は、その後のエンジニア生活を支える土台になっていくはずです。焦らず、一つずつできることを増やしながら、エンジニア生活を送っていただければ幸いです。
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