新人エンジニアになって数週間、あるいは数か月。
毎日新しいことばかりで、

「仕事がなかなか進まない」
「自分はエンジニアに向いていないかもしれない」
「もう辞めたい」
そんな気持ちになる日、ありますよね。
私も新卒でSIerの現場に配属されたばかりの頃、まったく同じでした。
初めて渡された設計書は専門用語だらけで何を書いているのか分からず、分からないことを分からないまま放置して、案の定レビューでボロボロに指摘されたこともあります。
先輩に質問するタイミングすら分からなくて、話しかけるだけで手のひらに汗をかいていたのを覚えています。
それから8年。保守運用から詳細設計、お客様との調整まで一通り経験して、今はフリーランスとしてエンジニアを続けています。
この記事は、当時の自分に向けて「先輩」として書くつもりでまとめました。
今まさに「しんどいな」と感じているあなたの気持ちが、少しでも軽くなればうれしいです。
目次
エンジニア1年目を少し楽にするために伝えたいこと
新人の頃は、「早く一人前にならなきゃ」と焦ってしまいがちです。でも、エンジニアの仕事は覚えることが本当に多く、一つひとつ経験を積み重ねながら成長していく仕事です。
だから最初から完璧を目指さなくても大丈夫です。
ここでは、新人時代に助けられたことや、「もっと早く知っておけば良かった」と感じたことを紹介します。
わからないことを積極的に、失礼なく質問するには
新人エンジニアが毎日のように直面するのが、「わからないこと」です。
プログラムの動き、業務知識、設計書の読み方、開発ルールなど、最初は分からないことだらけで当然です。
分からないことが多いこと自体は、決して悪いことではありません。むしろ気を付けたいのは、「質問できずに一人で抱え込んでしまうこと」です。
私自身も、「また同じようなことを聞いたら迷惑かな」「忙しそうだから後にしよう」と考えてしまい、Javaのエラーメッセージ一つの意味が分からないまま3時間近く抱え込んでしまったことがあります。
結局、先輩に聞いたら1分で解決しました。あの3時間、今思えば完全に無駄でした。
新人に求められているのは、最初から何でも知っていることではありません。分からないことを整理して相談し、一歩ずつ前に進んでいくことです。
もちろん、何も調べずにすぐ質問するのではなく、自分なりに調べたり考えたりしたうえで質問する姿勢は大切です。その上で、「ここまでは調べましたが、この先が分かりません」と伝えられれば、多くの先輩はきちんと力になってくれるはずです。
ただ正直に言うと、常駐先や現場によっては(SIerだと、自社ではなくお客様先のオフィスに常駐して働くことが多いのですが)、先輩が忙しすぎて質問しても素っ気ない返事しか返ってこない、ということもあります。教育担当がはっきり決まっていない現場も珍しくありません。
もしそういう環境にいるなら、「自分の聞き方が悪いのかも」と抱え込みすぎず、聞ける相手を複数持っておく、くらいの気持ちでいて大丈夫です。
新人時代に意識して良かったことは、大きく二つあります。
質問する相手やタイミングを意識する
当たり前のことですが、ものすごく忙しそうな先輩に質問をしても、ゆっくり時間を取ってもらえるとは限りません。
まずは先輩の状況を少しだけ確認してみましょう。
また、チャットのほうが集中しやすい人もいれば、「口頭で聞いてくれたほうが早い」という人もいます。個人チャットで質問してほしい人もいれば、情報共有のためにチームチャットを使ってほしい人もいます。
こうした”その人のやりやすい方法”に合わせるだけでも、お互いに気持ちよくやり取りできるようになります。
質問内容を事前に整理しておく
質問をする前に、
・どこまで調べたのか
・何が分からないのか
この3つだけでも整理しておくと、先輩も状況を理解しやすくなります。また、前置きが長くなるよりも、最初に「聞きたいこと」を伝えたほうが、お互いにスムーズです。
質問内容を書き出している途中で、「あ、これなら自分で解決できそう」と気付くことも何度かありました。質問を整理することは、先輩の時間を大切にするだけでなく、自分自身の考えを整理する練習にもなります。
ペアプログラミングを頼んでみよう
もし職場でペアプログラミング(ペアプロ)を取り入れているなら、ぜひ積極的に参加してみてください。
ペアプログラミングとは、先輩や同僚と二人で一つのプログラムを作っていく開発スタイルです。
私は新人の頃、先輩に隣でコードを見てもらいながら作業をするのが少し恥ずかしく感じていました。
「こんな書き方で大丈夫かな。」
「こんなことも分からないと思われないかな。」
そんなことばかり考えていました。
でも実際にやってみると、一人で何時間も悩んでいたことが数分で解決したり、「そういう考え方でコードを書くんだ」と新しい発見があったりと、得られるものがとても多かったことを覚えています。
たとえば、Nullチェック漏れで原因不明のエラーが出たとき、延々とコードの見た目を追いかけてしまっていたのですが、先輩は先にログを開いて「まずここを疑う」と当たりをつけていました。
この「どこから疑うか」の順番は、コードを読むだけではなかなか身につきません。
特に勉強になったのは、コードそのものよりも、先輩が問題を切り分ける手順や、エラーの原因を探す考え方でした。本や動画ではなかなか学べない「仕事の進め方」を間近で見られるのが、ペアプログラミングの大きな魅力だと思います。
もちろん、すべての職場で実施しているわけではありません。
それに、正直「一緒に見てもらえませんか」と自分からお願いするのは、新人のうちは結構勇気がいりますよね。
最初は聞けず、一人で抱え込んでからようやくお願いする、というのを繰り返していました。
もし言い出しづらければ、「今つまずいているところを、5分だけ画面共有させてもらえますか」くらい具体的にお願いすると、相手も時間の見通しが立ち、頼みやすくなるはずです。
調べるときは公式ドキュメントにも目を通してみよう
分からないことがあると、まず検索したり、最近ではAIに質問したりする人も多いと思います。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。普段から検索やAIを活用している人は多いでしょうし、調べ始めるきっかけとしてはとても便利です。
ただ、最終的には公式ドキュメントも確認する習慣を付けることをおすすめします。公式ドキュメントには、その技術の正しい使い方や最新の仕様がまとめられています。
以前、AIに教えてもらったJavaのメソッドの使い方をそのまま実装に使ったところ、実は該当バージョンではすでに非推奨(deprecated)になっていた、ということがありました。
動くには動くので気付きにくいのですが、後から公式のAPIドキュメントを見て初めて「あ、これもう推奨されていないやつだ」と分かった、ということが何度かあります。
検索やAIの回答は「今のバージョンでも正しいか」までは保証してくれないので、そこは自分で公式に当たって確認するしかないんですよね。
最初は専門用語が多く、「何を書いているのか分からない」と感じるかもしれません。英語しか用意されていないこともありますし、日本語訳が少し読みにくいこともあります。
それでも少しずつ慣れていくと、「まず公式を確認する」という習慣が自然と身につきます。
エンジニアは、新しい技術に触れる機会がとても多い仕事です。だからこそ、「公式情報から調べる力」は、新人のうちに身につけておいて損はありません。
検索結果やAIの回答をうまく活用しながら、最後は公式ドキュメントで確認する。この流れを意識するだけでも、情報の信頼性は大きく変わってきます。
仕事と並行して、自分でも少しずつ学んでみよう
エンジニアは、経験を積むほど新しい技術に触れる機会が増えていきます。
そのため、「仕事だけで全部覚えよう」と思うよりも、自分でも少しずつ学ぶ時間を作るほうが、結果的には仕事もしやすくなります。
ただ、最初から何時間も勉強する必要はありません。
私自身、新人の頃は「毎日たくさん勉強しなきゃ」と思い込んでしまい、続かなかったことが何度もありました。それよりも、「今日仕事で出てきたことを30分だけ調べてみる」くらいのほうが、無理なく続けられます。
仕事で学んだことと、自分で調べたことが少しずつつながってくると、理解できる範囲も自然と広がっていきます。
動画教材を活用する
ドットインストール
公式サイト → https://dotinstall.com/
ドットインストールは、さまざまなプログラミング言語やフレームワークを短い動画で学べるサービスです。
一つひとつの動画が短いので、仕事終わりや通勤時間などのスキマ時間でも学びやすく、復習にも向いています。「全部見よう」と思うのではなく、仕事で出てきた技術だけを見る使い方でも十分役立ちます。
もし「そもそも基礎文法があやふやで不安」という段階なら、Progateのように、実際に手を動かしながら基礎から学べるサービスから始めるのもおすすめです。
ドットインストールが「必要な部分をつまみ食い」だとすると、Progateは「一からコツコツ」タイプなので、自分の理解度に合わせて使い分けてみてください。
本は「最後まで読める一冊」を選ぶ
技術書というと、分厚くて難しい本を思い浮かべる人も多いかもしれません。でも、新人のうちは無理に難しい本へ挑戦する必要はありません。
最初は「難しい本を読まないと成長できない」と思い込んでいたこともありました。その結果、途中で挫折してしまうことも少なくありませんでした。それよりも、初心者向けの本を一冊最後まで読み切るほうが、ずっと自信につながります。
職場の先輩に「最初の一冊なら何がおすすめですか?」と聞いてみるのも、とても良い方法です。
一人では続けられないなら、学ぶ環境を変えるのもあり
「仕事が終わると疲れてしまって勉強が続かない。」
これは決して珍しいことではありません。
もし独学がどうしても続かないなら、プログラミングスクールやオンライン学習サービスを利用するのも一つの方法です。誰かに質問できる環境や、一緒に学ぶ仲間がいるだけで、意外と続けやすくなることもあります。
「向いていない」と決める前に、一度だけ考えてみてほしいこと
新人の頃は、思うように仕事ができない日が続くと、「自分はエンジニアに向いていないのかもしれない」と考えてしまうことがあります。
正直に言うと、私も新人の頃、レビューで何度も同じような指摘を受けて、「自分はこの仕事に向いていないのかもしれない」と本気で悩んだ時期がありました。
でも、その結論を急いで出してしまうのは少しもったいないと思います。なぜなら、「向いていない」と感じる理由は、人によってまったく違うからです。
例えば、
・今の仕事内容が合わないのか
・質問しづらい雰囲気や教育体制が原因なのか
・人間関係や働き方が合わないのか
これらはすべて別の問題です。
実際には、「エンジニアに向いていない」のではなく、「今の環境が自分に合っていない」というケースも少なくありません。
反対に、人間関係には恵まれていても、プログラミングそのものにどうしても興味を持てないのであれば、別の道を考えることも前向きな選択です。
悩んでいた原因の多くは、「教育体制が整っていない現場に配属されたこと」でした。
実際、環境を変えて詳細設計や上流工程にも関わるようになってから、少しずつ「これは向いていないわけじゃなかったんだ」と思えるようになりました。
だからこそ、「向いている・向いていない」という一言で片付けるのではなく、自分は何につまずいているのかを一度整理してみてください。
焦って答えを出さなくても大丈夫です。
新人の一年間は、仕事を覚えるだけでも精一杯です。その中で少しずつ、「自分に合う働き方」も見えてきます。
それでも毎日がつらいなら、環境を変えることも選択肢です
質問をすると怒られる。
教えてもらえないまま仕事だけが増えていく。
そんな環境では、どれだけ努力しても成長することが難しい場合があります。
もし、「もう十分頑張った」と思えるくらい努力しているのに状況が変わらないのであれば、自分を責める必要はありません。
環境を変えることは、逃げることではなく、自分が長く働き続けるための前向きな選択肢の一つです。
SIerでの常駐先を離れてフリーランスという働き方を選んだのも、「今の環境が全部」だと思わなくなったのがきっかけでした。同じエンジニアという仕事でも、働き方や環境が変わるだけで、驚くほど景色が変わることがあります。
転職するかどうかは、すぐに決めなくても構いません。まずは情報収集だけしてみるだけでも、「今の会社だけがすべてじゃない」と思えるようになることがあります。
エンジニア向けの転職サービスや、自分に合った職場の探し方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
まとめ
新人の頃は、一日が終わるたびに、
「今日も迷惑をかけてしまった。」
そんなふうに落ち込む日もあると思います。
私もそうでした。
質問できずに一人で抱え込んだ日も、レビューで落ち込んだ日も、正直たくさんありました。それでも、その毎日の積み重ねがあったからこそ、保守運用から改修、設計、そしてお客様との打ち合わせまで任せてもらえるようになり、今ではフリーランスとして仕事を続けています。
だから今、自信がなくても大丈夫です。
昨日できなかったことが、来月にはできるようになっている。
今年分からなかったことが、一年後には後輩へ説明できるようになっている。
エンジニアの成長は、そんな小さな積み重ねの連続です。
焦らなくても大丈夫。
周りと比べなくても大丈夫。
一歩ずつ、自分のペースで前に進んでいきましょう。
この記事が、少しでもあなたの気持ちを軽くするきっかけになれば嬉しいです。
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