ITエンジニアを目指す方やIT企業への転職を考えている方の中には、「IT資格は本当にいるのか」と疑問に思う人も多いでしょう。
IT資格は持っていなくても就職は可能ですが、資格を取得することで知識・スキルを習得したり、就職活動でのアピール材料になったりするメリットがあります。
本記事では、資格の必要性や種類、取得メリット、活かし方まで現役エンジニアの視点でわかりやすく解説します。ぜひこの記事を読んで、IT資格の取得を目指しましょう。
エンジニアにIT資格はいらない?
ITエンジニアになるためには、資格が必須ではないと言われることがあります。ここでは、資格が不要といわれる理由を4つの観点から整理していきます。
資格より経験・スキルを重視
IT業界では、資格よりも実務経験やスキルが重視される傾向があります。
実際の現場では、問題解決能力やコミュニケーション力、コードやインフラの設計力など、資格だけでは測れないスキルが求められます。資格はあくまで学習の指針であり、実務能力を補強する手段として捉えるのが適切です。
資格取得に時間を割くより、実際の業務経験や個人開発で技術を磨く方が有効な場合もあります。
実力はポートフォリオでアピールできる
過去の実績やポートフォリオが充実している場合、資格を持っていなくても評価されることがあります。資格はあくまで知識を示す手段ですが、ポートフォリオはスキルの証明として採用担当者に実感させる効果があります。
たとえば、Web系エンジニアでは、自分で開発したアプリやWebサービスをポートフォリオとして提示し、実力を直接アピールするのが主流です。資格がなくても、GitHubやQiitaで成果物を公開しているだけで評価されることも多くあります。
自分の実力を表現できる人は、必ずしも資格取得に固執する必要はないでしょう。
未経験者を募集している企業
未経験者向けの募集を行う企業では、IT資格の有無よりも学習意欲や適正が重要視されやすいです。
入社後のOJTや研修でスキルを身につける前提の採用であれば、資格は必須ではありません。教育制度については、説明会や面接で採用担当者に確認しましょう。
人物面が多く評価される(新卒採用)
とくに新卒採用では、スキルよりも人物面の評価に重きが置かれることが多いです。文系出身やIT未経験の学生であっても、やる気やコミュニケーション能力、チームワーク力などヒューマンスキルが高ければ採用されるケースは少なくありません。
入社前に資格が必須でない場合でも、入社後の研修や資格取得支援の一環として取得する企業もあります。
IT資格を取得するメリット
エンジニアになるためにIT資格は必須ではありませんが、取得することでさまざまなメリットがあります。
ここではIT資格を取得するメリットを4つのポイントを詳しく解説します。
年収アップが見込める
IT企業には、資格を取得していることで、年収アップが見込めるケースがあります。とくに高度な資格を持つ人は、給与や評価面で高待遇になるかもしれません。求人情報で「資格手当あり」と記載されている企業は、資格取得を奨励している可能性が高いです。
また、資格があることで交渉材料にもなり、収入増を狙いやすくなります。年収600万円以上のエンジニアの74%は資格を保有しているというデータもあります。複数の資格を保有している人ほど、昇給や評価で有利になる傾向が高いでしょう。
キャリアアップ・キャリアチェンジに有効
資格は、キャリアアップやキャリアチェンジの際にも有効です。
資格があることで学習意欲や基礎知識を持っていることを示せ、採用担当者から信頼されやすくなります。また、初級資格を取得して基礎を固め、中級・上級資格を順に取得すれば、より専門性の高いスキルを持つことを証明できます。
自分の望むキャリアを叶えるためにも、資格を取得しておくのがおすすめです。
就活や転職のアピール材料
資格は、履歴書や職務経歴書での強力なアピール材料になります。IT資格はITへの関心や知識の証明となり、未経験者やほかの応募者との差別化が可能です。
同じレベルの応募者が複数いる場合、資格を持つだけで評価がプラスされることがあります。また、採用担当者は資格を見て入社後の活躍イメージを描きやすくなり、条件面での交渉にも有利に働く場合があります。
就活総合研究所が行った資格に関する調査によると、就活生の67.4%が「資格は就職に有利になる」と回答しています。
不足知識を補える
資格勉強では、日常業務では触れない知識や技術領域を体系的に習得できるのもメリットです。
エンジニアは担当外の案件や部署と関わる機会も多く、幅広い知識を持っていると業務がスムーズに進行します。たとえばクラウドやセキュリティの基礎を資格勉強で学んでおくと、担当外の案件でも理解が早く、チームに貢献しやすくなります。
資格取得は次のキャリアステップへの橋渡しにもなるため、知識補強の手段としても有効です。
エンジニア転職で資格取得をおすすめする理由
未経験からエンジニアになる人や、ITの中でも別分野への転職を目指す人にとって、資格は非常に有効です。
ここでは、エンジニア転職でIT資格の取得をおすすめする理由について説明します。
書類選考の通過率が上がる
資格を持っていると、書類選考での通過率が上がる傾向があります。
資格はその分野に関する基礎知識やスキルをある程度持っていることの証明になり、「学ぶ意欲がある」「最低限の知識がある」と判断されやすくなるためです。
応募者が多い職種では、資格の有無で他の応募者と差をつけることが可能です。
基礎知識・スキルを体系的に学べる
資格勉強では、体系的に基礎知識やスキルを整理して学べます。たとえば、Microsoft Fundamental資格ならクラウドサービスやセキュリティ、ガバナンスなどを体系的に理解できます。
未経験分野やこれまで触れていなかった分野に挑戦する際、資格勉強を通して全体像を把握しておくと、実務での理解が格段にスムーズになるでしょう。
キャリアプランや志望意欲をアピールできる
資格を持っていることで、キャリアプランや志望意欲を明確にアピールできます。採用担当者側が「この分野で活躍する意欲や学習意欲が高い」と評価する要素としても有効です。
とくにインフラ系やセキュリティ系などの専門性の高い職種では、資格があることで入社後の役割を具体的にイメージしてもらいやすくなります。資格取得は、入社後のキャリアや入社意欲を効率的にアピールする格好の材料です。
ITエンジニアへの適性をチェックできる
資格勉強は、自分がITエンジニアに向いているかを確認する手段にもなります。勉強がスムーズに進めば興味や適性がある証拠となり、逆に進まない場合はIT業界でのキャリアに対する課題や苦手分野を事前に把握できます。
未経験者や初心者にとって、資格勉強は入社前の自己適性チェックとしても有効です。入社した後、ITスキルを活用した業務ができるか、入社前に適正を確認しておきましょう。
目的別・IT就職におすすめな資格
ここでは、IT企業に就職する際、目的やエンジニアの系統ごとに取得しておくとよい、おすすめの資格を解説します。
予め評価されるとわかっている資格を狙って取得しておくことで、採用率を高めたり、入社後のキャリアアップに役立てたりできます。求人情報の中に資格に関する記載があるか、前もって確認しておきましょう。
IT初心者
IT分野に初めて挑戦する方には、幅広い知識を網羅できる資格がおすすめです。基礎知識からIT全般の仕組み、さらにプログラミングの考え方まで学ぶことができ、今後のキャリアの土台を作るのに最適です。
おすすめ資格
- ITパスポート試験
- MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)
- 基本情報技術者試験
ネットワーク系
ネットワーク系エンジニアは、サーバーやPC、スマホなどを安全にネットワークへ接続するための「基盤」を設計・構築・運用します。ネットワークの基本から実践的な運用まで体系的に理解でき、現場で即戦力として活かせる資格がおすすめです。
おすすめ資格
- CCNA
- ネットワークスペシャリスト試験(NW)
- CompTIA Network+
インフラ系
インフラ系エンジニアは、ITを動かすための土台を設計・構築・運用・保守する役割です。ネットワーク系よりもさらに広範囲の知識が必要で、サーバー、クラウド、OS、データベースといった広い範囲を学べる資格をおすすめします。
おすすめ資格
- LPIC
- LinuC
- AWS認定資格
セキュリティ系
セキュリティ系エンジニアは、情報システムやネットワークが 攻撃・不正アクセス・情報漏洩 から守られるように設計・監視・対策を行います。情報漏洩防止やクラウドセキュリティ、脆弱性診断などの知識は、現場で非常に重宝されます。
おすすめ資格
- 情報セキュリティマネジメント試験(SG)
- CompTIA Security+
- 情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)
- CEH(Certified Ethical Hacker)
開発・Web系
開発・Web系エンジニアは、システムやアプリ、Webサービスのフロントエンド(見える部分)とバックエンド(裏側の仕組み)を設計・実装します。プログラミングや開発ツールのスキルを身に着けられる資格が役立ちます。
おすすめ資格
- Java Silver
- Javaプログラミング能力認定試験3級
- Pythonエンジニア認定試験
マネジメント系
マネジメント系エンジニアは、技術者でありながらチームやプロジェクトを統括する役割を担います。プロジェクト管理や運用の知識を体系的に学べて、実務でのマネジメント能力を向上できる資格がおすすめです。
おすすめ資格
- PMP資格(Project Management Professional)
- Scrum Master / Agile関連認定
- ITIL
資格取得のロードマップと活用法
資格取得をやみくもに始めると、学習が途中で止まってしまったり、必要な知識が身につかず試験に落ちてしまったりする可能性もあります。
ここでは、効率よく資格を取得するためのロードマップと、資格を実務やキャリアで活用する方法について解説します。学習を計画的に進め、確実にスキルを身につけましょう。
初心者からステップアップする資格取得の順番
初心者はまず基礎資格から取得し、次に実務に役立つ中級資格、最後に専門性の高い上級資格の順で学習するのが効率的です。基礎を飛ばすと理解が追いつかず、途中で挫折しやすくなってしまいます。
具体例として、難易度別に以下のステップで進めるのが理想です。
- 基礎ステップ:ITパスポート、基本情報技術者試験
- 中級ステップ:Java Silver、Python認定、CCNAなど
- 上級ステップ:応用情報技術者試験、ネットワークスペシャリスト、AWS SAA、PMPなど
3段階で進めることが、無駄なく効率的に資格取得を進めるコツです。初心者や、独学での学習が不安な方は、プログラミングスクールを活用するのもよいでしょう。
資格が不要な場合の代替スキルや経験
資格がなくても、実務経験やポートフォリオで十分アピールが可能です。とくにWeb系やスタートアップでは、資格よりも実際に作った成果物や経験が評価されやすくなっています。
資格の代替として有効な手段は以下の通りです。
- GitHubやQiitaにコードを公開し、ポートフォリオ化する
- 個人で開発したアプリやWebサービスをリリースする
- クラウド(AWS/Azure)を使った実環境の構築経験がある
- インターンやアルバイトでの実務経験がある
重要なのは、企業に「実務で活かせる能力がある」と納得してもらうことです。
現職の業務が忙しくて、転職活動の戦略を考えるのが難しいという方は、転職エージェントのサポートを受けるのも検討してみましょう。
まとめ
IT資格は、エンジニアにとって知識やスキルの証明として役立ちます。資格がなくても就職や転職は可能ですが、資格があることで採用率が上がりやすく、企業へのアピール材料としても強力です。また、ITエンジニアの業務内容によって必要な資格は異なります。
この記事では、エンジニアが資格を取得する意義やメリット、目的別のおすすめ資格について説明しました。資格取得は単なる点数稼ぎではなく、自身のキャリア戦略に沿ったスキルアップの手段として位置づけることが大切です。
自分が目指すエンジニア像を明確に思い描き、その分野で役立つ資格やスキルを計画的に学びながら、資格取得を行いましょう。
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