システム開発のエンジニアはプログラマーからシステムエンジニア(SE)になって、さらにその先にプロジェクトマネージャー、スペシャリスト、管理職へのキャリアプランを考えておく必要があります。
この記事では、現在プログラマーの人や、まだ新人でエンジニアの経験が少ない人が、システムエンジニアへキャリアップする方法について解説します。
システムエンジニアはシステム開発の上流工程に携わるエンジニアです。
- 上流工程とは、どのようなことをするのか
- どうすればシステムエンジニアになれるのか
そのような疑問を、システム開発会社に28年勤務している筆者が、エンジニアの経験の少ない人にもわかりやすくまとめてみました。
具体的には
- 上流工程がどのような工程なのか
- 上流工程の重要性
- システムエンジニアに必要なスキルは
- システムエンジニアにキャリアアップするには
の順番に解説していきます。
この記事を読むと、上流工程のことや、システムエンジニアへのキャリアアップの方法がわかるようになるので、ぜひ最後まで目を通してください。
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目次
上流工程とは、どのような工程?
まず、システム開発の上流工程、下流工程について解説します。
ソフトウェア開発の工程の流れ
システム開発にはいろいろな開発手法があります。
ウォーターフォール型開発やアジャイル開発という言葉を聞いたことがありませんか。
その中でもウォーターフォール型開発という手法が多くの開発現場で使われます。開発をいくつかの工程にわけて、1つの工程の成果物の品質が確保できたら次の工程に進める手法です。
工程が上から下に流れるように進むのでウォーターフォール(滝)と呼ばれ、上流に位置する工程を上流工程、下流に位置する工程を下流工程と呼びます。
上流工程とは
上流工程はどのようなシステムを作るのか考える工程です。
上流工程では主に2つの工程を行います。
1.要件定義工程
どのようなシステムを作るのか、お客様と相談して考える工程です。お客様からのヒアリングで、業務の流れやどのような機能が必要になるかなどシステムの要件を決めます。
2.外部設計工程
要件定義工程で決めた要件を、どのようにしてシステムで実現するか考えます。
システムの画面や帳票、データの管理方法、使用するデータベースなど、システムの構成を決めます。
基本設計工程とも呼ばれます。
下流工程とは
下流工程は上流工程で考えられたシステムを実際に作って、動作を確認する工程です。プログラマーやテスターと呼ばれるエンジニアが担当します。
下流工程では主に3つの工程を行います。
1.内部設計工程
上流工程の設計をプログラムで実装する方法を考える工程です。
プログラムを効率よく実装するための構成や処理の流れ、使用するデータやファイルなどの入出力を決めます。
詳細設計工程とも呼ばれます。
2.プログラミング工程
詳細設計工程で考えられた方法に従ってプログラミングを行い、プログラムコードを作成します。コーディングとも呼ばれます。
3.テスト工程
プログラムコードが要件定義、外部設計、内部設計の設計どおりに動作することを確認します。
テスト工程はテストの目的や範囲によって、単体テスト、結合テスト、システムテストなどに分けられます。
上流工程の重要性は?
上流工程はシステム開発において、とても重要な工程になります。
上流工程は「品質を作りこむ工程」と呼ばれ、上流工程の出来栄えがシステムの品質に大きな影響を与えます。
上流工程で、必要な機能が抜けている、プログラムで実現できない設計になっている、曖昧な設計になっているなどの問題があると、プログラムは正しく作成できません。
このような問題は、工程の遅延や上流工程へ後もどりなど余計な時間やコストが発生し、いわゆるプロジェクト炎上状態を引き起こします。お客様の信用を失うだけでなく、最悪の場合は損害賠償に発展することもあります。
システムエンジニアに必要なスキルは?
重要な上流工程を行うシステムエンジニアは、どのようなスキルが必要になるのでしょうか。
提案のスキル
システム開発ではお客様への問題解決方法の提案が必要になります。
上流工程でお客様と相談しながら進めていると、システム化にあたり難しい問題が発生します。そのときは、お客様へ解決策を提案することが重要になります。
適切な提案を行い、問題を解決していくことで、お客様からの信頼を得てシステム開発をスムーズに進められるのです。
マネジメントのスキル
システム開発をスムーズに進めるためには、開発チームのマネジメントが必要になります。
開発チームメンバの作業量やスケジュールの管理、プロジェクト全体のスケジュールや課題の管理を行いながら、作業を進めなければなりません。
まとまった開発チームを作り、しっかり管理することがシステム開発の成功につながります。
コミュニケーションのスキル
システム開発では開発にかかわる多くの人とのコミュニケーションが必要です。
お客様、チーム内のメンバ、社内の関係者など、立場が違う人とコミュニケーションをとらなければなりません。
相手の状況や立場を理解して適切なコミュニケーションができる能力が必要になります。
論理的思考のスキル
システム開発ではコミュニケーション、ドキュメントの作成、問題の解決など、いろいろな場面で論理的な思考が重要になります。
わかりやすい説明を行う、わかりやすい資料を作成する、複雑な問題を分解して解決策を考えるなど、論理的思考が必要不可欠です。
ドキュメントのスキル
上流工程では多くのドキュメントを作成する必要があります。
システム開発にかかわる関係者に、システムに関係することを資料で正確に伝える必要があるからです。
上流工程の成果物となる要件定義書や内部設計書、お客様や社内関係者に説明するための資料など、他にもいろいろな資料を作成する必要があります。
論理的でわかりやすい資料を作成するスキルは必須です。
下流工程のスキル
上流工程では下流工程の技術や経験が必要になります。
お客様と要件や定義の検討を行うときは、下流工程のことも考慮する必要があるからです。
上流工程で、プログラムで実現できないことやプログラムやテストが困難になる設計を行うと、下流工程に進んだときに、遅延発生、上流工程に後もどりなど、大きな問題につながります。
そのような問題を起こさないために、プログラムやテストの技術や経験が必要になるのです。
また、下流工程のメンバと円滑なコミュニケーションを行うには、プログラムやテストのスキルが必要になります。
システムエンジニアになるには?
上流工程に必要なスキルについて解説してきましたが、システムエンジニアにキャリアップするには、どのようなことを行えばよいでしょうか。
下流工程で経験を積む
上流工程では下流工程のスキルが必要になります。
下流工程で経験を積んで実力が認められると、システムエンジニアとして上流工程を任されるようになります。
プログラミングのスキルはとても重要ですが、新人やプログラミングの機会が少ない人は、仕事だけの経験では習得に時間がかかります。技術の範囲も狭くなりがちです。
幅広い知識を素早く習得するにはプログラミングスクールの受講がおすすめです。
会社のキャリアプランに乗る
会社によってはエンジニアのキャリア開発プランを定義しています。そこにシステムエンジニアへのプランが定義されていれば、そのプランに従ってスキルの習得や、資格を取得することでキャリアアップが行えます。
転職する
会社によっては下流工程のみを請け負っている場合があります。
また、システムエンジニアが固定化していて、エンジニアの入れ替えが少ない会社もあります。このような場合は上流工程に携われる可能性が低く、転職も視野にいれる必要があります。
いきなりの転職に不安がある場合は、仕事を続けながら仕事を探してくれるエージェントの利用がおすすめです。
フリーランスとしてシステムエンジニアになる方法もあります。その場合はフリーランス向けエージェントを利用する方法がおすすめです。
今の時代は転職やフリーランスでキャリアアップする選択肢もあります。検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ここまで上流工程とは何か、どうすればシステムエンジニアになれるか、解説してきました。
最後にポイントをまとめておきます。
- 上流工程はどのようなシステムを作るのか考える工程
- 上流工程はとても重要な工程
- システムエンジニアはいろいろなスキルが必要
- 経験を積む、転職、フリーランスでシステムエンジニアへキャリアアップ
システムエンジニアはお客様と直接コミュニケーションをとりながらシステム開発を行います。お客様と一緒に開発したシステムが、お客様に貢献していることを直接感じられるので、とてもやりがいのある仕事です。
ぜひ、システムエンジニアにキャリアアップして上流工程ができるエンジニアを目指してください。
もう一度「上流工程とは?キャリアアップを目指すエンジニアが知っておくべきこと」を読む ↑
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いきなりの転職が不安な方はプログラミングスクールという選択も
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