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インフラエンジニアとは?仕事内容・種類・年収から未経験での目指し方までを現役プロがわかりやすく解説!

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インフラエンジニアとは、サーバーやネットワークなど、ITシステムが動くための土台を作り、止まらないように守り続けるエンジニアです。

求人サイトでよく見かける職種なのに、何をしているのかは意外と見えにくい仕事でもあります。調べ始めた人からは、次のような声をよく聞きます。

インフラエンジニアって、毎日具体的に何をしているの?
開発のエンジニアやSEとは何が違うの?
未経験からでもなれるのか、何から勉強すればいいのか分からない
「やめとけ」という声も見かけて不安

この記事では、仕事内容や職種の種類、SEとの違い、dodaのデータで見る年収、向き不向きまでを、現役のインフラエンジニアの目線でまとめました。後半では、未経験から目指すときの学習の順番と、求人選びで失敗しないための確認ポイントも具体的に紹介します。

現役インフラエンジニアが解説!

【執筆者プロフィール】:筑波大学大学院システム工学研究科卒。大手独立系SIerにてインフラエンジニアとして6年の実務経験を持ち、副業でWebライター・ブロガーとしても活動中。保有スキルはJava・PHP・HTML・CSS・MATLABほか。運営ブログ:ちっびーのIT講座
未経験からインフラエンジニアを目指すなら、IT未経験の支援に強いサービスに一度相談しておくと、自分の年齢や経歴で狙える求人が早い段階で見えてきます。

目次

インフラエンジニアとは?システムの土台を作り、止めずに守る仕事

インフラエンジニアが担当するのは、サーバー、ネットワーク、OS、クラウドといった、ITシステムを動かすための基盤です。

Webサイトやアプリの画面、機能を作るのが開発エンジニアだとすれば、インフラエンジニアはそれらが24時間動き続けるための見えない部分を引き受けています。利用者から感謝される場面は多くありませんが、ここが止まればどんなに優れたアプリも使えなくなります。

そもそもITインフラとは

インフラは英語のinfrastructureの略で、もともとは電気や水道、道路のように生活を支える基盤を指す言葉です。ITの世界では、システムやサービスを動かすための技術的な土台をITインフラと呼んでいます。

構成要素を挙げると、サーバー、ネットワーク機器、OS、ミドルウェア、データベース、ストレージ、クラウド、セキュリティ機器などです。

ネット通販で買い物をする場面で考えると分かりやすいでしょう。商品一覧や注文画面はアプリケーション側の機能です。その注文を受け付けるサーバー、顧客情報や購入履歴を保存しておくデータベース、利用者とサーバーをつなぐネットワークがインフラ側にあたります。

セールの日にアクセスが殺到してもサイトが落ちないよう処理能力を見積もっておく。1台のサーバーが壊れても別のサーバーで処理を引き継げるようにしておく。こうした備えを考えて実際に作るのが、インフラエンジニアの仕事です。

活躍の場はIT企業に限りません。金融、製造、小売、物流、官公庁など、業務システムを持つ組織であればどこでもインフラの担当者が必要になります。業界を選べる幅が広いのは、この職種の隠れた強みです。

なお、IT業界には開発やインフラ以外にも技術を生かせる仕事があります。周辺の職種も含めて比べたい人は、開発以外で活躍できるIT系の仕事にまとめています。

システムエンジニア(SE)との違い

インフラエンジニアとSEのいちばんの違いは、扱う対象です。

開発系のSEは、業務システムやWebアプリケーションなど、利用者が直接使うシステムそのものを設計・開発します。インフラエンジニアが受け持つのは、そのシステムが動くためのサーバーやネットワークのほうです。

ややこしいのは、SEという言葉がもっと広い意味でも使われる点です。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)にはシステムエンジニア(基盤システム)という職業が掲載されており、インフラエンジニアもSEの一種として扱われています。実際の求人票でも「SE(インフラ)」「基盤SE」といった名前で募集されていることがあるので、職種名ではなく仕事内容の欄で判断してください。

項目インフラエンジニアシステムエンジニア(開発系)
扱う対象サーバー、ネットワーク、OS、クラウドなど業務システム、Webアプリ、ソフトウェア
主な成果物インフラ設計書、パラメーターシート、手順書要件定義書、設計書、プログラム
主に使う技術Linux、TCP/IP、AWS、シェルスクリプトJava、PHP、Python、SQL
代表的な資格CCNA、LinuC/LPIC、AWS認定、ネットワークスペシャリスト基本情報・応用情報、システムアーキテクト
未経験の入口運用・監視、ヘルプデスクテスター、プログラマー

最近は開発と運用の境目が薄くなってきました。開発チームと運用チームが一緒にサービスを改善していくDevOpsという考え方が広がり、インフラをコードで管理してシステムの信頼性を高めるSREという役割も生まれています。インフラで基盤の知識を身につけたあと、開発側へ移る人もいるくらいです。

開発系SEの働き方を具体的に知りたい人は、SEの1日の流れと仕事内容を読むと違いがはっきりします。インフラの求人で頻繁に目にするSIerという業態についても、応募前に押さえておくと求人票が読みやすくなります。

インフラエンジニアの仕事内容をわかりやすく解説

インフラエンジニアの仕事は、大きく「作る仕事」と「守る仕事」に分かれます。

設計・構築が基盤を作る工程、運用・保守が動き出したシステムを守る工程です。前者を上流工程、後者を下流工程と呼ぶ現場もあります。未経験から入る人は、ほぼ例外なく守る側からのスタートになると考えておいてください。

工程やること担当することが多い人未経験からの担当
要件定義・設計性能、台数、構成、予算を決めて設計書にする経験5年以上の中堅〜ベテランほぼない
構築・テスト設計書どおりに機器やクラウドを設定し、動作を確認する経験2〜3年目以降補助から入ることはある
運用・監視監視ツールで異常を見張り、定例作業を行う新人〜若手入口になることが多い
保守・障害対応障害の切り分け、復旧、再発防止を行う若手〜中堅一次対応から

経験年数はあくまで目安です。少人数の会社では2年目から構築を任されることもありますし、大規模な案件では10年目のエンジニアが運用改善に専念していることもあります。

要件定義・設計

要件定義・設計は、システムに必要な性能や機能を整理し、それを実現するインフラの構成を決める工程です。

オンプレミスで自社にサーバーを置くのか、クラウドを使うのか。サーバーは何台で、どのくらいのスペックが必要なのか。ネットワークはどうつなぐのか。こうした骨格を決めたうえで、障害が起きても止まらないための冗長化、データを失わないためのバックアップ方式、不正アクセスを防ぐセキュリティ方針まで詰めていきます。

技術的に理想の構成を描いても、予算に収まらなければ採用されません。運用する人が手順を回しきれない構成も、結局はトラブルの元になります。お金と運用まで含めて決める工程なので、経験の長いエンジニアが担当するのが一般的です。

構築・テスト

構築では、設計書に沿ってサーバーやネットワーク機器、クラウド環境を実際に設定していきます。

物理サーバーなら、ラックへの搭載や配線、OSのインストールといった手作業も入ります。クラウドの場合は、管理画面やコードを使って同じことを画面越しに行うイメージです。構築が終わったら、設計どおりに動くか、想定した負荷に耐えられるか、1台が止まったときに正しく切り替わるかをテストで確かめます。

この工程で求められるのは、設計書と手順書から外れない正確さです。気を利かせたつもりの独断の設定変更が、数か月後の障害の原因になる例は現場で何度も見てきました。

最近はAnsibleやTerraformといったツールで、設定内容をコードとして管理する現場が増えています。手作業のミスを減らせるうえ、同じ環境を何度でも再現できるからです。

運用・監視

運用・監視は、稼働中のサーバーやネットワークに異常がないかを見張り続ける仕事です。

Zabbix、Datadog、CloudWatchなどの監視ツールで、CPUやメモリの使用率、ディスクの空き容量、通信の状態をチェックします。アラートが上がったら手順書に沿って状況を確認し、自分で対処できる範囲は一次対応、それ以上は担当チームへエスカレーションするのが基本の流れです。

監視以外にも、バックアップが正常に取れているかの確認、アカウントの発行、セキュリティパッチを当てる前の準備など、細かな定例作業がいくつもあります。勤務の時間割まで含めたイメージは、インフラエンジニアの1日の流れで紹介しています。

保守・障害対応

障害が起きたら、まず影響範囲を確かめ、原因を切り分けて復旧させます。復旧で終わりではなく、何が起きたかを障害報告書にまとめ、同じトラブルを繰り返さない対策を決めるところまでが一連の仕事です。

保守には、障害対応以外の仕事も含まれます。OSやミドルウェアのバージョンアップ、古くなった機器の入れ替え、別の環境へのシステム移行、性能を引き出すためのパラメーター調整などです。監視だけがインフラの仕事だと思っていると、この幅の広さに驚くかもしれません。

私の現場でも、入社1年目に任されたのは監視と障害の一次切り分けまででした。最初はアラートの意味が分からず先輩に聞いてばかりでしたが、過去の障害報告書を片っ端から読むうちに、このアラートならまずここを見る、という勘所がつかめるようになりました。

インフラエンジニアの種類(職種)

インフラエンジニアは、システムの基盤を扱うエンジニアの総称です。実際の求人では、担当する技術によってサーバーエンジニア、ネットワークエンジニアといった職種名に分かれています。

とはいえ境界はそれほど厳密ではありません。小規模な会社なら、一人でサーバーもネットワークも見ているのが普通です。

職種主に扱うもの代表的な資格
サーバーエンジニアサーバー、OS(Linux・Windows Server)、ミドルウェアLinuC/LPIC
ネットワークエンジニアルーター、スイッチ、ファイアウォール、LAN/WANCCNA、CCNP
データベースエンジニアOracle、MySQL、PostgreSQLなどORACLE MASTER、OSS-DB
セキュリティエンジニア脆弱性対策、不正アクセス対策、ログ監視情報処理安全確保支援士
クラウドエンジニアAWS、Azure、Google CloudAWS認定、Azure認定
SREサービスの信頼性向上、運用の自動化特定の必須資格なし

サーバーエンジニア

LinuxやWindows Serverが動くサーバー環境を受け持つ職種です。OSの設定、Webサーバーなどのミドルウェアの導入、バックアップ、性能改善が主な仕事になります。求人の傾向はサーバーエンジニア向けの転職サイトで確認できます。

ネットワークエンジニア

ルーターやスイッチ、ファイアウォールを扱い、社内LANや拠点間の回線、インターネット接続を設計・運用します。データセンターでの機器の設置や配線といった体を動かす作業があるのも、この職種の特徴です。ネットワークエンジニア向けの転職サイトでは、求められるスキルの水準も分かります。

データベースエンジニア

Oracle、MySQL、PostgreSQLなどのデータベースを設計・構築・運用する職種です。大量のデータを安全に保存し、必要なときに素早く取り出せる状態を保ちます。専門性が高い分、求人を探すならデータベースエンジニアに強いエージェントを使うほうが効率的です。

セキュリティエンジニア

不正アクセスや情報漏えいを防ぐため、脆弱性対策、ログ監視、セキュリティ設定を担当します。インフラの知識に加えて攻撃手法の理解が必要なので、サーバーやネットワークの経験を積んでから進む人が多い職種です。セキュリティエンジニア向けのエージェントには専門職の求人がまとまっています。

クラウドエンジニア

AWS、Azure、Google Cloudなどのクラウドサービスを使って、サーバーやネットワークを構築・運用します。物理機器に触れる機会は少なく、管理画面とコードでの作業が中心です。

これからインフラエンジニアとしてキャリアを伸ばすなら、クラウドの知識は避けて通れません。職種の詳細はクラウドエンジニアとはで解説しています。

クラウドの運用経験を生かしてSREへ進む道もあります。SREは障害を減らす仕組みづくりや運用作業の自動化を通じて、サービスの信頼性を高める役割で、扱う技術よりも開発と運用の両方に関わる立ち位置で定義される職種です。

インフラエンジニアの年収(dodaのデータで見る)

dodaの年収データには「インフラエンジニア」という単独の分類がありません。そこで、dodaの職種分類のうちインフラエンジニアにあたるものを抜き出して並べました。

いずれも2025年版の平均年収で、金額は手取りではなく、税金や社会保険料が引かれる前の支給額です。

職種平均年収20代30代40代50代〜
サーバーエンジニア469万円411万円520万円664万円653万円
ネットワークエンジニア455万円396万円519万円658万円756万円
データベースエンジニア417万円376万円509万円––
セキュリティエンジニア(脆弱性診断/ネットワークセキュリティ)497万円424万円544万円––
運用/監視/保守389万円350万円441万円552万円630万円
プロジェクトマネジャー707万円517万円705万円855万円867万円

出典:平均年収ランキング(2025年)
提供元:転職サービス「doda」
※「-」はdodaで数値が公表されていない区分です。

この表でいちばん注目してほしいのは、運用/監視/保守とサーバーエンジニアの差です。全体平均で389万円と469万円、およそ80万円の開きがあります。30代でも441万円と520万円で同じくらいの差があり、40代になると552万円と664万円で110万円を超えます。

同じインフラエンジニアでも、どの工程を担当しているかで年収の水準がはっきり分かれる。データから読み取れるのはこの一点です。もちろん平均値なので、構築チームに移った瞬間に80万円上がるわけではありません。ただ、年収を上げたいなら、資格の数を増やすことよりも、構築や設計に手を挙げる時期を早めることのほうが効きます。

50代以降を見ると、ネットワークエンジニアが756万円でサーバーエンジニアの653万円を上回っています。ネットワークのように専門性の高い分野を長く磨いた人が評価されやすいことも、この数字から分かります。プロジェクトマネジャーの707万円は運用/監視/保守の約1.8倍ですが、技術力に加えて予算や進捗、人を動かす力が問われる別の仕事だと考えてください。

年収を上げるまでの具体的な道筋は、インフラエンジニアの5年後のキャリアパスと年収アップの方法で詳しく書きました。運用監視から抜けるタイミングに迷っている人には、運用監視は何年続けるべきかが判断材料になります。

インフラエンジニアはやめとけ?きついと言われる理由と実態

インフラエンジニアはやめとけ、という声には根拠があります。ただ、そのほとんどは職種そのものの問題ではなく、どの工程を担当し、どんな職場で働くかで避けられるものです。よく挙がる理由は、次の3つに集約できます。

まず、夜勤やオンコールです。24時間365日動いているシステムを担当すると、夜間の監視や休日の障害対応が発生します。利用者の少ない深夜にしかできないメンテナンスもあるので、シフト制の現場では生活リズムが崩れやすくなります。

次に、障害時のプレッシャーです。システムが止まれば、顧客の業務やサービスの利用者に直接影響が出ます。原因が分からないまま時間だけが過ぎていく状況は、何年やっても楽にはなりません。

そして、学び続けなければ置いていかれる点です。オンプレミスからクラウドへ、手作業から自動化へと、現場で求められる技術はここ10年で大きく変わりました。最初に覚えた知識だけで定年まで働ける職種ではないと思っておいたほうが安全です。

ちなみに、サーバールームやデータセンターは機器を冷やすため一年中寒く保たれています。夏でも上着を持ち込むのは、現場の人間なら誰もが通る道です。

反対に、インフラエンジニアは楽すぎると言われることもあります。システムが安定している時期は定型作業が中心になり、落ち着いて仕事を進められる現場があるためです。きついか楽かは、本当に配属先しだいだと言えます。

私が最初に配属された現場はシフト制で、月に数回の夜勤がありました。体力的にきつかったのは事実ですが、日勤中心の構築チームに移ってからは、同じインフラエンジニアとは思えないほど働き方が変わりました。

具体的にどんな場面がきついのかは、インフラエンジニアがきついと言われる理由で7つに分けて解説しています。

逆に、楽と言われる現場の特徴や、そういう求人の見分け方を知りたい人にはインフラエンジニアが楽と言われる理由が役立つはずです。

インフラエンジニアに向いている人・向いていない人

適性は、技術の才能よりも普段の行動に表れます。次のような経験に心当たりがある人は、インフラの仕事と相性がよいはずです。

  • PCやWi-Fiの不調を、自分で調べて直したことがある。目の前の症状よりも、裏側の仕組みが気になる性格は、障害の原因を追う仕事にそのまま生きます。
  • 説明書や仕様書を最後まで読むのが苦にならない。初めて触る機器でも、仕様を読み解いて正しく設定できる人は現場で重宝されます。
  • 同じ作業を繰り返していると、もっと楽にできないかと考え始める。この発想は、運用の自動化やスクリプト作成に直結します。

反対に、アプリの画面や機能のように目に見える成果物を作ることにやりがいを感じる人は、開発系のエンジニアのほうが満足度は高いでしょう。インフラはうまくいっているときほど誰にも気づかれない仕事だからです。

生活リズムを絶対に崩したくない人も注意が必要です。ただし、これは職種の問題というより求人選びの問題なので、日勤中心の構築案件や社内SEのインフラ担当に絞れば解決できます。夜勤があるからインフラは無理、と最初から決めつける必要はありません。

インフラ以外のエンジニア職も含めて自分の適性を考えたい人は、エンジニアに向いている人・向いていない人の特徴も読んでみてください。

インフラエンジニアに必要なスキルと資格

必要なスキル

未経験から目指すなら、最初に身につけるべきはLinuxとネットワークの基礎です。この2つがないと、運用・監視の現場でもアラートの意味が分かりません。

Linuxは、ls、cd、cat、grep、tail -fといった基本コマンドでファイルやログを確認できる状態が最初のゴールです。ファイルのアクセス権限や、どのプロセスが動いているかを確かめる操作も、運用の現場では毎日のように使います。

ネットワークは、TCP/IP、IPアドレス、DNS、ポート番号、ルーティングの仕組みを理解しておきましょう。Webサイトにつながらないという問い合わせを受けたとき、ネットワークの経路の問題なのか、名前解決の問題なのかを切り分けられるかどうかは、この基礎で決まります。

クラウドは、AWSならEC2(仮想サーバー)、VPC(仮想ネットワーク)、IAM(アクセス権限)の3つから入るのが効率的です。サーバー、ネットワーク、権限という、オンプレミスで学んだ基礎とそのまま対応しているからです。

構築以降に進むと、シェルスクリプトやPythonを使った自動化、AnsibleやTerraformといった構成管理ツール、DockerやKubernetesなどのコンテナ技術が武器になります。これらは未経験の段階で全部そろえる必要はなく、現場に入ってから必要に応じて学べば十分間に合います。

技術以外で意外と差がつくのが、文章で正確に伝える力です。障害報告書や作業手順書には、何が起きて、何をして、今後どうするのかを、読む人が迷わない順番で書かなければなりません。顧客への説明やチーム内の共有でも同じ力が問われます。

最後に、個人情報保護法などの法律や情報セキュリティの基本ルールも押さえておきたい知識です。システムを安全に動かすには、技術だけでなく、情報をどう扱うべきかのルールを理解していることが前提になります。

役立つ資格(段階別)

インフラエンジニアになるために必須の資格はありません。それでも未経験者にとって資格は、何をどこまで学べばよいかを示す地図になり、選考では学習してきたことの証明にもなります。

段階資格向いている人
未経験〜1年目ITパスポート、基本情報技術者、CCNA、LinuC/LPICレベル1、AWS認定クラウドプラクティショナーIT全般の基礎とOS・ネットワークの土台を固めたい人
2〜3年目応用情報技術者、CCNP、LinuC/LPICレベル2、AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト構築・設計に手を挙げたい人
専門を極める段階ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト、情報処理安全確保支援士スペシャリストや上流工程を目指す人

私も基本情報技術者とLPICレベル1を取りましたが、資格の勉強でいちばん役に立ったのは、断片的だった知識が体系的につながったことでした。反面、資格を持っていても、実際のサーバーで設定を試した経験がなければ現場ではほとんど通用しません。合格したら、その範囲を自分の検証環境で一度動かしてみることをおすすめします。

おすすめの参考書や学習サイトまで含めた勉強の進め方は、未経験からインフラエンジニアになるための勉強方法にまとめました。ネットワーク寄りの資格を検討している人はネットワークエンジニアにおすすめの資格を、CCNAを受けると決めた人はCCNAの受験料と支払い方法を先に確認しておくとスムーズです。

インフラエンジニアのキャリアパスと将来性

キャリアパス

未経験から入った場合、運用・監視で経験を積み、構築、設計へと担当範囲を広げていくのが基本の流れです。設計まで経験すると、その先の道がいくつにも分かれます。

  • スペシャリスト:クラウド、セキュリティ、ネットワークなど、特定分野の技術を深く掘り下げる道です。
  • SRE:運用の自動化や信頼性の向上を通じて、開発と運用をつなぐ役割を担います。
  • プロジェクトマネジャー:予算、進捗、品質、関係者を管理し、プロジェクト全体を動かします。
  • ITコンサルタント:企業のIT課題を整理し、システム構成や運用の改善策を提案します。
  • 社内SE:事業会社の情報システム部門で、自社のIT環境を事業に近い立場から支えます。
  • フリーランス:専門技術と実務経験を武器に、案件単位で仕事を受ける働き方です。

どの工程を経験できるかは、会社の規模でも変わります。中小企業では早いうちから一人で幅広い工程を任されやすく、大手企業は工程ごとに分業されていて上流寄りの仕事が中心になりやすい。幅を取るか深さを取るかで、選ぶ会社も変わってきます。

インフラの経験を生かしてWeb系の開発や社内SEへ移る人もいます。職種を変える場合の進め方はインフラエンジニアからWebエンジニアや社内SEへの転職で、社内SEに絞った話はインフラエンジニアから社内SEへの転職は難しい?で解説しています。クラウドの専門家を目指すなら、クラウドエンジニアを目指すロードマップが次の一歩の目安になります。

将来性・需要

クラウド化でインフラエンジニアの仕事がなくなる、という話を聞くことがあります。実際に起きているのは、仕事がなくなることではなく、仕事の場所がオンプレミスからクラウドへ移っていることです。オンプレミスとクラウドの両方が分かるエンジニアは、移行案件で特に重宝されています。

企業のDXやAI活用が進むほど、それを支えるシステム基盤の重要性は増していきます。サービスを安定して提供するには、サーバーやネットワークの設計、セキュリティ対策、障害への備えが欠かせないからです。

ただし、手順書どおりの監視作業だけを続けていると話は別です。決まった手順で判断できる作業は、自動化ツールに置き換わりやすい領域だと断言できます。

35歳定年説や、10年後には仕事がなくなるといった不安も同じ構図で、年齢そのものが問題になるわけではありません。厳しくなるのは、40代になっても監視の定型業務だけにとどまっている状態です。先ほどの年収データで、40代の運用/監視/保守とサーバーエンジニアの差が開いていたのも、その表れと言えます。

未経験からインフラエンジニアになるには?目指し方と学習方法

未経験からでもインフラエンジニアは目指せます。運用・監視やヘルプデスクといった、実務経験が浅い人を受け入れる入口が用意されている職種だからです。

ルートは、IT業界の外から直接応募する方法だけではありません。ヘルプデスクで社内のPCやネットワークの問い合わせ対応を経験し、そこからインフラへ移る人もいます。ヘルプデスクからエンジニアへ進んだ実例は、ヘルプデスクから未経験でシステムエンジニアに転職した体験談で読めます。

年代別の目安(20代・30代・40代)

20代は、研修付きの未経験歓迎求人がいちばん多い年代です。学習経験が少なくても書類は通りやすいぶん、入社できるかよりも、入社後にどの工程まで進めるかを見て会社を選んでください。20代未経験でインフラエンジニアを目指す際の注意点では、配属で失敗しないための確認事項をまとめています。

30代になると、未経験歓迎の枠は残っていても、20代と同じ感覚で応募して通ることはまずありません。資格を1つ取り、自宅の検証環境で何を作ったかを説明できる状態にしておくのが最低ラインです。顧客対応や手順の管理、社内へのITツール導入など、前職の経験をインフラの仕事にどうつなげるかまで話せると評価が変わります。30代ならではの戦い方は30代未経験からIT業界への転職は可能?で解説しています。

40代の完全未経験から正社員のインフラエンジニアを目指すのは、正直に言って狭き門です。ただ、社内のIT担当やヘルプデスクなど、これまでの仕事でITに触れてきた人なら、その経験を入口にできる求人があります。現実的な進め方は40代未経験からエンジニア転職は可能?を確認してください。

ここからは、年代を問わず未経験から目指すときの手順を、3か月の学習と求人選びの4ステップで紹介します。

①ネットワークとLinuxの基礎を学ぶ

最初の1か月は、ネットワークとLinuxの基礎だけに集中します。

Linuxの教材は、LPI-Japanが無料で公開しているLinux標準教科書から始めるのがおすすめです。資格の出題範囲とも重なっているので、そのままLinuCの学習につなげられます。ネットワークは、技術評論社の『図解即戦力 ネットワーク構築&運用がこれ1冊でしっかりわかる教科書』のように図の多い入門書で全体像をつかみ、CCNAを目指すならWeb問題集のPing-tで問題を解きながら知識を固めていく流れが効率的です。

この段階では、専門的な設定を覚える必要はありません。IPアドレス、DNS、ポート番号の役割を人に説明できること。Linuxでログファイルを開き、エラーの行を探せること。この2つができれば1か月目は合格です。

②自宅で実際に手を動かす

2か月目は、学んだことを使って実際に環境を作ります。

VirtualBoxを使えば、自分のPCの中にLinuxの環境を無料で作れます。慣れてきたら、AWSの新規アカウント向け無料プランを使ってWebサーバーを1台立ててみましょう。ただし、クラウドは無料の範囲を超えた操作や、無料期間の終了後に料金が発生する仕組みです。始める前に料金の条件を確認し、使い終わったリソースは必ず削除してください。

作った環境、途中でつまずいたエラー、それをどう解決したかは、QiitaやZennに記録として残しておくと面接で強い材料になります。資格の合格証よりも、自分で手を動かした跡のほうが、未経験者の本気度は面接官に伝わります。

③目指す分野に合った資格を1つ取る

3か月目は、目指す分野に合わせて資格を1つに絞って取りにいきます。

サーバー寄りならLinuCかLPICのレベル1、ネットワーク寄りならCCNA、クラウド寄りならAWS認定クラウドプラクティショナーが候補です。迷ったら、応募したい求人の歓迎条件に書かれている資格を選ぶのが確実です。複数を同時に追いかけるより、1つを確実に取ったほうが面接での説明にも筋が通ります。

④研修と担当工程を確認して求人を選ぶ

学習と並行して、未経験歓迎の求人を探し始めます。求人票で確認したいのは、研修の中身と期間、配属後に担当する工程、構築へ進んだ先輩の実績、夜勤の有無、そして客先常駐のSESかどうかです。

特に見落としやすいのが研修後の配属先です。研修が充実していても、配属後は何年も監視だけ、という会社は実在します。面接では、未経験で入社した人が何年目でどんな工程を担当しているかを具体的に質問してください。答えに詰まる会社は要注意です。

面接では、なぜ開発ではなくインフラなのかを必ず聞かれます。PCやネットワークの仕組みに興味を持ったきっかけや、前職で社内のIT環境を改善した経験など、自分の経歴とインフラの仕事が結びつくエピソードを用意しておきましょう。志望動機の組み立て方は、エンジニアの志望動機の書き方と例文が参考になります。

怪しい未経験歓迎求人の見分け方は未経験OKのエンジニア求人の見極め方で、SES企業を受けるときのチェックポイントはホワイトなSES企業の見分け方で詳しく解説しています。

とはいえ、研修の質や配属の実態は、求人票を読むだけではなかなか分かりません。未経験者の支援に慣れたサービスを通して確認するのがいちばん確実です。未経験からインフラエンジニアになれる転職サービス・スクールで、各サービスの特徴を比べられます。

未経験からインフラエンジニアを目指すなら、次の3つのサービスもチェックしておきましょう。

独学が不安ならITスクールも選択肢

独学がどうしても続かない人や、環境構築で何日もつまずいてしまった人は、ITスクールを使うのも手です。資格の対策と就職支援をまとめて受けたい人にも向いています。

無料で受けられるスクールもありますが、費用だけで決めるのは危険です。カリキュラムで学べる技術、就職支援の範囲、そして紹介される求人の仕事内容まで確認してから選んでください。無料の代わりに、紹介先の企業が限られているケースもあるからです。

スクールごとのカリキュラムや支援内容の違いは、インフラエンジニアを目指せるスクールで比較しています。

女性のインフラエンジニアはやめとけ?働きやすさと職場の選び方

女性のインフラエンジニアはやめとけ、と言われる理由として挙がるのは、夜勤や機器の運搬といった体力面の負担です。ただ、これらは性別ではなく、担当する業務と職場の体制で決まる問題です。

日勤中心の構築チーム、事業会社の社内SEのインフラ担当、クラウドを中心に扱うリモート可の求人など、夜勤や力仕事のない働き方は選べます。クラウド案件でも出社が必要な会社はあるので、勤務条件は面接で必ず確認しましょう。

年収面では、先ほどのdodaのデータでサーバーエンジニアの平均年収が男性486万円・女性421万円、ネットワークエンジニアが男性473万円・女性398万円と、男女で差があるのは事実です。ただ、年収は担当工程や経験年数、企業の給与制度による影響のほうが大きく、構築や設計に進むことで差を縮めている人は現場にもいます。

働きやすさを重視して求人を探すなら、女性エンジニアにおすすめな転職サイトから始めると効率的です。社内SEという働き方に興味があれば、社内SEが女性エンジニアにおすすめの理由も読んでみてください。

まとめ

インフラエンジニアは、サーバーやネットワークなどシステムの土台を作り、止めずに守る仕事です。同じ職種でも、どの工程を担当するかで働き方も年収も大きく変わり、運用・監視から構築・設計へ進めるかがキャリアの分かれ目になります。

未経験から目指すなら、Linuxとネットワークの基礎を学び、自宅の検証環境で実際に手を動かすところから始めてください。資格は1つに絞り、学んだ記録を残しておけば、面接で語れる材料になります。

独学に不安がある人は、インフラエンジニア向けのスクールで学ぶ方法もあります。求人選びで迷っている人は、次に紹介する転職支援サービスに相談してみてください。

未経験からインフラエンジニアを目指すならおすすめの転職エージェント・就職支援サービス3選

未経験からインフラエンジニアを目指すときは、求人を探す前に、自分の年齢と経歴でどんな仕事に挑戦できるのかを把握しておくことが大切です。ここでは、IT未経験者の支援に強い3つのサービスを紹介します。

3つとも20代〜30歳前後を主な対象としたサービスです。また、BREXA SOLVIAは求人を紹介する転職エージェントではなく、自社で採用して育てる仕組みなので、違いを理解したうえで選んでください。

キャリスタカレッジ

強み:CCNA・LinuxやAWSを学べるコースがあり、2週間の研修を終えてから就職活動に進める20代向けのサービスです。

キャリスタカレッジは、ITの基礎を学んでから就職活動に入りたい20代に向いています。ネットワーク・サーバーエンジニア向け(CCNA・Linux)、クラウドエンジニア向け(AWS)のコースがあり、インフラエンジニアを目指す人にとって学ぶ内容と目指す職種がそのままつながっているのが特徴です。

研修期間は2週間で、動画教材での学習に加えて、チャットでの質問や講師との定期面談を利用できます。未経験者がつまずきやすいのは、何から勉強すればいいのか分からないまま時間だけが過ぎてしまうことです。研修と就職支援がひとつながりになっているので、学習の入口から内定までを一本の流れで進められます。

研修終了から内定までは最短5日、平均10日程度が運営側の示す目安です。あくまで目安なので、学習の進み具合や応募先の選考状況によって前後します。

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キャリスタカレッジの公式サイト

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ウズウズIT(旧:ウズキャリIT)

強み:20代向けのIT特化型転職支援で、動画教材でのIT学習と企業ごとのオーダーメイドの面接対策を受けられます。

ウズウズITは、IT業界への転職を考えている20代で、学習と面接対策の両方をサポートしてほしい人に向いています。

未経験からの転職では、技術の知識に加えて、なぜエンジニアなのか、なぜ開発ではなくインフラなのかを自分の言葉で説明できるかが合否を分けます。ウズウズITの面接対策は応募企業ごとに内容を変えるオーダーメイド型で、希望すれば何度でも受けられるので、志望動機に自信がない人ほど相性がよいサービスです。

相談するときは、希望する職種だけでなく、夜勤の可否や勤務地、将来は構築に進みたいといった希望まで伝えておきましょう。紹介される求人の担当工程まで確認しておくと、入社後のミスマッチを防げます。

【未経験OK】ITエンジニアへの就職に特化したサービス

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入社後定着率93.6%!20代【未経験】のエンジニア就職・転職に強いエージェントです。独自の審査基準でブラック企業を排除!

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BREXA SOLVIA(旧:ラクスパートナーズ)

強み:正社員として入社し、給与をもらいながら3か月の研修でIT基礎とインフラなどの職種別スキルを身につけられます。

BREXA SOLVIAは、まず会社に入って給与をもらいながら技術を身につけたい人に向いています。

研修期間は3か月で、研修中も給与が支払われます。最初にIT基礎、Linux、Git、データベースなどを全職種共通で学び、その後インフラを含む職種別の研修に進む2段階の構成です。仕事を辞めて収入のない期間に独学するのが不安な人にとって、この仕組みは大きな安心材料になります。

注意したいのは、転職エージェントのように複数の企業から求人を紹介してもらうサービスではない点です。BREXA SOLVIAに正社員として入社し、研修後は取引先のプロジェクトに参画する働き方になるため、SESに近い形態だと理解しておきましょう。応募できるのは23歳〜30歳で社会人経験1年以上の人なので、条件も事前に確認してください。

未経験から3ヶ月間の研修で即戦力エンジニアへ【9割が未経験】

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BREXA SOLVIA
3ヶ月の実践的な研修で未経験からプロエンジニアを育成する企業です。キャリアアップに繋がる様々なプロジェクトで経験が積める!

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転職支援サービスは1社に絞る必要はありません。30代以上の人や、ほかのエージェント・スクールとも比べてから決めたい人は、未経験からインフラエンジニアになれる転職サービス・スクール11選で自分に合うサービスを探してみてください。

インフラエンジニアに関するよくある質問

文系でもインフラエンジニアになれますか?

なれます。高度な数学よりも、仕組みを順を追って理解し、手順どおり正確に作業する力のほうがはるかに重要です。文系からエンジニアを目指すときの準備は、文系がエンジニアになるには?で紹介しています。

プログラミングができなくてもインフラエンジニアになれますか?

運用・監視から入る段階では、プログラミングは必須ではありません。まずはLinuxのコマンドとネットワークの基礎を優先してください。構築以降に進むと、シェルスクリプトやPythonで作業を自動化できる人が評価されるようになります。

インフラエンジニアは在宅勤務できますか?

担当する環境しだいです。クラウド中心の設計・構築や運用はリモートで対応できる求人がある一方、物理機器を扱う現場やデータセンター常駐の案件は出社が前提になります。リモート勤務を重視するなら、クラウド案件を扱う会社に絞って探すのが近道です。

インフラエンジニアになるのは難しいですか?

なること自体の難易度は高くありません。未経験者向けの入口として運用・監視の求人があるからです。本当に難しいのは、その先の構築や設計へ進むことで、インフラエンジニアとしての差はそこでつきます。

もう一度「インフラエンジニアとは?仕事内容・種類・年収から未経験での目指し方までを現役プロがわかりやすく解説!」を読む ↑

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