フロントエンドエンジニアとして働くなかで、「いずれは会社に所属せず、自分のスキルで仕事をしていきたい」と考えたことがある人もいるのではないでしょうか。また、これからプログラミングを学び始める人のなかにも、将来の選択肢としてフリーランスという働き方を意識している人はいます。
同じ「フリーランスになりたい」でも、悩みの中身は少し違います。会社員エンジニアであれば、「案件は途切れずに取れるのか」「今の年収を下回らずに独立できるのか」という不安。未経験や副業からのスタートであれば、「実務経験がないまま、いきなりフリーランスとして通用するのか」という不安です。
結論から言うと、経験の有無にかかわらず、いきなり独立して安定して仕事を続けるのは簡単ではありません。ただ、段階を踏んでスキルと実績を積み上げていけば、どちらの立場からでも現実的に目指せる働き方でもあります。
この記事では、未経験・副業からフリーランスのフロントエンドエンジニアを目指すための現実的なロードマップと、会社員エンジニアが独立を検討する際に押さえておきたいポイントの両方を、必要なスキルや案件の獲得方法、収入の考え方とあわせて解説します。
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目次
- 1 フロントエンドエンジニアの仕事内容
- 2 フリーランスのフロントエンドエンジニアの年収・単価相場
- 3 未経験・副業からフリーランスのフロントエンドエンジニアになるまでのステップ
- 4 現役エンジニア(会社員)が独立する場合のロードマップ
- 5 フリーランスのフロントエンドエンジニアに必要なスキル
- 6 フリーランスのフロントエンドエンジニアが案件を獲得する方法
- 7 スキルの効率的な学び方
- 8 独立前に準備しておくべきこと
- 9 フリーランスのフロントエンドエンジニアとして働く注意点・デメリット
- 10 まとめ
- 11 フリーランス・副業を目指す未経験者におすすめなプログラミングスクール
- 12 フリーランスエンジニア向けIT案件・求人サイト(エージェント)
- 13 IT・Web業界に強いおすすめ転職サイト・転職エージェント
フロントエンドエンジニアの仕事内容
フロントエンドエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションにおいて、ユーザーが直接目にする画面(UI)や操作感(UX)の実装を担当する職種です。デザイナーが制作したWebデザインをもとに、ブラウザ上で正しく動くようにコードを書くのが主な役割となります。
フリーランスとして案件を受ける場合、単にデザイン通りにコーディングするだけでなく、以下のような幅広い実務対応が求められます。
- WebサイトやWebアプリの画面実装(HTML/CSS/JavaScriptを用いたコーディング)
- スマホやタブレットなど端末ごとの画面表示を最適化するレスポンシブ対応
- ReactやVue.jsなどのJavaScriptライブラリ・フレームワークを用いた動的機能の実装
- Webサイトの表示速度改善やSEO(検索エンジン最適化)を意識したマークアップ
- WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)の構築・カスタマイズ
- サーバーサイド(バックエンド)APIとのデータ連携処理の実装
近年はWebアプリの複雑化に伴い、単なる「HTML/CSSの流し込み」のような仕事は激減しています。ユーザーが快適に操作できるアニメーションや、サーバーと通信して素早く画面を更新するフロントエンド処理のスキルが強く求められています。
フリーランスのフロントエンドエンジニアの年収・単価相場
フリーランスへ転向するにあたって、気になるのは、実際どれくらい稼げるのかという点です。
収入の目安を知るうえで、フリーランスエージェントが公開している案件データは一つの参考になります。たとえば、大手フリーランスエージェントのレバテックフリーランスが公開している情報※では、フロントエンドエンジニアの平均月単価は72.7万円、月額単価を12ヶ月分として計算した想定年収は873.1万円とされています。
ただし、この数字をそのまま「フリーランスになれば稼げる金額」と考えるのは適切ではありません。これは週5日稼働の案件をもとにしたデータであり、未経験者や副業で始める人の収入を示すものではないためです。
実際の収入は、経験やスキルだけでなく、担当する業務や稼働日数によっても変わります。未経験から副業としてスタートする場合は、LPのコーディングやWordPressサイトの修正など、小規模な案件から実績を作っていくことになります。
この段階では、いきなりフリーランスとして生活できる収入を目指すより、クライアントの要望に応え、納期までに納品した経験を積むことが先決です。
実績を重ね、JavaScriptやReact、TypeScriptなどを使った開発にも対応できるようになると、より規模の大きい案件を選択肢に入れやすくなります。さらに、設計やAPI連携まで担当できれば、対応できる業務の幅も広がります。
つまり、フリーランスのフロントエンドエンジニアは、経験年数だけで収入が決まる仕事ではありません。どのような技術を扱えるかだけでなく、どこまでの業務を担当できるか、どのような条件で稼働するかによっても収入は変わります。
未経験から目指す場合は、高単価の案件を最初から基準にするのではなく、小規模な仕事で実績を作りながら対応できる業務の幅を広げていくほうが現実的です。
未経験・副業からフリーランスのフロントエンドエンジニアになるまでのステップ
プログラミング未経験からフリーランスを目指す場合は、学習を始めてすぐに独立するのではなく、スキルを身につけ、成果物を作り、小規模な仕事で実務経験を積みながら進めるのが現実的です。
ここでは、未経験・副業からフリーランスを目指す際の基本的な流れを4つのステップで紹介します。
①HTML/CSSとJavaScriptの基礎を身につける
まずは、Webページを作るための基本的な技術から学びます。
学習の順番としては、HTML/CSSでWebページの構造や見た目を作れるようになり、その後JavaScriptを学んで画面に動きを付ける流れがわかりやすいでしょう。
さらに、コードを管理するためのGit/GitHubの基本的な使い方も、早い段階で触れておくと実務につながります。
書籍やオンライン学習サービスを使って基礎を学んだら、学んだ内容は実際に自分の手で書いてみないと身につきません。教材を進めるだけでなく、簡単なWebページを自分で作るところまで取り組んでみましょう。
②自分のスキルを確認できる成果物を作る
基礎を学んだ後は、自分がどのようなものを作れるのかを示すための成果物を用意します。
未経験者の場合、完成度の高い大規模なWebアプリを最初から作る必要はありません。大事なのは、学んだ技術を使って一つのWebサイトやアプリケーションを、最後まで完成させることです。
たとえば、以下のような成果物が考えられます。
- Figmaなどのデザインデータをもとに作成したWebサイト
- 問い合わせフォームやAPI連携を実装したWebサイト
- JavaScriptやフレームワークを使った小規模なWebアプリケーション
完成した成果物は、コードをGitHubで管理し、実際にブラウザで確認できる状態にしておくと、自分のスキルを説明しやすくなります。
③小規模な案件でクライアントワークを経験する
成果物を作った後は、副業として小規模な案件に挑戦する方法があります。
クラウドソーシングや知人からの紹介などを通じて、まずは自分のスキルで対応できる仕事を探しましょう。
たとえば、次のような案件が考えられます。
- LPのHTML/CSSコーディング
- 既存Webサイトの修正やスマートフォン対応
- WordPressサイトの修正やカスタマイズ
この段階で得られるのは、技術的な経験だけではありません。依頼内容を確認し、不明点を質問し、期限までに納品するという一連の流れを経験できます。
以前、依頼内容の解釈がクライアントと少しずれたまま作業を進めてしまい、納品直前になって手戻りが発生したことがあります。原因は、着手前の確認を「大丈夫だろう」で済ませてしまったことでした。技術力よりも先に、こうした認識合わせの精度が仕事の進めやすさを左右すると痛感しました。個人で仕事を受けるようになってからは、このときの反省をもとに、着手前の確認をひと手間増やすようにしています。
④対応できる仕事を広げ、独立できる状態を判断する
小規模な案件に対応できるようになったら、より難しい仕事へ段階的に挑戦していきます。
たとえば、JavaScriptを使った実装に加え、ReactやVue.jsなどを使った開発、APIと連携するWebアプリケーションの開発など、対応できる業務の幅を広げていく方法があります。
ただし、「何件案件をこなせば独立できる」「副業収入が本業を超えたら独立する」といった明確な基準があるわけではありません。
独立を考える際は、現在の収入だけで判断するのではなく、自分の経験で継続的に仕事を探せそうか、希望する働き方に合う案件があるか、独立後の生活費をどの程度確保できているかなど、総合的に見て判断すべきポイントです。
実務経験がある人であれば、これまでの経験をもとにフリーランス案件を探す方法もあります。一方、未経験から副業で実績を作ってきた場合は、対応できる仕事の範囲を広げながら、独立できるタイミングを慎重に判断することが大切です。
生活スタイルによっても、進め方は変わります。
- 大学生の場合:時間を活用して学習や成果物制作を進め、インターンなどを通じて開発の現場を経験する方法もあります。
- 主婦(主夫)の場合:確保できる時間に合わせて、在宅で対応できる小規模な案件から経験を積む方法があります。
- 未経験会社員の場合:まずは本業を続けながら学習や副業に取り組み、スキルや実績を積んでから独立を検討するのが、現実的な進め方です。
現役エンジニア(会社員)が独立する場合のロードマップ
すでに会社員としてWebエンジニアやITエンジニアの実務経験がある場合は、未経験からフリーランスを目指すケースとは異なり、これまでの経験をもとに案件を探すことができます。
実務経験1〜2年での独立
実務経験が1〜2年の段階でも独立は可能です。ただし、担当してきた業務の範囲によっては、紹介される案件が限られることがあります。
たとえば、実装を中心に経験してきた場合は、設計から一人で任せる案件よりも、チームの一員として開発に参加する案件のほうが、案件として見つけやすい傾向にあります。経験年数だけで独立を判断するのではなく、自分がどこまでの業務を担当してきたのか、まず整理しておきましょう。
実務経験3年以上での独立
実務経験を重ね、フロントエンド開発を一通り担当してきた人は、独立後に選べる案件の幅も広がります。
ReactやTypeScriptなどを使った開発経験に加え、設計、テスト、API連携などの経験があれば、担当できる業務の範囲を具体的に伝えやすくなります。
私自身の開発経験からも、フロントエンドの実装だけでなく、サーバーサイドAPIの仕様を理解し、バックエンドエンジニアと円滑にやり取りできるエンジニアは、プロジェクトでも仕事を進めやすいと感じます。フリーランスとして独立する際も、単に使用できる技術を並べるだけでなく、「どの工程で何を担当してきたか」を自分の言葉で説明できるかどうかが、案件の通りやすさを左右します。
商談からオファーまでの流れ
会社員から独立する場合は、スキルシートを作成し、希望条件に合う案件を探したうえで商談へ進むのが一般的です。
- 職務経歴書(スキルシート)の作成:担当したプロジェクトの内容だけでなく、使用言語・フレームワークや、自分が担当した工程を具体的に整理する。
- 案件探し・担当者との面談:希望する単価や働き方だけでなく、自分の経験に合った案件かどうかも確認する。
- クライアント企業との商談:使用技術だけでなく、これまでどのような業務を担当してきたのか、プロジェクト内でどのように仕事を進めてきたのかを説明する。
- 条件確認・契約:単価や稼働条件、参画開始日などを確認したうえで契約を結ぶ。
会社を辞めてから案件を探し始めるのではなく、退職時期を決める段階で案件探しも並行して進めると、独立後のスケジュールを立てやすくなります。ただし、案件探しにかかる期間は経験や希望条件によって変わるため、退職日と参画開始日を最初から固定しすぎないほうがよいでしょう。
フリーランスのフロントエンドエンジニアに必要なスキル
フリーランスのフロントエンドエンジニアには幅広い知識が求められますが、最初からすべてを身につける必要はありません。
未経験から目指す場合は、まずHTML/CSSとJavaScriptを身につけ、その後、対応したい案件に合わせてスキルを広げていくのが現実的です。
ここでは、フリーランスとして活動するうえで役立つスキルを6つに分けて解説します。
①HTML/CSSを使ったWebサイトの実装力
まず身につけたいのが、HTML/CSSを使ってWebページを正しく作る力です。
単に見た目を再現するだけでなく、スマートフォンにも対応したレスポンシブデザインや、後から修正しやすいHTML/CSSを書けるかどうかが、実務では意外と差になります。
実務経験を積んだ後は、アクセシビリティやSEOを意識したHTMLマークアップ、複数人で開発する際のCSSの管理方法なども、あわせて押さえておきたいところです。
②JavaScriptとフレームワークの実装力
Webサイトに動きを付けたり、Webアプリケーションを開発したりするためには、JavaScriptの知識が必要です。
未経験者は、まずJavaScriptの基礎を身につけることから始めましょう。そのうえで、より規模の大きい開発に対応したい場合は、ReactやVue.jsなどのフレームワークを学ぶ選択肢があります。
また、JavaScriptを使った開発に慣れてきたら、TypeScriptを学ぶのもよいでしょう。どの技術を優先するかは、目指す案件や携わりたい開発内容によって変わります。
③CMS(WordPressなど)の構築・カスタマイズスキル
WordPressなどのCMSを扱えるようになると、Web制作系の案件にも対応しやすくなります。
たとえば、既存サイトの修正やテーマのカスタマイズ、コンテンツを更新しやすいサイトの構築などです。未経験から副業で実績を作りたい場合は、Webアプリケーション開発だけに絞らず、こうした案件も選択肢になります。
PHPを使ったテーマ開発などは、WordPress案件の幅を広げたくなった段階で学べば十分間に合います。
④UI/UXデザインの基礎知識
フロントエンドエンジニアがデザインそのものを担当するとは限りませんが、デザインの意図を理解したうえで実装する力は必要です。
Figmaなどのデザインツールを確認し、デザインデータから画面を実装する経験を積んでおくと、実務でも役立ちます。
また、単にデザインどおりに画面を作るだけでなく、ユーザーが操作しやすいかを考える視点を持つことも大切です。
⑤サーバーサイド・インフラの基礎知識
フロントエンドエンジニアが、バックエンドやインフラの専門家になる必要はありません。
ただし、APIを通じてどのようにデータを取得するのか、フロントエンドとバックエンドがどのように連携しているのかといった基本的な仕組みを理解しておくと、開発を進めやすくなります。
私自身も、フロントエンドとサーバーサイドの両方に関わる中で、APIの仕様やデータの流れを理解しているだけでも、実装時の確認やエンジニア間のやり取りがスムーズになると感じています。
AWSやVercelなどについても、案件によって必要になるため、まずは基本的な役割を理解し、必要に応じて知識を広げていけば十分です。
⑥コミュニケーション能力と自走力
フリーランスとして仕事をする場合、技術力だけで案件が継続するわけではありません。
特にリモートワークでは、進捗や課題を自分から共有し、わからない点を適切なタイミングで確認することが必要です。
また、「自走力」は一人で何でも解決する能力ではありません。必要な情報を調べたうえで、自分では判断できない部分を整理し、周囲に相談できるかどうかも、実務では技術力と同じくらい問われます。
技術的なスキルに加え、納期を守ることや、クライアント・チームメンバーと円滑に仕事を進める力も身につけていきましょう。
フリーランスのフロントエンドエンジニアが案件を獲得する方法
フリーランスが案件を獲得する主な方法は、フリーランスエージェント、クラウドソーシング、人脈や直接営業の3つです。
どの方法が適しているかは、未経験なのか、実務経験があるのかによって変わります。それぞれの特徴を理解し、自分の状況に合った方法を選びましょう。
フリーランスエージェントの利用
フリーランスエージェントは、実務経験を活かして継続的に案件を探したい人に向いています。
営業や案件探しを一人で進める必要がなく、希望する仕事内容や稼働条件を伝えたうえで案件を紹介してもらえるのが特徴です。契約条件の確認やクライアントとの調整をサポートしてもらえる場合もあります。
- メリット:案件探しや営業の負担を減らせる。契約や条件面について相談しやすい。
- デメリット:実務経験が少ない場合は、紹介される案件が限られることがある。
一方で、未経験者が最初の実績を作る方法としては、必ずしも利用しやすいとは限りません。ある程度の実務経験がある人や、副業で実績を積み、本格的に独立する段階で検討しやすい方法です。
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Workship(ワークシップ)
エージェントサービスとプラットフォームサービス(自分で検索・応募・管理)の両方の機能を持ったマッチングサイトです
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クラウドソーシングサイトの活用
未経験から副業として実績を作りたい場合は、クラウドソーシングサイトを利用する方法があります。
Webサイトの修正やコーディングなど、小規模な案件を探せるため、クライアントワークを経験するきっかけにもなります。
- メリット:未経験者や副業初心者でも応募できる案件を探しやすい。在宅で対応できる案件も多い。
- デメリット:案件によって報酬や業務内容に差があり、条件をよく確認する必要がある。
ただし、単に案件をこなすだけでは、次の仕事につながるとは限りません。自分のスキルで対応できる案件を選び、実績として説明できる仕事を積み重ねることが大切です。
人脈・SNS・直営業
前職のつながりや知人からの紹介、SNSや自分のWebサイトを通じて直接仕事を受ける方法もあります。
すでに信頼関係がある相手から仕事を紹介してもらえる場合は、未経験の営業先へ一から提案するよりも、仕事につながるケースがあります。
- メリット:自分で仕事相手と直接やり取りできる。継続的な関係につながる場合がある。
- デメリット:案件探しから条件交渉、契約や請求まで自分で対応する必要がある。
SNSでの技術発信や勉強会への参加も、人脈を広げる方法の一つです。ただし、発信や交流を続ければ必ず仕事につながるわけではありません。
未経験から案件を探す場合は、まず学習やポートフォリオ制作を進め、そのうえで小規模な案件や紹介を通じて実績を作る方法が現実的です。実務経験や実績が増えてきた段階で、エージェントや直接営業など、案件の探し方を広げていくとよいでしょう。
スキルの効率的な学び方
効率的にフロントエンドのスキルを身につけるための3つのアプローチを紹介します。
書籍・オンライン学習サービスでの独学
コストを抑えて自分のペースで学びたい方に最適です。
- 動画教材(Udemyなど):実際のコーディング画面を見ながら学べるため、初心者でも挫折しにくいです。セール期間中は通常より大幅に安く購入できることが多く、まずはセールのタイミングで気になる講座を探してみるとよいでしょう。
- 学習サイト(Progate, ドットインストール):環境構築不要でブラウザ上で手を動かせるため、最初のハードルを下げるのに最適です。
ただし、独学はエラーに遭遇した際に解決できず、途中で挫折してしまうリスクが高くなる点には注意してください。
フリーランス向けプログラミングスクールの活用
短期間で確実に実務レベルへ到達したい場合や、独学での挫折が心配な場合はスクールの利用が効果的です。
特に近年は、単にプログラミングを教えるだけでなく「副業案件の獲得サポート」や「フリーランスとしての独立支援」に特化したフリーランス向けスクールが増えています。メンターによるコードレビューやエラー解決のサポート、ポートフォリオの添削を受けられるため、一人で悩む時間を大幅に削減できます。
受講費用は数万〜数十万円かかりますが、初期投資として割り切り、早期に案件を獲得して受講料を回収するという考え方も合理的です。選ぶ際は「現役フリーランスエンジニアが講師を務めているか」「案件獲得の具体的サポートがあるか」を確認しましょう。
自作サイト・サービスの公開と改善
インプットが一通り終わったら、とにかく「自分でゼロからWebサイトやアプリを作って公開する」サイクルを回すことが一番の近道です。
既存の好きなサービスを真似して作ってみる(クローンアプリ開発)、自分の趣味や課題を解決するWebツールを作ってみるなど、テーマは何でも構いません。実際にドメインを取得して公開し、表示速度を改善したり機能を追加したりするプロセスそのものが、実務で使える生きたスキルになります。
独立前に準備しておくべきこと
会社員を辞めてフリーランスとして独立する前には、案件探しだけでなく、お金や手続きについても、同じくらい重要な準備として押さえておきましょう。
独立後に慌てないためにも、退職前に確認しておきたいポイントを整理しておきましょう。
生活費と独立後の収支を確認する
フリーランスになると、会社員のように毎月決まった給与が入るとは限りません。案件の参画開始まで期間が空いたり、仕事が途切れたりする可能性もあります。
独立前の生活防衛資金として、よく言われる目安は生活費の3〜6ヶ月分です。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、参画までにかかる期間や案件の見つかりやすさによって、必要な金額は変わってきます。まずは家賃や食費、通信費、保険料など毎月かかる支出を洗い出し、その金額をもとに何ヶ月分を確保しておくべきかを、自分の状況に当てはめて考えてみましょう。
家賃や食費、通信費、保険料など、毎月必要になる支出を確認したうえで、収入がない期間にもどの程度対応できるのかを考えておきましょう。
また、独立後は売上がそのまま手取りになるわけではありません。税金や社会保険料などの支払いもあるため、案件の単価だけを見て生活設計を組むと、後で痛い目に遭いかねません。
開業届や青色申告の手続きを確認する
個人で事業を始める場合は、税務上の手続きについても確認しておきましょう。
国税庁によると、個人事業の開業・廃業等届出書は、開業した年分の所得税の確定申告期限までに提出します。また、青色申告を希望する場合は、所得税の青色申告承認申請書を期限内に提出する必要があります。
新たに事業を始めた場合、青色申告承認申請書の提出期限は開業時期によって異なります。開業日が1月16日以降の場合は、原則として開業日から2か月以内です。
青色申告には一定の要件がありますが、適用できる場合は青色申告特別控除などの制度を利用できます。独立後に慌てないよう、開業前から帳簿付けや確定申告の方法を確認しておくとよいでしょう。
インボイス制度(消費税)の登録要否を確認する
会社員から独立する場合、開業届と合わせて確認しておきたいのがインボイス制度です。取引先が課税事業者の場合、こちらが適格請求書発行事業者として登録していないと、取引先側の仕入税額控除に影響が出ることがあります。
登録するかどうかは、想定する取引先の状況や自分の売上規模によって判断が分かれます。商談の段階で登録の有無を確認されることもあるため、独立前に一度、自分の取引形態でどちらが適しているのかを整理しておくと安心です。
国税庁「インボイス制度特設サイト」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm
健康保険と年金の切り替えを確認する
会社を退職すると、会社員として加入していた健康保険や厚生年金の扱いが変わります。
退職後の健康保険は、国民健康保険へ加入する方法のほか、条件を満たせば任意継続を利用する方法や、家族の健康保険の扶養に入る方法があります。
任意継続を利用する場合は、退職日の翌日から20日以内に手続きが必要です。また、加入には退職日まで継続して2か月以上の被保険者期間などの条件があります。保険料も選択肢によって異なるため、退職前に確認しておきましょう。
また、国民年金への切り替えが必要になるケースでは、退職日の翌日から14日以内に手続きを行います。
独立後の収支を考えるときは、こうした社会保険料の負担も忘れずに含めておきましょう。
全国健康保険協会(協会けんぽ)「任意継続」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/voluntary_continuation/
日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140710-04.html
契約内容と働き方を自分で管理する
フリーランスになると、仕事の進め方だけでなく、契約内容やスケジュールも自分で管理する必要があります。
業務委託契約を結ぶ際は、仕事内容だけでなく、業務範囲、報酬、支払時期、契約期間などを確認しておきましょう。認識が曖昧なまま仕事を始めると、後から「どこまで対応するのか」で行き違いが起こることがあります。
また、フリーランスは働く時間を自分で調整できる反面、仕事量を自分でコントロールする必要もあります。
仕事量やスケジュールについては、問題が起きてから対応するのではなく、早め早めに無理がないか確認しておくことを意識しています。実際、余裕を持って一言相談しておくだけで、後から調整がしやすくなった場面が何度もありました。
独立後は案件を獲得することだけに意識を向けるのではなく、無理なく仕事を続けられる環境やスケジュールを整えることも大切です。
フリーランスのフロントエンドエンジニアとして働く注意点・デメリット
フリーランスには、時間や働く場所を自分で選べるという魅力があります。ただ、独立を検討する際は、良い面だけでなく、会社員から離れることで失うものも把握しておく必要があります。
収入が不安定になる
会社員のように毎月決まった給与が入るわけではありません。案件が途切れれば収入はゼロになりますし、体調を崩して稼働できない期間も、その分の売上は発生しません。単価の高い案件が取れたとしても、翌月も同じ条件で仕事が続くとは限らないという前提で、収支を考えておく必要があります。
社会保険料や税金の負担が増える
会社員時代は、厚生年金保険料や健康保険料の一部を会社が負担してくれています。フリーランスになると、国民年金や国民健康保険への切り替えにより、これらを全額自分で支払うことになります。加えて、確定申告や消費税の扱いなど、税務まわりの手続きも自分で対応しなければなりません。
有給休暇や賞与といった制度がなくなる
有給休暇、賞与、労災保険といった会社員時代の制度は、フリーランスにはありません。体調を崩して働けない日があっても、収入を補ってくれる仕組みは基本的にないため、体調管理そのものを仕事の一部として考えておいたほうがよいでしょう。
開発以外の業務もすべて自分で担当する
案件の営業や見積もり、契約書の確認、請求書の発行、経理処理まで、開発以外の業務もすべて自分でこなす必要があります。技術力があっても、こうした業務に想定以上の時間を取られ、開発に集中できる時間が減ってしまうこともあります。
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社会的信用が下がることがある
住宅ローンやクレジットカードの審査など、会社員に比べて社会的信用の面で不利になる場面があります。独立後にローンを組む予定がある場合は、会社員のうちに済ませておいたほうがスムーズなケースもあります。
相談できる同僚がいない
技術的な壁にぶつかったときも、隣の席に聞ける同僚はいません。エラーの解決やコードレビューを自分だけで完結させる必要があるため、孤独を感じる場面もあります。勉強会やオンラインコミュニティに参加し、相談できるつながりを意識的に作っておくと、この点はある程度カバーできます。
こうした注意点は、フリーランスになることを諦める理由ではなく、事前に把握しておくことで対策を立てられる材料です。メリットとデメリットの両方を踏まえたうえで、自分に合った働き方かどうかを判断しましょう。
まとめ
フロントエンドエンジニアは、未経験からでもスキルや実績を積みながら、フリーランスを目指せる職種です。
ただし、学習を始めてすぐに独立できるわけではありません。まずは基礎スキルを身につけ、成果物を作り、小規模な仕事にも挑戦しながら、対応できる業務の幅を広げていくことが大切です。
フリーランスを目指す基本的な流れは、以下のとおりです。
- HTML/CSSやJavaScriptなど、Web開発の基礎を学ぶ
- 学んだ技術を使って成果物を作る
- 副業や小規模な案件を通じてクライアントワークを経験する
- 対応できる仕事の幅を広げながら、独立できるタイミングを判断する
未経験から目指す場合は、まず自分に必要なスキルを一つずつ身につけることから始めてみましょう。いきなり独立を目指すのではなく、現在の状況に合った方法で経験を積み、フリーランスという働き方を選択できる状態を作っていくことが現実的です。
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