ヨウジさん(仮名) 30代 男性の《転職体験談・口コミ》
- 転職したときの年齢は? 28才
- 転職前の職種は? 経営コンサル
- 転職後の職種は? ITコンサル
- 内定の成功ポイントは? 経営コンサルで培ったクライアントの業務要件定義能力
- 転職活動に使ったサービスは? 転職エージェント
- 転職前後の収入の違いは? 600万円→750万円
- 性別は? 男性
- お住いは? 東京都
目次
きっかけ:不景気の煽りで転職を決意
2008年9月リーマンショックが起りました。日本全体が急激に不景気に陥る中で、私は当時、経営コンサルティング会社に勤めていました。
企業は不景気に陥ると最初に削る予算は広告費かコンサルティング費用です。この煽りを受け、私が務めていた経営コンサルティング会社も急激に業績不振になり、案件もなくなり給与も減っていき、転職を決意しました。
ERP導入のITコンサルティング会社へSEとして入社
当時IT業界はERP導入の黎明期が明けたような状況で、需要がまだまだある状況であったため、不景気ながらも仕事はある状況でした。私は当時20代後半だったので、しばらくは刺激的な業界で働きたいと考えており、IT会社に絞り転職エージェント、知人のつてを探し、約10社面接を受けました。
面接で聞かれたことは、これまでの業務経験、自分の強み、入社後取り組んでみたいこと、といったごく一般的な面接内容でした。面接のステップは約3回程度でした。
内定は2社でITを活用したマーケティング会社とERP導入を中心としたITコンサルティング会社でした。ITマーケティング会社はスタートアップの会社で勢いがありましたが、自分の力を直接活かすことが出来るシーンが思い浮かばなかったため、辞退しました。
ERPは業務全体の知識を身に付けることが出来るので将来のキャリアの幅が広がる、経営判断に直結する部分での仕事がしたいと思っていたこともあり、ITコンサルティング会社への入社を決意しました。
入社前:経験、知識ゼロ
前職で培ったお客様の要件を把握し、明確化し、文書化するスキルはあったので、要件定義の要員としてならば活躍できるかなと考えていました。一方でシステムやプログラミング知識はゼロ、IT系のプロジェクトの進め方についても何も知識が無かったので、漠然とした不安を持ったまま入社しました。
入社前にSE関連の勉強を独学でやったかというと、私の場合特に何もしていません。プログラミング言語についての本を本屋で漁っては見ましたが、この勉強を独学で継続して続けることは非常に難しいと感じました。
そもそも知識がなすぎで何を勉強したらよいかわからなかったというのもありますが、個人的には実践の中で学ぶ方が学習効率は絶対に良いと考えていたためです。
入社後の実際:案件にアサインされることの重要さ
ITの会社は案件ベースで動いています。普通の事業会社ですと、経理、人事、営業など機能別に分かれていて、毎日決まった仕事をすると思います。ITの会社には案件(プロジェクト)があって、そこにアサインされるという考え方になります。経営コンサルティング会社でも同様の考え方でした。
案件にアサインされるためにある程度の社内営業活動も必要で、良い案件や狙っている案件がある場合、積極的な活動が必要です。この点が、事業会社とは違うところだと思います。そして案件にアサインされていない時間は非稼働時間となり、評価が下がります。つまり会社にとってはお金を生まない時間となるためです。
未経験者は懐の深い会社を選ぶべし
案件にアサインされるためにはスキルが必要です。
案件にはプロジェクトリーダーがいます。プロジェクトリーダーの最も重要なことはプロジェクトを納期通りに成功させることです。このためには、可能な限り優秀なスキルのある人材を確保したいと考えます。この観点から、入社間もないスキルのないスタッフを出来れば受け入れたくないと考えます。
ここで重要なのは、経験の浅いスタッフをアサインして育てる姿勢がある懐の深い会社なのか、そうでないかです。私が入社した会社は人材を育てることに熱心な会社だったので、IT系のスキルがない私でもデータ移行要員や要件定義要員としてアサインしてくれて、経験しながらスキルを付けていけば良いという姿勢でした。
未経験からSEに転職される方は、こういったある程度懐が深い会社を選ぶことをお勧めします。
SEはスキルが明確
SEは例えば「SAPというERPのFIモジュールの要件定義、開発が出来ます」といった感じで、スキルが明確です。スキルが明確というのは、スキルセットについて世の中で標準化されており、多くの人がそのスキルのワードについて知っているということです。ですので、将来転職する場合も、仕事を探しやすいですし、募集内容と応募のミスマッチが少ないと思います。
国際色豊かなプロジェクト
最近のプロジェクトは国際的なプロジェクトが多いと思います。これは良い意味の驚きでした。
私の場合、中国の方、ベトナムの方、タイの方、アメリカの方とプロジェクトを一緒にさせて頂く機会がありました。プロジェクトによっては海外子会社にERPを導入するというプロジェクトが少なくありません。この経験をフックに将来海外案件や外資系会社で働くこともできるかなと幅が広がる良い機会になりました。
辛かったこと:窓がないプロジェクトルーム
SEは客先常駐で仕事をすることが多いです。お客様と密にコミュニケーションを取りながら望まれるシステムを構築していくためです。そしてプロジェクトルームもお客様の状況次第で様々な環境が割当られます。
私の経験した辛いプロジェクトルームは、窓がないルームです。
一見問題ないように感じますが、長期間プロジェクトになるとこれが徐々に精神的に効いてきます。しかもプロジェクト自体の進捗が悪くなり煮詰まってくると、メンバーの精神的にも余裕が無くなってきます。この時、人間にとって開放感やリラックスできる環境は、パフォーマンスを発揮する上でも本当に大切なことなんだなと実感しました。
まとめ
SEへの転職はとてもおすすめです。理由は、市場が成長していること、スキルが明確なので将来失業のリスクが少ないこと、海外プロジェクトも経験出来ることです。
特に市場が成長している業界に身を置くことはとても重要です。そしてIT業界は今後もすごい率で成長していきます。ここに身を置いて後は流れに身を任せていけば、ある程度は稼ぎ続けることが出来ると思います。
未経験から入社する場合は、対象会社の懐が深いかどうかの見極めが重要です。これは面接で思い切って聞いてみることをお勧めします。会社にとっても応募者にとってもこの部分のミスマッチはお互い痛いからです。
未経験者を育てながら仕事に貢献させてくれる会社は必ずありますので、頑張って見つけるようにしましょう。
もう一度「経営コンサルタントからITコンサルタントへ〜SEの転職〜【それぞれの物語】30代/男性/東京都在住」を読む ↑