飲食店従業員からフロントエンドエンジニア、そしてSEへ【それぞれの物語】30代/男性/青森県在住

IT業界未経験の私がSEに興味を持ったきっかけ

はじめに私の転職前の簡単な経歴を紹介します。

元々は典型的なフリーター。特に進学も就職もせず、なんとなく毎日を過ごしていました。

漠然と「将来、役立つスキルぐらいは身につけないとな…。」と考えてはいましたが、何をやって良いのかもわからず。そんな私でしたが、お店が「ホームページを導入する」と言いだし、これが転機となりました。

当初は専門業者に依頼していましたが、１年も経たないうちに契約は終了。

月々の利用料金に見合う集客が見込めず、早い話が赤字になってしまったためでした。しかし、お店もネット集客に関心はあったので、自分たちで制作／運営をする事になり、その仕事の一部を任されることになり、これがIT素人の私がパソコンの前に座るきっかけになりました。

Webサイトは現場を知る人間が作るのが一番

当初はHTMLもCSSもわからない状態からのスタート。Amazonで関連書籍を買って読んだり、他店舗のWEBサイトを見て試行錯誤の連続でした。

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そして運営を開始して数ヶ月。課題が見えてきました。

その他、SEO対策が不十分（周辺の店舗とほぼ同じワードしか登録されていない）だったり、更新をしたい時は業者に依頼するしかなく時間も費用も余計にかかる…など課題は盛りだくさん。

それを一つ一つ整理していくと、次第に検索上位に店の名前が出てくるようになり、同時に新規のお客様が来店するように。
店内アンケートでも、来店理由が「ネットで見つけた」という人が増え、売り上げも安定的に増えていきました。

お客様に伝わる活きた情報が発信できたのは、目に見えるところだけでなくお店の裏側まで知っていた現場の人間だからこそできた…と実感しました。

専門学校へ進学。本格的にITの勉強を始める

それ以降、ホームページ制作やネット集客に興味が出てきました。しかし、ある程度は独学で出来てもすぐに限界を感じ、同時に意欲も湧いてきました。そこで、改めて専門学校へ進学する事に。元々フリーターだったので親もバイト先の仲間も大賛成でした。

その時のイメージは「現場を知っている人間だからできる飲食店向けのサイトの制作」。現場の空気を知っている分、他のエンジニアと勝負する時に大きな武器になると考えた事が大きな理由でした。

こうして２年間、昼間は学生、夜はラーメン屋で働く…という二足のわらじ生活をスタートしました。情報系の資格習得を目指しながら、学校で習ったデータベース論や情報分析の手法をバイト先で実践をしていました。

実際にネット集客に応用できたのは大きな経験になりました。

転職サイトで見つけた“フロントエンドエンジニア”という言葉

卒業後は普通のSEとして働く…という事がイメージできず、現場に近いポジションで働ける仕事を探していました。そんなある日、SE系の転職サイトを眺めていると、とあるIT企業の募集要項の中の「フロントエンドエンジニア」という文字が目に留まり、これが人生を大きく動かすことになります。

フロントエンドエンジニアの仕事を端的に言えば「Webサイトや情報システムを開発する技術者のうち、ユーザーが直接見聞きしたり操作する部分を担当する職種」です。ですから、WEBデザイナーやプログラマーと同様に、仕様書や設計指示書に基づいてプログラムをするだけでなく、対外的な仕事も多く請け負うことになります。

入学前に考えていたイメージに近い仕事だったためその場で面接希望のメールを送り、人事担当者とアポを取りました。

詳しく話を聞くと、フロントエンドエンジニアに求められるスキルは

加えて、クライアントによってはデータ分析スキルや広告に関する知識も必要になります。

自分のPRポイントは、飲食店で実際に働いた経験とIT技術を導入して成果をあげた実績。さらにこの経験を活かしてクライアントに合わせてカスタマイズしたシステムを構築したい希望を伝えました。これが担当者の求めていた人物像に近かったようで、後日、社長との面接へ進み採用決定。

１年の社内研修を終了後、飲食店向けのプロジェクトチームに抜擢されることになりました。

第5章「現在のやりがいと難しさ・ワークスタイル」

IT業界に転職して、今年で３年目

今はSEとして中堅の飲食チェーン店や小売業を中心にWEBサイトの作成や業務システム設計を行なっています。

やりがいは何と言っても、経営困難だった会社が目に見えて業績が改善した時。売り上げが伸びるだけでなく、余計な経費がカット出来たことで経営が安定した会社も多くあります。

難しい点はクライアントに合わせてシステムを作るため、地域性や事業形態を考慮しないといけない事。都心の店と田舎の店では客層は大きく異なり、北海道と九州ではお客様の行動パターンや嗜好も全然違います。

これを疎かにすると「なんでも良いからサイトを作れば良い」みたいな雰囲気になり、結果が出せない薄っぺらいシステムになってしまい誰も徳をしません。そのため、システム構築前には現場を必ず見ることにしているので地方出張が続くことも…。体力的にちょっとキツく感じることもあります。

IT業界のエンジニアというと、事務所に缶詰になって黙々とプログラミングをしているイメージが強いですが、私はパソコンを片手に全国を飛び回っている時間の方が多くなっています。おかげで全国の色々なものを見聞きすることができ知識や物の見方も大きく広がってきました。

今後は地元の商店街WEBサイトなど、ローカルな情報を全国に発信できるシステム作りにむけて、日々勉強をしています。