エンジニアの転職

エンジニアの残業は当たり前?多い理由と実態を現役エンジニアが解説

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雨のイメージ

気づけば時計は21時。オフィスにはまだ数人が残っていて、自分もその一人になっている。そんな夜が続くと、「エンジニアなら残業は当たり前なのか?」と疑問に感じるのも無理はありません。

実際、エンジニアの残業時間は勤務先や仕事内容によってかなり違います。毎日ほぼ定時で帰れる職場がある一方、納期前になると遅くまで働くことが当たり前になっている現場もあります。同じエンジニアでも、ここまで差が出るのはなぜでしょうか。

大切なのは、「エンジニアだから残業が多い」と決めつけないことです。残業の多さには、プロジェクトの進め方や人員体制、顧客との契約、トラブル対応など、個人の頑張りだけでは変えにくい事情が関係しています。

この記事では、エンジニアの残業時間をデータで確認しながら、なぜ残業が発生するのかを仕事内容や企業タイプごとに整理します。さらに、残業を減らすためにできることや、残業の少ない職場を見極めるポイントまで解説します。

「今の残業は普通なのか」「この働き方を続けて大丈夫なのか」と感じている方は、自分の職場と照らし合わせながら読み進めてみてください。

目次

結論:エンジニアの残業は「時間」だけで判断しない

エンジニアの残業が多いかどうかを判断するとき、単純に「月○時間だから多い」と考えるだけでは実態をつかめません。繁忙期だけ一時的に増えているのか、毎月のように長時間残業が続いているのかでも、意味は大きく変わります。

さらに、同じ月20時間の残業でも、納期前だけ集中しているケースと、毎日のように少しずつ残っているケースでは負担感も違います。重要なのは、残業時間そのものだけでなく、「なぜ残業が発生しているのか」まで見ることです。

そこでまず、エンジニアの残業時間が実際にどの程度なのかをデータで確認してみましょう。平均値や職種別の違いを知っておけば、自分の働き方がどの程度の水準なのかを判断しやすくなります。

データで見るエンジニアの残業実態

平均残業時間は月22.6時間

転職サービスdodaが公表しているデータでは、IT/通信系エンジニアの月間平均残業時間は22.6時間です。エンジニア全体で見ると、毎月かなりの長時間残業が発生しているという数字ではありません。

ただし、ここで注意したいのが「平均」です。22.6時間という数字は、あくまでIT/通信系エンジニア全体をまとめた結果であり、すべてのエンジニアが同じ時間だけ残業しているわけではありません。

実際、dodaのデータを見ると職種によって残業時間には差があります。Webエンジニアや社内SE、サーバーエンジニアなど比較的短い職種がある一方、ITコンサルタントなどは平均を上回っています。

「エンジニアは残業が多い」というイメージだけで判断するのではなく、自分の職種や仕事内容まで含めて数字を見ることが大切です。

職種によって残業時間には差がある

同じITエンジニアでも、担当する仕事によって残業時間は変わります。dodaが公表している2025年4~6月のデータを見ると、IT/通信系エンジニアの職種別平均は次のとおりです。

職種月間平均残業時間
ITコンサルタント(アプリ)25.3時間
研究開発/R&D(IT/通信)23.6時間
インフラコンサルタント22.7時間
アプリケーションエンジニア21.9時間
ネットワークエンジニア20.1時間
Webエンジニア19.9時間
データベース/セキュリティエンジニア19.5時間
社内SE17.9時間
テクニカルサポート/ヘルプデスク17.2時間
サーバーエンジニア16.6時間
QAエンジニア16.0時間

最も長いITコンサルタント(アプリ)でも25.3時間、最も短いQAエンジニアでは16.0時間です。同じIT/通信系エンジニアという括りでも、担当する工程や役割によって残業時間には違いがあります。

ただ、ここで「この職種なら残業が少ない」と決めつけるのは早いでしょう。職種の平均値はあくまで全体の傾向を示す数字であり、実際の残業時間は企業の開発体制やプロジェクトの状況によって変わります。

他職種と比べてエンジニアだけが特別に多いわけではない

残業の多さを考えるなら、ITエンジニアだけを見ていても判断しにくいものです。dodaの2025年4~6月のデータでは、IT/通信系エンジニアの職種別平均は16.0~25.3時間でした。営業やクリエイティブなど、職種によってはこれを上回るケースもあります。

つまり、「エンジニアだから残業が多い」という単純な話ではありません。残業時間を左右するのは、職種そのものだけでなく、どのような案件を担当しているのか、納期や顧客との関係はどうなっているのか、チームに十分な人員がいるのかといった職場環境です。

平均値を見て「エンジニアならこのくらい」と受け入れるのではなく、自分の残業がどのような理由で発生しているのかを見ることが重要です。

残業時間は法律上の上限も基準にする

自分の残業が多すぎるのか判断するときは、同じ職種の平均だけでなく、法律上の上限も知っておきましょう。

労働基準法では、36協定を締結した場合の時間外労働について、原則として月45時間・年360時間が上限です。臨時的な特別の事情があり、特別条項付きの36協定を締結する場合でも、時間外労働は年720時間以内、時間外労働と休日労働の合計は単月100時間未満、2~6か月平均で月80時間以内などの上限が設けられています。

ここで大切なのは、「月45時間を超えたら即違法」という意味ではないことです。特別条項が適用されるケースでは45時間を超えることもありますが、回数や年間の上限など、別の条件を満たす必要があります。

とはいえ、毎月のように長時間残業が続いているなら、「エンジニアだから仕方ない」と片付けるべきではありません。残業時間を記録し、どの仕事にどれだけ時間がかかっているのかを整理してみましょう。会社側の体制や業務量そのものに問題がある可能性もあります。

出典:厚生労働省「時間外労働の上限規制
出典:厚生労働省「時間外労働の上限について

なぜエンジニアは残業が多いと言われるのか|構造的な理由

エンジニアの残業は、単純に仕事量が多いから発生するわけではありません。人員が足りない、途中で仕様が変わる、そもそもの見積もりが甘い、障害が発生するなど、いくつもの要因が重なって残業につながります。

しかも厄介なのは、現場のエンジニアが原因を作っているとは限らないことです。上流で決まった納期や予算、顧客からの追加要望などが後工程に伝わり、最後に作業を担うエンジニアが時間外労働で帳尻を合わせるケースもあります。

ここでは、エンジニアの残業を生み出しやすい代表的な5つの要因を見ていきましょう。

①人材不足で一人あたりの業務量が増える

IT人材の不足は、以前から指摘されている問題です。経済産業省の「IT人材需給に関する調査」では、2030年のIT人材の需給ギャップについて、標準的な条件で約44.9万人、高位の需要を想定した場合には約78.7万人になると試算されています。

こうした需給ギャップがある現場では、必要な人数を確保できず、一人のエンジニアが複数の業務を担当することがあります。開発だけでなく、設計やテスト、問い合わせ対応、資料作成まで抱えるようになれば、定時内ですべてを終わらせるのは難しくなります。

ただし、「IT人材が不足しているから残業が多い」とだけ説明するのも正確ではありません。同じ人数でも、業務を適切に分担できている会社なら残業を抑えられます。

問題は、人手不足そのものよりも、足りない人員を長時間労働で埋めようとする職場の体制です。

出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査

②開発途中の仕様変更で作業が増える

受託開発やSIerの案件では、開発を進めている途中で顧客から追加要望が入ることがあります。

たとえば、すでに画面を実装したあとに「この機能も追加してほしい」と依頼されれば、単純にその機能を作るだけでは済みません。設計を見直し、既存の処理を変更し、テストまでやり直す必要が出てきます。

問題は、追加された作業に対して納期まで延びるとは限らないことです。仕様変更が入ったのにスケジュールがそのままなら、どこかで時間を作らなければなりません。その負担が開発終盤に集中すると、エンジニアの残業につながります。

もちろん、変更内容によって納期や予算を調整できれば話は変わります。だからこそ、仕様変更そのものよりも、「変更があったときにスケジュールを見直せる体制があるか」が重要です。

③見積もりやスケジュールに無理がある

プロジェクトの初期段階で工数を少なく見積もると、後になってそのツケが回ってきます。

開発では、実装だけを見て工数を計算することはできません。仕様確認、設計、レビュー、テスト、修正、関係者との調整などにも時間がかかります。さらに、実際に作り始めてから初めて分かる問題もあります。

それなのに「この機能なら3日でできるだろう」と余裕のない計画を立ててしまえば、少しの遅れがそのまま残業につながります。

特に納期が固定された受託案件では、途中で遅れが発生しても納品日を簡単に動かせないことがあります。結果として、プロジェクト終盤に残った作業をエンジニアが残業して片付けることになるわけです。

ここで個人ができる対策として、実際にどの作業に何時間かかったのかを記録しておく方法があります。自分の見積もり精度を高められるだけでなく、次の案件で無理なスケジュールを相談するときにも具体的な材料になります。

④障害やトラブルは予定どおりには起きない

開発が終われば残業がなくなるとは限りません。システムが稼働した後には、障害やバグ、サーバーのトラブルなどが発生する可能性があります。

特に運用・保守を担当するエンジニアは、トラブルが起きる時間を選べません。昼間なら通常業務の中で対応できても、夜間や休日に障害が発生すれば、緊急対応が必要になることがあります。

もちろん、すべての運用エンジニアが頻繁に夜間対応するわけではありません。監視体制やオンコールの仕組み、担当者の人数によって負担は大きく変わります。

「障害対応がある仕事だから仕方ない」と諦めるのではなく、夜間対応がどの程度あるのか、当番制になっているのか、対応後に休暇や勤務時間の調整があるのかまで確認することが大切です。

⑤多重下請け構造で納期や予算のしわ寄せを受ける

SIerや受託開発の一部では、元請け企業が受注した案件を別の企業へ再委託し、さらにその下の企業へ業務が流れることがあります。

この構造自体が直ちに問題というわけではありません。専門性の異なる企業が協力して大規模なシステムを開発することには、合理的な面もあります。

ただ、契約の階層が深くなるほど、下流の企業が納期や仕様を決められる立場にないケースがあります。上流で決まった納期を変更できないまま作業を引き受け、途中で発生した遅れや追加作業を現場側で吸収することになれば、残業につながりやすくなります。

「残業が多いから、この会社は悪い」と考える前に、自分の会社が案件のどの位置にいて、どこまで顧客と条件を交渉できるのかを見てみるとよいでしょう。

残業の原因が自分の仕事の進め方ではなく、案件の契約条件やプロジェクト全体の構造にあるなら、個人の努力だけで解決するのは難しいからです。

【企業タイプ別】残業の傾向はこんなに違う

エンジニアの残業時間を左右するのは、職種だけではありません。どのような事業モデルの会社で働くのかによっても、納期の決まり方や仕事の進め方、忙しくなるタイミングは変わります。

ここでは、自社開発、受託開発・SIer、SESの3つに分けて、それぞれの残業が発生しやすいポイントを見ていきます。

自社開発企業はスケジュールを調整しやすい

自社のサービスや製品を開発する企業では、基本的に自社で開発計画を立てます。顧客から指定された納期に合わせる受託開発と比べると、リリース時期や機能追加の優先順位を社内で調整しやすい点が特徴です。

たとえば、開発が予定より遅れているなら、機能の優先順位を変更したり、リリース時期を見直したりする判断もできます。無理なスケジュールをそのまま現場に押し付けずに済む余地があるわけです。

ただし、「自社開発だから残業が少ない」とは限りません。サービスのリリース前や大型アップデートの時期には作業が集中しますし、障害対応や緊急の修正が発生することもあります。

転職先として自社開発企業を見るなら、「自社開発かどうか」だけで判断するのではなく、リリース前の働き方や開発スケジュールの決め方まで確認したいところです。

受託開発・SIerは納期と顧客都合の影響を受けやすい

受託開発やSIerでは、顧客から依頼されたシステムを決められた条件やスケジュールに沿って開発します。そのため、自社サービスを開発する場合と比べて、納期や仕様を自社だけで自由に変更するのは簡単ではありません。

特に、開発途中で仕様変更が入ったにもかかわらず納期が変わらなければ、追加された作業をどこかで吸収する必要があります。プロジェクトマネージャーが顧客と納期や予算を交渉できれば影響を抑えられますが、そうした調整が十分にできない現場では、最終的に開発側へ負担が寄ってしまいます。

さらに、案件を受注した企業から別の企業へ再委託する形では、下流の企業ほど顧客と直接交渉しにくくなる場合があります。前のセクションで説明した多重下請け構造も、残業を考えるうえで無視できないポイントです。

受託開発やSIerへの転職を考えるなら、単に「残業月○時間」という数字を見るだけでなく、どのような案件を担当するのか、納期や仕様変更について現場から調整できるのかまで確認しておくと安心です。

SESは「客先常駐だから残業が多い・少ない」とは決められない

SESという言葉だけで残業の多さを判断することもできません。SESでは、エンジニアがクライアント先のプロジェクトに参加して働くケースが多いものの、実際の契約内容や勤務先のルールによって働き方は変わります。

特に確認したいのが、誰から業務上の指示を受けるのかという点です。業務委託や請負などの契約では、契約形式だけでなく実際の業務の進め方が重要になります。厚生労働省も、請負と労働者派遣の区分について、契約の名称ではなく実態に基づいて判断するとしています。

SES企業への転職を考えるなら、「残業は少ないです」という説明だけで安心するのは避けましょう。

どのような案件に配属されるのか、月の平均残業時間はどの程度なのか、夜間対応や休日対応はあるのか、勤務時間の管理をどのように行っているのか。こうした点を具体的に確認することが大切です。

結局のところ、残業の少なさを決めるのは会社の業態だけではありません。案件の内容、チーム体制、納期の設定、管理方法まで含めて見なければ、本当の働きやすさは分からないのです。

残業が少ない職場・多い職場の見分け方

「残業が少ない会社に転職したい」と思っても、求人票だけで実態を見抜くのは簡単ではありません。

「残業月20時間程度」「残業少なめ」と書かれていても、それだけで安心するのは早いでしょう。見るべきなのは、残業時間の数字だけではなく、どんな仕事をどのような体制で進めている会社なのかです。

求人票では「固定残業代」の条件を確認する

求人票に「固定残業代30時間分を含む」といった記載がある場合は、その30時間を「毎月30時間くらい残業する会社」と単純に考えないようにしましょう。

固定残業代は、一定時間分の時間外労働などに対する割増賃金をあらかじめ定額で支払う仕組みです。実際の残業時間が固定された時間数に達していなくても、制度として固定残業代が設定されていることがあります。

反対に、固定残業時間を超えて働いた場合は、超過分の割増賃金が別途支払われる必要があります。

そのため、「固定残業20時間だから安心」「40時間だから危険」と時間数だけで判断するのは適切ではありません。固定残業代を除いた基本給はいくらなのか、何時間分が設定されているのか、超過した場合に追加の残業代が支払われるのかまで確認しましょう。

面接では「平均残業時間」より具体的な働き方を聞く

転職活動で残業の実態を知りたいなら、「残業は多いですか?」と聞くだけでは情報が足りません。

たとえば、「直近の繁忙期は月何時間くらい残業しましたか」「通常期と繁忙期で働き方はどのくらい変わりますか」と聞けば、平均値だけでは分からない実態が見えてきます。

さらに、納期前に残業が集中するのか、毎日のように定時後の作業が発生するのか、夜間や休日の障害対応があるのかも確認しておきたいところです。

厚生労働省も、募集時に始業・終業時刻や所定時間外労働の有無などの労働条件を明示することを求めています。求人票だけで分からない部分は、面接や条件確認の段階で具体的に質問してみましょう。

チームの人数と仕事の進め方を確認する

同じ職種でも、少人数のチームに大量の仕事が集中している会社と、十分な人員で分担している会社では、残業の発生しやすさが変わります。

面接では、配属予定のチームが何人で構成されているのか、自分が担当する業務は何か、ひとつの案件を何人程度で進めるのかを聞いてみましょう。

開発手法についても確認しておくと安心です。アジャイル開発を採用しているかどうかだけで残業の多さが決まるわけではありませんが、スケジュールや優先順位をどのように見直しているのかを知る手がかりにはなります。

重要なのは、「どの開発手法を使っているか」よりも、予定どおりに進まなかったときに計画を修正できる職場なのかという点です。

「残業が少ない」という言葉だけを信じない

残業の少ない職場を探すなら、求人票に書かれた一つの数字だけで判断しないことです。

「残業月○時間」という平均値に加えて、繁忙期の残業、休日・夜間対応の有無、固定残業代の時間数、チームの人数、納期の決め方まで確認すると、その会社の働き方がかなり見えてきます。

今すぐ転職する予定がない人も、こうした見方を知っておけば、次に求人を見るときの判断材料になります。残業時間の数字だけを比較するのではなく、「なぜその時間になっているのか」まで確認することが、転職後のミスマッチを減らすポイントです。

今日からできる、残業を減らすための工夫

残業の原因が人員不足や無理な納期にあるなら、個人の努力だけですべてを解決することはできません。

とはいえ、毎日の仕事の進め方を少し変えるだけで、無駄な残業を減らせる場面もあります。まずは自分でコントロールできるところから見直してみましょう。

タスクの優先順位を決める

仕事が多いと、「全部終わらせてから帰ろう」と考えてしまいがちです。しかし、限られた時間ですべてを完璧にこなそうとすれば、どこかで無理が出ます。

まずは納期が近い仕事、ほかの作業を止めてしまう仕事、自分が担当しなければ進まない仕事から手をつけます。反対に、今日中に終わらせる必要のない作業は翌日に回す。これだけでも、終業間際の慌ただしさは変わってきます。

もうひとつおすすめしたいのが、作業時間を記録することです。「この作業に3時間かかった」「想定よりテストに2時間多くかかった」と記録しておけば、次回の見積もりにも使えます。

残業が続いているときも、「忙しいです」と感覚だけで伝えるより、「今週はこの作業に○時間かかり、残りのタスクがこれだけあります」と伝えたほうが、上司も判断しやすくなります。

繰り返し作業は自動化する

毎日のように同じ操作を繰り返しているなら、自動化できないか一度考えてみましょう。

たとえば、ファイルの整理やデータ処理、テスト、ログの確認など、手順が決まっている作業はスクリプトやツールで効率化できる場合があります。一度仕組みを作れば、その後の作業時間を継続的に減らせるのが自動化のメリットです。

ただし、「自動化するために何時間もかける」という状態になっては意味がありません。毎日発生する作業なのか、今後も繰り返すのかを考え、手作業のまま進めたほうが早いケースとの線引きも必要です。

「調べる」と「聞く」のタイミングを決める

エンジニアは自分で調べて問題を解決する力も求められます。だからといって、分からないことを何時間も一人で調べ続ける必要はありません。

たとえば、エラーの原因や技術的な実装方法なら、まず自分で調べてみる。一方、仕様の意図や「そもそも何を作るべきなのか」が分からない場合は、早めに確認する。この区別ができると、必要以上に時間を使わずに済みます。

特に経験の浅い時期は、「こんなことを聞いたら怒られるかも」と遠慮してしまうことがあります。しかし、数時間悩んだ末に方向性が違っていたと分かるほうが、本人にとってもチームにとっても大きなロスです。

残業が続くなら、早めに相談する

ここまで試しても残業が減らないなら、仕事の進め方だけではなく、そもそもの業務量を疑ってみてください。

人員が足りない、納期が短すぎる、担当範囲が広すぎるなど、個人では変えられない問題もあります。そこまで抱え込んでしまうと、「自分の仕事が遅いから残業している」と必要以上に自分を責めることになってしまいます。

上司やリーダーに相談するときは、「残業が多くてつらい」とだけ伝えるのではなく、具体的な状況を整理しておくと話が進みやすくなります。

たとえば、現在抱えているタスク、予定している工数、実際にかかった時間、納期までに残っている作業を整理して、「このまま進めると納期に間に合わないので、優先順位を決めてほしい」と相談する方法があります。

ここで大切なのは、相談した結果まで自分一人で背負わないことです。業務量そのものに無理があるなら、優先順位を下げる、担当者を増やす、納期を調整するといった判断は管理側の仕事です。

個人の工夫で減らせる残業には限界があります。工夫しても毎月のように長時間残業が続くなら、「もっと効率よく働かなければ」と考える前に、職場の体制そのものを見直す段階に来ているのかもしれません。

まとめ:エンジニアの残業は「当たり前」で片付けない

エンジニアの残業は、決して「この仕事なら仕方ない」と一括りにできるものではありません。dodaのデータでも職種によって残業時間には差があり、実際の働き方は企業の事業モデルやプロジェクト、チーム体制によって変わります。

だからこそ、今の残業がつらいと感じているなら、まずは「自分の仕事が遅いから」と決めつけないでください。何時間残業しているのか、その時間を何の仕事に使っているのか、そして残業が発生している原因はどこにあるのかを整理してみましょう。

仕事の進め方を変えたり、タスクの優先順位を見直したり、上司に相談したりすることで改善できるケースもあります。反対に、人員不足や無理な納期など、個人の工夫ではどうにもならない問題もあります。

もし改善を試しても長時間残業が続くのであれば、それは「もっと頑張る」ことで解決する問題ではないのかもしれません。働く環境そのものを見直すことも、エンジニアとして長く働くための大切な判断です。

残業の多さを理由に悩んでいるなら、まずは自分の状況を数字と事実で整理するところから始めてみてください。そのうえで、今の職場で改善できるのか、それとも環境を変えたほうがいいのかを冷静に判断しましょう。

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