エンジニア歴16年、スマホアプリ開発会社で主にバックエンドを担当していますが、好きなのはフロント側です。最近ではエンジニア採用の面接官や新人教育も担当しています。運営者ページはこちら
エンジニアとして転職したものの、試用期間中に「本採用はしない」「解雇する」と伝えられるケースがあります。
突然のことで、何をすればいいのか分からなくなる人もいるでしょう。
とはいえ、やるべきことの順番さえ押さえておけば、次の転職に向けた準備は十分に間に合います。まずは会社から何を伝えられたのかを整理し、必要な手続きを済ませ、そのうえで転職活動に移るという流れです。
この記事では、試用期間中に解雇されたエンジニアが、その後に確認しておきたいことや転職活動の進め方を、現役エンジニアで採用担当もしている筆者が解説します。
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目次
試用期間だからといって簡単にクビにできるわけではない
試用期間中でも、会社と従業員のあいだの労働契約はすでに成立しています。解雇には一定のルールがあり、試用期間だからといって会社の判断ひとつで自由に打ち切れるものではない、という点をまず押さえておきましょう。
また、会社から辞めてもらえないかと打診されただけなら、それは解雇ではなく退職勧奨です。この段階で退職届を出すと、書類上は自分から辞めた扱いになる場合があります。その場ではサインせず、いったん持ち帰って内容を確認しましょう。
もし解雇の理由や手続きに納得できない場合は、その場で結論を出そうとせず、会社から受け取った書類やこれまでのやり取りを整理しておきましょう。必要に応じて、厚生労働省の総合労働相談コーナーなど、公的な相談窓口を利用する方法もあります。
試用期間でクビになった直後に確認すること
突然解雇を伝えられた場合、まずは感情的に動くのではなく、事実関係を整理します。
本当に「解雇」なのかを確認する
会社から「試用期間が終わったら契約終了」「本採用はしない」と言われた場合でも、雇用契約の内容によって扱いが異なることがあります。
何を理由として、いつ付けで退職になるのか。会社から渡された書類があれば、その内容も確認しておきましょう。
解雇の理由を確認する
解雇された場合は、会社に理由を確認しておきましょう。
労働者が解雇理由の証明書を請求した場合、会社は遅滞なく交付する必要があります。理由が曖昧なままでは、今後の転職活動でも自分が何を改善すべきなのか判断しにくくなります。
なお、解雇理由の証明書については、厚生労働省の「確かめよう労働条件」でも確認できます。
離職票の離職理由を確認する
退職後に失業給付を受けるなら、会社から届く離職票が手続きの起点になります。ここで必ず見ておきたいのが離職理由の欄です。
解雇による離職なのか、自己都合による退職なのかで、受給資格を得るための条件や給付日数の扱いが変わります。試用期間での退職は勤務期間が短いぶん、この違いが受給できるかどうかに関わってくることもあるので、書類が届いたら中身を確かめてからハローワークへ持っていきましょう。離職票には本人が離職理由について意見を書く欄もあり、最終的な判断はハローワークが行います。
離職理由ごとの扱いはハローワークの「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」に、手続きの流れは「雇用保険手続きのご案内」にまとまっています。
会社とのやり取りを残しておく
会社から解雇を伝えられた日時、理由、担当者からの説明、受け取った書類などは記録しておきましょう。
メールやチャットでのやり取りがあれば、削除せず残しておきます。
解雇について会社と争うつもりがなくても、後から確認したくなることがあります。記憶だけに頼らず、事実を残しておきましょう。
試用期間でクビになったら転職活動を始めよう
会社との手続きにめどがついたら、次の仕事探しに移ります。
しばらく何も考えたくない時期もあるでしょうが、転職活動の開始はできるだけ先延ばしにしないほうが得策です。試用期間での退職は、それだけで書類選考のハードルが上がります。そこに数か月の空白が加わると、面接官はその間に何をしていたのかまで確認したくなり、説明しなければならないことが一つ増えてしまいます。
失業給付を受けながら活動する場合も、経験の棚卸しや応募書類の準備は並行して進めておきましょう。
まずはこれまでの経験を整理する
短期間で退職することになった場合、職務経歴書に何を書くか悩むところです。
とはいえ、試用期間中に担当した業務までなかったことにする必要はありません。
開発、テスト、運用、問い合わせ対応など、実際に担当した業務を整理し、どこまでできたのかを具体的に書き出してみましょう。
未経験からの転職であれば、実務以外にも入社後に取り組んだ学習や、個人で作ったものなどを整理しておくと、自分の現在地を把握しやすくなります。
エンジニア向け職務経歴書の書き方については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
試用期間でクビになった理由を整理する
次の転職で同じことを繰り返さないために、今回の退職理由を振り返っておきます。報告や相談の不足、勤務態度を指摘されていたのであれば、それも事実として書き留めておきましょう。面接で原因と改善策を説明するときの材料になります。
そのうえで、エンジニアが試用期間で本採用を見送られる理由を職種特有のものに絞ると、大きく次の3つに分けられます。
①求められる水準にスキルが届かなかった
もっとも多いのがこのケースです。未経験採用であっても、入社後の数か月でどこまで伸びたかは見られています。
ここは「スキル不足」とひとくくりにせず、つまずいた作業まで具体的に書き出してください。たとえば既存コードが読めずにタスクが止まっていたのなら、次の会社に入るまでに自分が過去に書いたコードやGitHubで公開されている小規模なリポジトリを読み、修正を加える練習を積む、といった対策まで決められます。
②SESで参画先の面談に通らず待機が続いた
SES企業では、客先の案件面談に通らないまま待機が長引き、それが本採用を見送る理由にされることもあります。
これは本人の技術力だけでなく、会社が抱えている案件と経験の浅いエンジニアとの相性にも左右されます。すべてを自分の力不足として抱え込む必要はありません。次の会社選びでは、未経験者が実際にどんな案件へ配属されているのかを面接で聞いておくと、同じ状況を避けやすくなります。
③応募時にスキルや経歴を大きく見せていた
書類や面接で実際より多くのことができるように伝えていた場合、入社後に任される仕事との差がそのまま評価に表れます。
次の転職では、できることとできないことを正直に書くのが前提です。そのうえで、今のスキルに見合う求人を選び直しましょう。
面接では試用期間でクビになったことをどう説明する?
次の転職活動で気になるのが、面接で試用期間中の解雇について聞かれたときの答え方です。
事実を隠さず説明する
短期間で退職したことについて質問された場合、経歴を隠したり、事実と違う説明をしたりするのは避けましょう。
重要なのは「クビになった」という事実だけではなく、なぜそうなったのか、その経験をどう受け止めているのかまで説明できるようにしておくことです。
原因と改善策まで整理しておく
たとえばスキル不足が原因だったのであれば、現在どこまで学習したのか、次の会社ではどのようにキャッチアップするのかまで説明します。
会社とのミスマッチが大きかったのであれば、次の転職では仕事内容や教育体制について事前に確認するなど、同じ状況を避けるための行動につなげます。
会社の対応に問題があったと主張するだけでは相手に不安が残りますし、すべて自分が悪かったと繰り返しても、何を改善したのかは伝わりません。
採用担当者が知りたいのは、短期間で退職した経緯よりも、そこから何を考え、次の仕事にどうつなげようとしているのかです。スキル不足が理由だった場合なら、たとえば次のような伝え方になります。
エンジニア面接での転職理由については以下の記事で深堀りして解説しています。参考にしてください。
試用期間でクビになったエンジニアは転職エージェントも活用できる
試用期間での退職歴は、応募書類だけで判断される選考だとどうしても不利に働きます。転職エージェント経由なら、担当者が経緯を企業側に補足したうえで推薦してくれる場合があり、書類の段階で落とされるリスクを抑えられます。
使うときは、最初の面談で解雇された事実と理由、その後に取り組んでいる学習まで正直に伝えておきましょう。そこまで共有しておけば、面接での説明の仕方を一緒に詰めたり、教育体制が整っている企業を優先して紹介してもらったりと、今回のようなミスマッチを避ける方向で求人を絞り込めます。
ただ、紹介される求人は担当者の判断にも左右されます。仕事内容や配属先は、提案をそのまま受け入れず自分でも確認しておきましょう。
試用期間でクビになった経験を次の転職に活かす
今回の転職がうまくいかなかったからこそ、次の会社選びでは確認しておきたいことがあります。
入社後の仕事内容を具体的に確認する
「エンジニアとして採用」とだけ聞いて入社すると、実際の仕事内容とのギャップが生まれることがあります。
どのような開発を担当するのか、使用する技術は何か、入社後すぐに求められることは何かまで確認しておきましょう。
未経験なら教育体制を確認する
未経験や経験の浅いエンジニアの場合、入社後にどのような教育やフォローがあるのかも重要です。
「未経験歓迎」という求人でも、実際には入社直後から自走を求められる会社があります。
研修期間、配属後のフォロー、質問できる環境などは、面接の段階で確認しておきたいところです。
自分のスキルと求人の条件を照らし合わせる
転職を急ぐあまり、自分の経験とかけ離れた求人ばかりに応募するのも避けたいところです。
今回の退職理由を整理し、現在できることと、これから身につけたいことを分けて考えます。
そのうえで、自分が無理なくキャッチアップできる求人を探していきましょう。
実際に試用期間で解雇されたエンジニアの体験談
試用期間で解雇されたあとの転職活動がどう進むのかは、当事者の記録を読むのがいちばん具体的です。
未経験からWeb系企業に転職し、3か月で解雇されたエンジニアの方は、その後の転職活動で150社以上に応募しています。本人によると、未経験で最初に転職したときよりも、解雇されたあとのほうが何倍も選考に通らなかったそうです。
他の職種に広げれば早く決まった可能性もあったなかで、この方はWebの仕事に絞って応募を続け、年末に内定を得ました。給与は以前の職場より大きく下がりましたが、その会社で約2年、次の制作会社でさらに経験を積み、現在はWebマーケティングを学べる会社で働いています。
解雇後の選考がどれほど厳しくなるのか、そこで何を優先して職場を選んだのかは、以下の記事で本人が詳しく書いています。
まとめ|試用期間でクビになっても、次の行動を整理しよう
エンジニアとして転職した会社を試用期間中に解雇されると、「もうエンジニアとして働けないのでは」と考えてしまうかもしれません。
ただ、まずやるべきことは、今回の転職を必要以上に悲観することではありません。
会社から伝えられた内容を確認し、必要な書類や手続きを進める。そのうえで、解雇に納得できない場合は公的な相談窓口を利用し、問題がなければ次の転職活動へ進みます。
そして、今回なぜ試用期間でクビになったのかを整理しておけば、次の会社選びや面接で同じことを繰り返さないための材料になります。
次の会社選びでは、仕事内容と教育体制を入社前にどこまで確認できるかが、同じ結果を避けられるかどうかの分かれ目になります。今回つまずいた作業を具体的に書き出しておけば、面接で確認すべき項目もそのまま決まります。
もう一度「エンジニアが試用期間にクビになった時にすべきこと【退職後の対応と転職活動の進め方】」を読む ↑
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