年収が下がったり、会社が潰れたりしないか不安がある
「未経験歓迎」のITベンチャー求人をどこまで信じていいかわからない
ベンチャーやスタートアップへの転職を考え始めると、検索結果にも周りの意見にも「やめとけ」という言葉がついて回ります。
結論から言うと、「ベンチャーだからやめとけ」は半分しか当たっていません。エンジニアが入社後に後悔する原因の多くは、会社のフェーズと本人の期待がズレたまま入社してしまうことにあります。
開発体制の実態を確かめずに飛び込むつもりなら、正直やめておいたほうがいいです。反対に、入社前に見るべきポイントさえ押さえておけば、大手では経験しにくい0→1の開発や、事業に近い立場での仕事に関われる会社は見つけられます。
この記事では、エンジニアがベンチャー・スタートアップ転職で直面しやすいリスクを整理したうえで、「自分は本当に避けるべきなのか」「入社するなら何を確認すべきなのか」まで具体的に解説します。
エンジニア歴 16 年、スマホアプリ開発会社で主にバックエンドを担当していますが、好きなのはフロント側です。最近ではエンジニア採用の面接官や新人教育も担当しています。運営者ページはこちら
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目次
ベンチャーとスタートアップの違いは?「やめとけ」を考える前に整理したいこと
「ベンチャー」と「スタートアップ」は、同じ意味で使われることがあります。ただ、転職先を選ぶときは言葉の定義より、事業がどの段階にあり、エンジニアに何を求めている会社なのかを見るほうが重要です。
ベンチャーとスタートアップの違いは、エンジニアにとって「変化の速さ」の違い
「ベンチャー」は成長企業を広く指す言葉として使われることが多く、「スタートアップ」は新しい市場や事業をつくり、短期間での大きな成長を目指す企業を指す場面が多い言葉です。厳密な法的区分ではないため、求人票に書かれた呼び方より、会社自身がどのフェーズにいると考えているかを見てください。
エンジニアにとって大事なのは、言葉の定義より、仕様がどれくらいの頻度で変わる会社なのかです。週単位で作るものが入れ替わる会社と、四半期ごとの開発計画に沿って進める会社とでは、同じ「ベンチャー」でも毎日の仕事の手触りがまるで違います。
スタートアップの場合、プロダクトが市場に受け入れられるかを探るPMF前の段階では、仕様変更が頻繁に発生します。昨日まで作っていた機能を捨てて、新しい仮説を検証することもあります。
反対に、ある程度事業モデルが確立された企業なら、プロダクトの方向性や開発計画が固まり、チームで計画的に開発を進める場面が増えます。
求人を探す前に、0→1の立ち上げそのものに関わりたいのかを自分に問いかけてみてください。答えがYesならシード〜アーリー期、Noならミドル期以降が主な候補です。ここを決めないまま「ベンチャー」という言葉だけで探すと、入社後のギャップは一番大きくなります。
同じスタートアップでも、フェーズが違えば別の会社と考える
「スタートアップ」と一口に言っても、資金調達の段階や事業の成長度によって、組織の状態もエンジニアの役割も大きく変わります。
| フェーズ | 組織の状態 | エンジニアの仕事の中心 | 向いているタイプ |
|---|---|---|---|
| シード期 | 数名規模 資金面の不確実性が大きい | 仮説検証のためのMVP開発、インフラ構築、運用タスクなど | 0→1の立ち上げが好きで、職種に縛られず動きたい人 |
| アーリー期 | 十数名規模 PMFを目指す段階 | 機能追加、仕様変更への対応、スピード優先の実装 | 変化を楽しみ、プロダクトの成長を直接感じたい人 |
| ミドル(グロース)期 | 数十名規模 事業拡大が進む | トラフィック対策、技術的負債の返済、組織の仕組み化、リファクタリング | 設計改善やパフォーマンス改善、チーム作りに関わりたい人 |
| レイター期 | 100名〜規模 上場やM&Aを視野に入れる | 大規模開発、セキュリティ強化、基盤刷新、新規事業など | ある程度整った環境で裁量を持って開発したい人 |
| メガベンチャー | 数百〜数千名規模 大企業に近い組織 | 高負荷対策、基盤開発、SRE、データ基盤など専門領域の開発 | 大規模サービスに携わりながら専門性も深めたい人 |
シード期とレイター期では、同じ「スタートアップ」であっても仕事内容は別物です。
特にエンジニアの場合、「会社の規模」より「開発チームが何人いて、誰がレビューし、誰が技術判断をするのか」を確認したほうが、実際の働き方をイメージしやすくなります。
「自社開発」「受託」とは軸が違う
転職活動を進める中で混乱しやすいのが、「自社開発」「受託開発」「SES」という分類と、「ベンチャー」「大手」という分類の混同です。
前者は事業形態の軸であり、後者は会社の成長段階や規模の軸です。
ベンチャー企業の中にも、自社プロダクトを運営している会社があります。反対に、スタートアップでも受託開発を事業の中心にしている会社はあります。
自社開発だから必ず環境が良いわけでも、ベンチャーだから必ず自社サービス開発に携われるわけでもありません。
事業形態や職種ごとの「やめとけ」については、以下の記事で詳しく解説しています。
ベンチャー・スタートアップはやめとけと言われる理由【エンジニア目線で6つ】
「ベンチャーはやめとけ」という意見をエンジニアの開発現場に置き換えると、主に6つのリスクがあります。
①会社や事業がなくなるリスクは、ゼロにはならない
スタートアップや創業初期のベンチャーで最初に考えておきたいのが、事業の継続性です。
次の資金調達が予定どおり進まなかったり、キャッシュランウェイが短くなったりすれば、事業縮小や撤退につながる可能性があります。
企業生存率に関する公的データとして、中小企業庁の「中小企業白書2017」では、起業後5年間の企業生存率が日本で81.7%と示されています。
※出典:中小企業庁「中小企業白書2017」第2部第1章 コラム2-1-2②図「起業後の企業生存率の国際比較」
ただし、この数字だけで「スタートアップは8割以上が生き残るから安心」と判断するのは危険です。白書の注記では、データベースに収録された企業を対象にした集計であり、実際の生存率より高めに算出されている可能性が示されています。
さらに、この数字は起業全般を対象にしたものです。赤字を掘りながら急成長を狙うVC出資型スタートアップと、そのまま比較できるデータではありません。
倒産リスクを測るなら、会社の規模より、直近の資金調達と売上の柱、そして次の1年の事業計画を見るほうが確かです。
そして、会社が倒産した場合でも、エンジニアとしての経験まで消えるわけではありません。次の転職で説明できるように、「何を作ったか」だけでなく「なぜその技術を選び、どんな課題を解決したか」を、在籍中から言葉にして残しておいてください。
②作ったものが捨てられる、仕様が週単位で変わる
特にPMF達成前のスタートアップでは、事業の方針転換、いわゆるピボットが発生します。
数週間かけて設計した機能が、ユーザーの反応を見て不要と判断されることもあります。昨日まで優先されていた機能が、別の課題を解決するために後回しになることもあるでしょう。
これは「開発が雑」という話ではありません。市場に受け入れられるプロダクトを探している段階なら、仮説を検証して方向転換すること自体が仕事だからです。
ただ、決められた要件に沿って品質を積み上げたい人にはストレスになります。
逆に、作ったものに執着せず、ユーザーの反応を見ながら次の仮説に切り替えられる人なら、この環境を面白いと感じやすいでしょう。
③教えてくれる人がいない、コードレビューがない現場もある
アーリー期のスタートアップや、一人目エンジニアとして入社する場合、社内に技術的な相談相手が一人もいない、という状況は普通に起こります。
教えてもらいながら仕事を覚えるような手厚い教育体制を期待すると、入社後に苦労します。
さらに確認したいのが、コードレビューの文化です。
開発スピードを優先するあまり、テストコードを書く習慣がなかったり、PRを誰も見ないまま本番へデプロイしたりする現場も実在します。
経験の浅い段階でこうした環境に長くいると、自分の実装が良いのか悪いのかを判断できないまま、我流の書き方がそのまま手に染みついてしまいます。
採用面接を担当する立場から言うと、研修制度があるかどうかは、育つ環境かどうかの判断材料としてはかなり弱いです。見るべきは、書いたコードに毎回誰かの目が入るかどうか。入社後の数か月で伸びる人と伸び悩む人の差は、本人の素質より、このフィードバックの量で決まる部分が大きいからです。具体的な確かめ方は、後半の見極め方の章で質問例と一緒に紹介します。
④開発だけでは終わらない(業務範囲の広さ)
エンジニアの人数が少ないベンチャーでは、「コードを書くこと」だけが仕事ではありません。
クラウドインフラの構築や監視、カスタマーサポートからの技術的な問い合わせ、社内PCやアカウント管理、採用面接、営業同行などまで担当することがあります。
これは悪いこととは限りません。
プロダクトの全体像を理解できるうえ、エンジニアとして事業に近い経験を積めるからです。
ただし、専門領域を深く掘りたい人には注意が必要です。
「バックエンド開発に集中したい」と考えて入社したのに、実際には情シスや問い合わせ対応に多くの時間を使う。このズレは、求人票だけでは分かりません。
入社前に「開発以外の仕事には何割くらい時間を使っていますか」と聞いておきましょう。
⑤オンコール・障害対応・リリース前で、稼働が読めない
運用中のサービスで障害が発生した場合、夜間でも休日でも、誰かが対応しなければなりません。
特に少人数のチームでは、障害対応の当番が回ってくる頻度も高くなります。人数だけでなく、オンコールのローテーション、深夜対応の有無、月あたりのアラート件数まで確認しておくべきです。
また、新機能のリリース直前や大規模プロモーションの前後では、急なトラフィック増加への備えで稼働が一気に膨らむこともあるでしょう。
とはいえ、「ベンチャー=ブラック」と決めつけるのは間違いです。上場審査では未払い残業や長時間労働といった労務管理の状況も確認されるため、IPOを目指している会社ほど勤怠管理を整えようとします。
ただ、少人数でサービスを運営している以上、突発的な障害対応から完全に逃れることはできません。
固定残業代や裁量労働制の有無だけで判断せず、「実際の平均残業時間」「休日対応の頻度」「オンコール手当」「障害発生時の体制」まで、面接の場で具体的に聞いておくべきです。
⑥年収が下がることがあり、ストックオプションは過大評価されがち
大手企業やSIerから創業初期のベンチャーへ移る場合、提示年収が下がるケースがあります。
ただし、すべてのベンチャーで年収が低いわけではありません。レイター期以降なら、大手企業と同等以上の条件を出してくる会社も珍しくなくなりました。
年収の比較から入るより、何を取りにいく転職なのかを先に言葉にしておくほうが、後悔は確実に減らせます。たとえば「0→1の立ち上げを経験したい」とはっきりしていれば、年収が多少下がっても納得して選べます。反対に、そこが曖昧なまま年収だけが下がると、入社後の小さな不満がすべて「やっぱりやめておけばよかった」に変わっていきます。
そして、年収の差を埋めるものとして提示されるストックオプションには注意してください。
ストックオプションは、会社のIPOやM&Aなどが実現した場合に大きな価値を持つ可能性があります。ただし、行使条件、行使価格、ベスティング、退職時の扱いなどを理解しないまま「将来大きく儲かる」と考えるのは危険です。
SOは年収の一部として計算しない。
これくらいの距離感で考え、提示される基本給だけで生活が成り立つかを基準にしてください。
「やめとけ」の正体は、不確実さと未整備さ
ここまでの6つをまとめると、「やめとけ」と言われる理由の中心にあるのは、不確実さと体制の未整備さです。
開発現場では、過去のスピード優先で積み上がった技術的負債を返す仕事を任されることがあります。ドキュメントがなく、特定の人しか分からない暗黙知を整理するところから始まることもあります。
経営陣との距離が近い会社なら、社長や事業責任者の一声で、開発の優先順位がひっくり返る場面も出てきます。
これは会社が悪いというより、成長途上の企業が抱える構造上の問題です。
だからこそ、「未整備な環境でも自分で整理して進めたい人」には向いていて、「ある程度決まった環境で専門性を深めたい人」には向いていません。
ベンチャー・スタートアップの「やめとけ」が当たる人・当たらない人
ここまでのリスクを踏まえると、自分がベンチャーに向いているかどうかも見えてきます。
やめとけが当たる人
一番はっきり「やめとけ」と言えるのは、仕事の進め方を手順として教わりながら覚えたい人です。創業初期の会社では、マニュアルどころか仕様書もなく、既存のコードとチャットの過去ログが唯一の資料という状況も普通にあります。そこで誰かが手順を用意してくれるのを待っていても、仕事は前に進みません。
専門領域だけを深く掘りたい人も、シード〜アーリー期とは噛み合いません。インフラも問い合わせ対応も採用も担う環境では、本来の専門に使える時間が確実に削られるからです。ただ、SREやデータ基盤のような専門性を伸ばしたいなら、ミドル期以降やメガベンチャーに目を向けてください。大規模な環境で腕を磨ける会社は、むしろそちらに多くあります。
年収の安定と昇給の見通しを最優先にするなら、創業初期の会社は外すのが無難です。評価制度そのものを作っている途中の会社では、3年後の役割や給与を入社前に約束してもらうこと自体が難しいからです。
育児や介護で稼働時間に制約がある人は、会社のフェーズより先にオンコールの有無を確かめてください。夜間の呼び出しがある体制かどうかは、生活が回るかどうかに直結します。
やめとけが当たらない人
反対に、ベンチャー・スタートアップの環境をそのまま成長に変えられるのは、正解のない課題を自分で調べ、仮説を立てて前に進められるエンジニアです。
誰も答えを知らない状態からプロトタイプを作り、ユーザーの反応を見て作り直す。この繰り返しを面白がれる人なら、創業初期の環境でも力を発揮できます。
「言われた通り作るだけでなく、仕様や事業の優先順位にも意見を出したい」という人も向いています。
エンジニアが事業側と近い位置にいる会社なら、技術的な判断がそのままプロダクトの方向性を左右します。
また、技術選定から0→1のシステムを立ち上げたい人や、将来的にCTO・EM・テックリードなどを目指したい人にとっても、早い段階から責任範囲を広げられる環境があります。
迷う人は、レイター期かメガベンチャーから検討する
自分が「当たる人」なのか「当たらない人」なのか判断がつかない場合は、いきなりシード〜アーリー期を狙うより、「レイター期のベンチャー」または「メガベンチャー」から検討することをおすすめします。
レイター期やメガベンチャーなら、ベンチャーらしい事業スピードを残しながら、開発組織や評価制度が整った会社を選びやすくなります。
ただし、同じフェーズでも会社ごとの差は大きいため、コードレビューやオンコールの実態は面接で必ず聞いておきましょう。
「スタートアップのスピード感には興味があるが、開発体制までゼロから作るのは避けたい」という人なら、まず検討したいゾーンです。
□ ドキュメントがなくても既存のコードを読んで仕様を理解できる
□ 自分が作った機能が使われなくなっても「次の仮説検証」と割り切れる
□ 開発以外の雑務も事業成長のためなら引き受けられる
□ 社内に相談相手がいなくても、勉強会や技術コミュニティなど社外に相談先を作れる
※当てはまらない項目が多いなら、レイター期以降から探すほうが安全です。
企業ごとの開発体制やフェーズの違いを確認しながら求人を比較するなら、エンジニア専門の転職エージェントも活用できます。
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20代で未経験・経験の浅い方は、未経験からの転職支援に強いユニゾンキャリアに相談してください。
経験別に見る、ベンチャー転職で後悔しやすいパターン
同じベンチャー転職でも、現在の経験によって注意すべきポイントは変わります。
SIer・SESから移る人
SIer・SESからベンチャーへ移るとき、戸惑いやすいのが開発スピードとドキュメント量の違いです。
仕様書や承認フローが整った環境から、まずプロトタイプを作りながら要件を詰める環境へ移れば、最初は進め方そのものに違和感を持つでしょう。
ただ、SIerやSESで身につけた顧客の課題を整理する力や、品質・障害への慎重な視点は武器になります。
特にベンチャー側が事業スピードを重視しているなら、「何を急ぎ、何を守るべきか」を判断できるエンジニアは価値を出しやすいです。
SIerからWeb系へのキャリアチェンジを考えている方は、SIerからWeb系への転職は難しい?評価される経験・年収の変化・タイプ別の準備を徹底解説!もあわせて読んでみてください。
大手事業会社・メガベンチャーから移る人
大手では、SRE、セキュリティ、QA、情シスなどの専門チームが存在し、エンジニアは自分の担当領域に集中できます。
アーリー期のベンチャーに移れば、CI/CDの構築からデプロイ、問い合わせ調査まで、すべて自分の仕事になります。
承認フローが少ない代わりに、自分の判断がそのままプロダクトへ反映される場面も増えます。
「前の会社では専門部署がやってくれた仕事」を自分で担当することに抵抗があるなら、創業初期の企業は慎重に選んだほうがいいでしょう。
実務1〜2年・第二新卒のエンジニア
実務経験が1〜2年の段階では、基礎となる開発手法や設計の型を身につけている途中です。
この段階で一人目エンジニアとして入社すると、自分の実装をレビューしてくれる人がいない、という事態も起こりえます。
経験が浅いうちは、裁量の大きさより、毎日のプルリクエストに誰かがコメントをくれる環境かどうかを最優先にしてください。実務2〜3年目で設計の考え方を教わった経験は、その後どの会社に移っても評価の土台になります。逆にこの時期を我流で過ごすと、次の転職面接で「なぜその書き方を選んだのか」を説明できずに苦労します。
30代後半〜40代
30代後半以降でベンチャーへ転職する場合、単なる実装要員ではなく、これまでの経験を事業や組織にどう活かすのかまで期待されるのが普通です。
技術リード、マネジメント、採用、開発プロセスの改善など、役割が広がるケースです。
ここで重要なのは、年齢ではなく企業側の期待との一致です。
評価を分けるのは、「自分の経験が、この会社のどの課題に効くのか」を面接で具体的に話せるかどうかです。たとえば「障害対応の手順を整備して、夜間の呼び出しを減らした経験があります」のように、相手の課題と自分の実績が一本の線でつながる話ができれば、年齢が理由で不利になる場面はかなり減ります。提示年収と稼働条件が家計や家庭の事情に合うかどうかは、内定が出てから冷静に計算すれば十分です。
未経験からベンチャーを目指す人
未経験者向けの求人でよく見かける「未経験歓迎」「アットホームな成長企業」という言葉だけで判断するのは危険です。
ここで見るべきなのは「未経験歓迎」という言葉ではなく、入社後に何を任せる求人なのかです。
育成前提の募集なら、入社後の研修だけでなく、最初の数か月に誰がレビューするのか、どのような開発業務から任せるのかまで説明できます。
逆に、仕事内容が曖昧なまま「未経験でもすぐ活躍できる」とだけ強調される求人は慎重に見たほうがいいでしょう。
エンジニア未経験者が、十分な開発経験を積めない環境に入ってしまうと、転職後も実務経験として評価されにくい仕事ばかりが積み上がっていきます。
未経験からベンチャーを目指すなら、過去に未経験者を何人受け入れ、その人たちが今どの業務を担当しているのかまで聞いてみてください。答えが具体的に返ってくる会社ほど、育成の仕組みが実際に回っています。
20代で未経験からベンチャーを目指すなら、未経験からの転職支援に強いユニゾンキャリアで、未経験の受け入れ実績がある会社に絞って紹介してもらうのが近道です。学習を始めてから応募するまでの具体的な流れはエンジニア向け!ベンチャー・スタートアップに強い転職エージェント・サイトおすすめ19選!の未経験ロードマップで、スクール選びは【無料あり】転職支援・保証型プログラミングスクール比較13選!社会人・学生さんの就職に強い!で解説しています。
危ないベンチャー・スタートアップの見極め方【入社前チェック】
「こんなはずではなかった」を防ぐ一番の方法は、選考の段階ごとに確かめる中身を変えていくことです。
求人票だけで会社を判断するのではなく、求人票→公開情報→面談→オファー時の書面という順番で情報を増やしていきます。
求人票で見るポイント
面接に進む前の求人票からも、いくつか確認できます。
- 固定残業代(みなし残業)の時間数と超過分の扱い:超過分の残業代を支給すると求人票に明記されているかを見ます。時間数だけで判断せず、実際の平均残業時間も面接で聞きましょう。
- 抽象的すぎるキラキラワード:「やりがい」「アットホーム」「裁量が大きい」「若手が活躍」といった言葉ばかりで、開発環境や担当プロダクトが具体的に書かれていない求人は慎重に見ます。
- 同じポジションの常時募集:何か月も掲載され続けている求人は、採用が難航しているだけの場合もあれば、入っては辞めるを繰り返している場合もあります。面接で直近1年の入退社の状況を聞けば、どちらなのかはだいたい見えてきます。
- 「エンジニア1名」の募集背景:増員と欠員補充では、入社後に待っている仕事がまったく違います。前任者が退職しているなら、引き継ぎ資料が残っているかまで聞いておくと安心です。
- 必須スキルが極端に広すぎる:フロントエンド、バックエンド、インフラ、モバイルアプリをすべて必須にしている求人は、一人で全部を回す前提になっている可能性が高いです。
公開情報で見るポイント
次は、企業の公式サイトや外部の公開情報です。
- 資金調達のプレスリリース:「いつ・誰から・いくら調達し・何に使うか」が読み取れます。調達したという事実より、その後に事業がどう進んでいるかのほうが判断材料としては大事です。
- 技術情報の露出:技術ブログ、Qiita、Zenn、GitHub、採用ピッチ資料などに目を通します。更新頻度だけでなく、実際にどんな技術課題を扱っているのかを見ます。
- 実際のプロダクトを触る:BtoCならアプリやWebサービスを実際に使い、BtoBなら公開されている導入事例やデモを見ておきます。エンジニアなら「自分が入社したらどこを改善したいか」まで考えておくと、面接でも質問しやすくなります。
- 口コミサイトの読み方:1〜2件の口コミで判断せず、投稿時期と件数をセットで読みます。違う時期に同じ問題が繰り返し書かれているなら、面接でその点を率直に聞いてみてください。
カジュアル面談・面接で聞く質問と、回答の読み方
カジュアル面談や面接の最後にある逆質問は、会社を見極めるための重要な時間です。
ただ質問するだけではなく、「回答が具体的か」「数字や事実で説明できるか」「質問に対して話をそらしていないか」まで見てください。
| 聞く質問 | 安心できる回答の例 | 注意したい回答の例 |
|---|---|---|
| エンジニアは何名体制で、コードレビューはどう回していますか? | 全員がプルリクエストを出し、1名以上の承認を得てからマージしています | スピード重視なので各自の判断でデプロイしています/レビューのルールは特にありません |
| 障害対応やオンコールは、誰がどのくらいの頻度で担当していますか? | 〇名でローテーションを組んでいて、当番手当もあります。夜間のアラートは月〇回程度です | 気づいた人が対応しています/社長やCTOの携帯に直接連絡が来ます |
| 今回の募集は増員ですか、欠員補充ですか? | 〇〇機能の開発を加速させるための増員です | 前任者が抜けてしまって……(理由がはっきりしない、前任者への不満を話し始める) |
| 技術的負債の返済には、どのくらい時間を割けていますか? | スプリントごとにリファクタリングの時間を確保しています | 今は新機能を出すフェーズなので、返済は落ち着いてからです |
| 売上を支えている事業の柱と、特定顧客への依存度を教えてください | 複数の顧客とサービスから売上があり、1社に偏らないようにしています | 今はほぼこの1社からの売上です |
表の最後にある事業面の質問は、エンジニアが聞くと意外に思われるかもしれません。ただ、売上が1社に偏っている会社では、その顧客の要望ひとつで開発の優先順位が丸ごと入れ替わります。
特定顧客への依存度が高い会社なら、その顧客を失った場合にプロダクトや開発体制へどんな影響が出るのかまで確認しておきましょう。
オファー面談・契約前に書面で確認すること
内定が出たら、条件提示書やオファーレターを必ず書面でもらいましょう。見るべき項目は次の3つです。
- 給与の内訳:基本給、固定残業代、各種手当が明確に分かれているか。試用期間中に給与や条件が変わる場合は、その中身もチェックします。
- ストックオプション(SO)の詳細:付与数だけでなく、行使価格、ベスティング、退職時の扱い、上場しなかった場合にどうなるかまで書面で押さえます。
- 労働制とリモートワークの運用:裁量労働制の場合は実際の勤務実態との乖離、リモートワークは実際の頻度と出社義務の有無まで確かめておきます。
面接時に説明された内容とオファーレターの記載が違っていた場合は、入社を承諾する前に人事へ問い合わせてください。
特に年収、固定残業、勤務時間、リモート勤務、SOなど、入社後に「聞いていた話と違った」となりやすい項目は口頭だけで済ませないことです。
それでもベンチャー・スタートアップで働くと、エンジニアに何が残るか
ここまでリスクを挙げましたが、ベンチャーだからこそ得られる経験も確かに存在します。
大手企業では役割分担されている仕事を、短い期間で横断して経験できる可能性があるからです。
第一に、「0→1のプロダクト立ち上げや技術選定の経験」です。
何もない状態からアーキテクチャを選定し、データベース構造を設計し、リリースまで進めた経験は、職務経歴書でも説明しやすい実績になります。
特に「何を作ったか」だけではなく、「なぜその設計にしたのか」「どんな問題を解決したのか」「結果として何が変わったのか」まで説明できると強いです。
第二に、「事業数値(KPI)を意識した開発経験」です。
「仕様どおりコードを書いた」だけでなく、「ユーザーの離脱を防ぐためにレスポンスを改善した」「CVR改善のために機能を変更した」といった経験があれば、技術と事業をつなげて説明できます。
第三に、「早い段階から役割を広げられる可能性」です。
組織が拡大する局面では、テックリードやEMなどの役割を早い段階から任されるケースがあります。
ただし、役職名だけを見てはいけません。実際にどこまで権限と責任を持つのか、採用や組織づくりまで担当するのかは、オファー面談で聞いておくべきポイントです。
ベンチャー転職で本当に残すべきなのは、次の会社でも説明できる技術的な判断と、その結果として出た数字です。ストックオプションは、その上に乗ればうれしいおまけくらいに考えておけば十分です。
ベンチャー・スタートアップ転職でよくある質問
Q:ベンチャーとメガベンチャー、最初に入るならどちらがおすすめですか?
手厚い環境で基礎を固めつつ、モダンな開発文化や大規模サービスにも触れたいなら、まずメガベンチャーを検討するのが無難です。
ただ、自分の手でサービスを立ち上げたい、技術選定から関わりたい、組織づくりまで経験したいという目的が明確なら、スタートアップを選ぶ理由もあります。
重要なのは「ベンチャーかメガベンチャーか」ではなく、入社後に何を経験したいのかです。
Q:入社した会社がもし潰れてしまったら、エンジニアとしてのキャリアは終わりますか?
終わりません。
会社の倒産や事業撤退だけを理由に、次の転職で評価が決まるわけではありません。
重要なのは、その環境でどんな技術課題に向き合い、何を判断して、何を実現したかです。
倒産リスクを気にするなら、入社後に残せる実績まで考えて会社を選びましょう。
Q:ベンチャーで使っている技術は、次の転職で評価されますか?
評価されるかどうかを分けるのは、技術スタックの新しさより、それを選んだ理由を説明できるかどうかです。
TypeScriptやGo、クラウドネイティブな構成を使っていても、「流行っていたから」としか言えなければ面接ではほとんど響きません。反対に、古いフレームワークを使い続けていても、事業のスピードやメンバーのスキルを踏まえて判断したこと、移行の計画を立てたことを話せれば、十分な実績になります。
気をつけたいのは、社内独自のフレームワークや特定のツールだけで開発が完結している会社です。そこで身につけたスキルは、他社でそのまま通用すると説明しにくくなります。面接では「主要な技術スタックと、それを選んだ理由」を聞いておきましょう。
Q:何年くらい在籍すれば、次の転職で「成果」として評価されますか?
年数だけで一律に決まるものではありません。
半年でも事業上の重要な機能を立ち上げた実績があれば説明できますし、2〜3年在籍していても成果を語れなければ評価にはつながりません。
次の転職では、担当した課題、判断したこと、技術的な工夫、成果を具体的に話せる状態を目指してください。
ただし、給与未払いなど著しく不誠実な環境なら、無理に在籍期間を伸ばす必要はありません。
Q:家族に「ベンチャーはやめとけ」と反対されたら、どう説明すればいいですか?
家族が心配するのは、主に収入と生活の安定です。
「成長したいから」という説明だけでは納得してもらいにくいでしょう。
入社予定の企業について、資金調達状況、提示されている基本給、想定される稼働時間、オンコールの有無、リモート勤務などを具体的に確認し、その内容を伝えてください。
それでも不安が大きいなら、シード期ではなくレイター期やメガベンチャーから探すほうが現実的です。
Q:新卒でベンチャー企業に入るのはありですか?
ありです。ただ、見るべきポイントは中途の転職とは少し違います。
新卒で確かめたいのは、その会社が新卒採用を何年続けていて、同じ年に何人入社するのかです。中途の即戦力ばかりの開発チームに新卒が一人だけ入る形だと、教える側に準備がなく、自分の成長を比べる相手もいません。毎年複数名を採用している会社なら、最初の数か月で何を任せるかという育成の流れがある程度できあがっています。
説明会や面接で「昨年入社した新卒エンジニアは、今どんな仕事をしていますか」と聞いてみてください。育成の実態が、一番具体的に見えてくる質問です。
まとめ:見極める手順を持てば、ベンチャーは怖くない
「ベンチャーはやめとけ」という言葉の裏にあるのは、会社のフェーズと自分の期待をすり合わせないまま入社した人の後悔です。裏を返せば、そのすり合わせさえ済ませておけば、「やめとけ」の大半は避けられます。
判断する順番はシンプルです。まず会社がどのフェーズにいるかを押さえ、次に開発体制、とくにレビューとオンコールの実態を面談で確かめます。そのうえで働き方と提示条件を書面で確認し、自分が譲れない条件と照らし合わせてください。この順番を飛ばして年収やストックオプションから比べ始めると、判断を誤りやすくなります。
とはいえ、資金調達の背景や採用の事情まで一人で調べ切るのは現実的ではありません。求人票に載らない開発体制まで把握しているエージェントを使えば、面談前の段階でかなりの候補をふるいにかけられます。
もう一度「ベンチャー・スタートアップはやめとけって本当?エンジニアが後悔する理由と見極め方を解説!」を読む ↑
ベンチャー・スタートアップ転職に強いおすすめ転職エージェント3選
最後に、エンジニアのベンチャー・スタートアップ転職で比較したい3社を紹介します。
1.テックゴー(Tech Go)
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成長中のスタートアップからメガベンチャーまで求人を比較しながら、年収だけではなく、開発体制や選考条件も含めて転職先を検討できます。
この記事で取り上げたコードレビューや開発体制などを面接で確認する準備にも活用できます。回数無制限の模擬面接や1Day選考会もあるため、選考対策をしっかり行いながら転職を進めたい経験者と相性があります。
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【業界TOPクラスの内定率】ITエンジニア専門の転職エージェント!
テックゴー
現役ITエンジニアのキャリアアップに強いエージェント。模擬面接や1Day選考会への参加など「充実のサポート」に定評ありです!
2.STRATEGY CAREER(明光キャリアパートナーズのエンジニア転職)
- 東証プライム上場・明光ネットワークジャパンのグループ会社が運営
- 20〜30代の経験者エンジニアを中心に支援
- 年収1,000万円クラスの求人を多数保有(スタートアップCTOへの転職事例あり)
- 首都圏を中心としたベンチャー求人に強み
STRATEGY CAREER(明光キャリアパートナーズのエンジニア転職)は、明光ネットワークジャパングループが運営する経験者向けエージェントです。
スタートアップのCTO候補など、事業の中核を担うポジションも含めて、キャリアの次の役割まで見据えて求人を探せます。
テックリードやVPoE、CTO候補など、技術だけでなく組織や事業にも関わるポジションを検討したい人と相性があります。
特に、今の技術力を次の役割へどう広げるかを考えている経験者なら、一般的な開発求人とは違った視点で求人を比較できます。
| 得意な職種 | IT/Web領域における幅広い職種 |
|---|---|
| 求人数 | 非公開 |
| 対応地域 | 首都圏 |
| 未経験可の求人 | △ |
| 主なサポート内容 | ヒアリング、求人紹介、面接日程の調整、面接対策、給与交渉、入社日調整など |
| 公式サイト | https://meiko-career.jp/lp3/engineer/ |
年収1,000万円案件が多数!20-30代の現役エンジニアに強い転職エージェント!
STRATEGY CAREER
(明光キャリアパートナーズのエンジニア転職)
明光義塾で有名な明光ネットワークジャパンのグループが運営。大手からスタートアップまで幅広いハイキャリア求人を多数保有!
3.ビヨンドキャリア(beyond Career)
- Beyond Technologies株式会社が運営するIT・デジタル特化エージェント
- 目安年収800万円以上、30代〜50代のミドル・ハイクラス層が中心
- 非公開求人が全体の70%以上
- 面接官経験者による企業目線のアドバイスと、履歴書不要の初回キャリア相談
ビヨンドキャリアは、目安年収800万円以上のミドル・ハイクラス層を中心としたIT・デジタル領域特化のエージェントです。
30代以降で、ベンチャーへ移るべきか、それとも現職で経験を積むべきかという段階から相談したい人に向いています。非公開求人が全体の70%以上という点も特徴です。
ベンチャーへの転職そのものを急がず、今後のキャリアから整理したい場合にも相談しやすいサービスです。
面接官経験者による企業目線の対策もあるため、これまでの実績をどのポジションで評価してもらうかを整理したうえで転職活動を進められます。
| 運営会社 | Beyond Technologies株式会社 |
|---|---|
| 対象領域 | IT・デジタル領域(目安年収800万円以上の経験者) |
| 非公開求人比率 | 70%以上 |
| 対応地域 | 全国(オンライン対応) |
| 公式サイト | https://beyond-career.com/ |
【ハイクラスに強い】IT/デジタル領域特化の転職エージェント!
ビヨンドキャリア(beyond Career)
IT/デジタル領域に特化したハイクラスに強いエージェント。厳選された優良求人”のみ”を多数保有しているのでミスマッチが圧倒的に少ない!
上記3社は即戦力・経験者向けの求人が中心です。
20代で未経験からIT業界やベンチャーを目指すなら、20代未経験からのエンジニア転職を得意とするユニゾンキャリアに相談してください。無料のITスクールで基礎を固めながら転職活動を進められます。
※30歳以上の方は利用対象外となる場合があります。登録前に最新の利用条件を確認してください。
IT/Web/ゲーム業界に特化したエージェント【未経験の支援に強い】
ユニゾンキャリア
業界に精通したキャリアアドバイザーのサポートに定評あり。IT/Web/ゲーム【未経験】の20代におすすめ!
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