成功する転職に欠かせないのが、転職エージェントと転職サイトです。しかし、これらの名前はよく耳にするものの、具体的にどのようなサービスが受けられるのか、転職が初めての方はあまりピンと来ないかもしれません。また、数多くある転職エージェントや転職サイトの中からどれを選んだらいいのか困っている方もおられるでしょう。転職活動を開始する上で知っておきたいことは、転職エージェントと転職サイトの違いです。
実はこの2つには、メリット・デメリットやサービス内容などにおいて大きな違いがあるのです。希望する転職スタイルは転職者一人ひとりによって異なります。ここではまず、転職エージェントと転職サイトそれぞれのサポート内容や流れについて大まかな紹介をします。次にこれらを比較し、メリット・デメリットを検証していきます。これらの事項を考慮し、あなたにぴったりの転職エージェント・転職サイトを見つけてください。そして、成功する転職を実現させましょう!
転職エージェントとは?
転職エージェントの大きな特徴は、各登録者に専任コンサルタントがつくことです。コンサルタントは、キャリア相談、求人紹介、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、面接のセッティング、給料交渉など、転職活動における一連の流れを全面的にサポートしてくれます。ですので、転職が初めての方や転職に大きな不安を抱えておられる方には大変心強い存在となるでしょう。
登録後に行われるキャリアカウンセリングでは、あなたの転職市場での価値を客観的に判断してくれます。コンサルタントは、今までに多数の転職者の支援をしてきたその道のプロです。自分でも気付いていなかった才能や特性をコンサルタントに発掘してもらった、誤った価値判断を指摘してもらったなどの例は多くあります。あなたの才能やスキルを十分に発揮できる転職先を見つけるためにも、専任コンサルタントによるカウンセリングは大いに役立つでしょう。
面接対策や手配、その後の条件交渉まで全てコンサルタントにサポートしてもらえるというのも、転職エージェントを利用する大きな強みです。現職を続けながら転職活動をしている方にとって、面接の日時などのセットアップは時間的にも大変な作業でしょう。また、給料や待遇などについて企業とスムーズに交渉するのは、個人ではなかなか難しいものがあります。これらの面倒なプロセスを転職エージェントが代行してくれるのです。転職エージェントはそれぞれの企業の特性をよく把握していますので、応募する会社やポジションにとって有利に働く履歴書の書き方や面接対策もサポートしてくれます。
転職エージェントのその他の特徴として、幅広い「非公開求人」へのアクセスが挙げられます。非公開求人とは、一般の転職サイトでは公開されていない特別な求人情報のことを指します。これらの非公開求人は、給与や待遇面において好条件なものが多いのも特徴です。転職エージェントに登録すれば、あなたのスキルや経験にマッチした、おいしい非公開求人が見つかるかもしれません!
ここまで読んで、サービス内容はとても魅力的だけれどお金が掛かりそう、と不安に思っておられる方に朗報です。転職サイトと同様に、転職エージェントは登録から利用まで基本的に全て無料なのです!なぜ転職エージェントはこれらの徹底したサービスを無料で提供できるのでしょうか?それは、登録者の入社が決定した際に、転職先の企業がエージェントに報酬を支払っているからです。言い換えれば、転職者の入社が決まらない限りエージェントの利益はないのです。そのためにも、転職エージェントは親身になって一人ひとりの転職をサポートしますので、この成功報酬制は転職者にとってもありがたいシステムだといえるでしょう。
転職サイトとは?
では、転職サイトのサービス内容はどのようなものなのでしょうか?転職エージェントとの違いは何でしょう?転職サイトは、転職エージェントのような専任のコンサルタントによるサービスはありません。基本的に、全てのサービスはインターネットを介して行われます。履歴書・職務経歴書も、転職者自らがウェブ上で登録するので、比較的気軽に利用を開始できます。求人情報の検索・応募も全て本人がサイトから行ないます。選考の結果もサイト上で簡単にチェックできるので便利です。もちろん全てのサービスは基本的に無料です。
転職サイトの利用者は、履歴書・職務経験書の書き方から面接対策まで、オンラインに記載されている情報に自由にアクセスできます。また、おすすめの求人情報や面接のオファーなどは、登録者一人ひとりがメールマガジンにて受け取ることができます。企業からのスカウト機能、適職診断・適正年収診断などのサービスを提供している転職サイトも多数あります。
転職サイトの利用者は、専任コンサルタントに相談に乗ってもらったり、直接的な指導を受けることはできません。しかし、急ぎの転職を考えていない方、または転職経験があり面接などのノウハウを既にご存知の方などにとっては大変便利なツールでしょう。面接日時のセットアップなども全てご自身で行っていただくことになりますので、比較的時間に余裕がある方に向いているかもしれません。個人コンサルタントがいない分、転職エージェントと比べてサービスは徹底しているわけではないですが、マイペースで気楽に転職活動を進めたい方にはぴったりのサービスです。
転職エージェントと転職サイトのサービス内容については理解していただけたでしょうか?ここからは、気になるそれぞれのメリット・デメリットについて検証していきます!
転職エージェントのメリット
効率的・効果的な転職活動を可能に
なんといっても転職エージェントの大きな魅力は、専任コンサルタントが面接などの面倒な手続きや条件交渉を代行してくれることです。また、徹底した面接対策によって効果的な転職活動が進められるということでしょう。
カウンセリングにより、失敗しない転職を可能に
基本的な流れとして、エージェントに登録後、転職者はキャリアカウンセリングを受けます。これにより、ご自身の特性や才能、転職市場での価値を客観的にプロに判断してもらえます。これらの情報を基に、コンサルタントは転職者一人ひとりに見合った企業やポジションを紹介してくれます。
非公開求人にアクセスし、転職活動をより有利に
上にも記載したように、転職エージェントの利用者はより幅広い求人情報にアクセスできます。エージェントは好条件の非公開求人情報を数多く抱えていますので、転職活動をより有利に進められます。
企業からの信頼が得られるので有利に
企業と転職エージェントは、厚い信頼関係で結ばれています。そのエージェントにあなたは推薦されているということになります。そのため、エージェントを通じて求人に応募すると、それだけで採用の際に有利になることが多くあるのです。
転職エージェントのデメリット
一見良いこと尽くしのように思える転職エージェントにも、残念ながらデメリットはあります。
登録や利用に時間や手間が掛かる
オンライン上で空いた時間に登録できる転職サイトと比べ、登録後の面接やカウンセリングなど、転職エージェントは利用までに何かと時間や手間が掛かります。登録後も、こまめにエージェントと連絡を取り合い、信頼できるパートナーとして共に転職活動を進めていくことが求められます。
転職市場においてある程度の価値が求められる
企業との信頼関係を築いていくためにも、良い人材を送り込むことは転職エージェントにとって最も大切なことです。そのため、登録の際にはある程度の経験やスキルなどが求められますので、経験が浅い方などは登録が難しくなってくるかもしれません。また、エージェントは転職者の経歴を踏まえて応募先を斡旋しますので、同業種での転職を考えている方には有利でしょうが、キャリアチェンジをお考えの方には向いていないかもしれません。
エージェントの都合で強引に転職先を薦められる恐れも
転職エージェントは、登録者の転職が決まった時点で企業から報酬を受け取ります。そのため早く転職先を決めたい一心で、強引に転職先を押し付けられることもないとは言い切れません。自分で正しく判断し、あなたの希望がないがしろにされていると感じた際にはきっぱり断る勇気も必要です。
専任コンサルタントとの相性が命運を左右する
専任コンサルタントと二人三脚で転職活動を進めるという流れになりますので、コンサルタントとの相性が合わないなどの問題が生じた場合、転職活動が思うように進まないという事もあり得ます。コミュニケーションを密に取り、どうしても合わないと感じた際には遠慮せずに担当者を変えてもらいましょう。
次に、転職サイトのメリット・デメリットについてです。
転職サイトのメリット
マイペースな就職活動が可能
コンサルタントの手厚いサポートがないということは、裏を返せば、転職者が自分のペースで転職活動を進められるということです。ですので、あまり急な転職を望んでいない方、または一刻も早い転職を望んでいる方にはおすすめです。
好きな企業に何社でも自由に応募できる
エージェントからの制限が何もなく、自分の好きな企業・職種に自由に応募できます。応募件数の制限もないので、何社にでも応募可能なのが転職サイトの魅力です。
転職サイトのデメリット
個別カウンセリングや面接対策などのサービスが受けられない
上記にもあるよう、履歴書の作成、応募、面接日時の設定まで全て転職者自らがオンライン上で行うことになります。ですので、転職が初めての方、または自分の転職市場での価値をしっかり把握していない方は転職に失敗する確率が高くなります。
企業の情報・求人情報に制限がある
アクセス可能になるのは基本的に転職サイトに記載されている情報のみですので、詳しい企業情報が入りづらいというデメリットがあります。また、転職エージェントに比べ、閲覧可能な求人情報も限られています。
ミスマッチが多くなる
事前のキャリアカウンセリングや企業の詳しい情報がないまま応募することになりますので、転職後に思っていたのと違うというミスマッチが多くなりがちです。以前に転職に失敗した方、自分の方向性がはっきりと定まっていない方などは、特に注意が必要でしょう。
まとめ
いかがでしたか?転職エージェントと転職サイトの違い、わかっていただけたでしょうか?それぞれにメリット・デメリットがありますので、こっちの方がいい!と断言できるものではありません。また、一言で転職エージェント・転職サイトといっても、各社ごとに独自の特徴があります。原則として、1社のみに登録する方法はあまりおすすめできません。いくつか気になるエージェント・サイトに登録して、どれが一番ご自身に合っているのか比較してみるのがベストでしょう。希望する転職スタイル、これまでの経験やライフスタイルに合わせて、あなたにぴったりの転職パートナーを見つけてください!